さすがに、オフィシャルに書くわけにはいかんでしょ。 === 続・たまご(裏モード) === ピシッ かすかに何かがひび割れる音がした。 ピシッ ピシッ その音は目の前の物体から発せられていた。 一人の少女がそれをじっと見守っていた。 ピシッ ピシッ ピシッ その物体は少し先の尖ったボールのような形をしていた。 そう、それはまるでたまごのようだった。 ただし高さが1mにもなろうかという、巨大なたまごがあるとすればの話だが。 ピシシシッ それはやはりたまごだった。 ひときわ高い音をたて、そこからひとつの命があらわれた。 それはたまごを見守っていた少女−姫川琴音と同じ姿をしていた。 ただ、ランドセルを背負わせて桜の木の前で記念写真を撮るのが似合いそうな年 頃ではあったが。 そして生まれてきた少女は琴音の方を向くと、片膝をつき頭を垂れた。 琴音は鷹揚にうなずくと、少女に声をかけた。 「よかったわ。無事、生まれてきたのね」 「はい」 「そうね。これからは、あなたを笛音と呼ぶ事にしましょう」 「はい、わかりました」 笛音と呼ばれた少女は礼を言うように再度、頭を下げた。 「ところで、あなたの目的はわかってますね?」 「はい、もちろんです」 「では……行きなさい」 そして少女−笛音は街に飛び出していった。 --- てってってってって 笛音は走っていた。 てってってってって ひたすら走っていた。 てってってってって 行けと言われたから走っていた。(おいおい) まぁ、本人は初めて見る世界がものめずらしくて、それが楽しいようだ。 なら、いいか。(いいのか?) 「あ、ぶらんこっ」 公園の前まできて中を覗いた笛音は、そこにぶらんこがあるのを発見し、それに 向かっていった。すでに目的なんてものは頭の中から消えているようである。 「ぶ〜らん、ぶ〜らん、ぶ〜らんこっ」 スキップしてぶらんこに近づく笛音。ずいぶんと楽しそうだ。 ぶらんこに近づき鎖に手をかけた瞬間、笛音は反対側の鎖に手をかけようとして いる少女に気がついた。年の頃は、笛音と同じ6〜7才ぐらい。ちょっと不自然な 色の髪をした少女だった。よく見ると眼も青みがかっていた。 「これ、わたしが先にとったんだからね」 「え〜、アタシの方が先にみつけたんだよぉ」 にらみ合う2人。 そしてじっくり相手を見る事で、お互いの正体に気付いたようだ。 「あっ、あなたミヤウチ星人ねっ!」 「そういうアナタ、ヒメカワ星人ねっ!」 「ならば、このぶらんこは、よけいわたせないわっ」 「それはこっちのセリフよっ」 ばちばちと火花を飛ばしてにらみ合う2人。 どーでもいいけど、そんな低レベルな事で争わんでくれ。 「とにかく、あなたの正体がわかったいじょう、えんりょはしないわよっ! ひっさつ『あなたになにかよくないことがおこります』っ」 「きゃっ」 ・ ・ ・ 何も起こらなかった。 「え〜ん、どうして〜」 「ああ、びっくりした。じゃあ、こんどはこっちからいくね。え〜い」 「きゃぁ」 ピロピロピロピロピロ ・ ・ ・ 「……それ、なぁに?」 「……ビューティ・セレイン・ア■ー……」 「わたし、なんともないよ?」 「だって、こどもはほんとのゆみじゃあぶないから、これにしなさいって……」 「ふ〜ん。ね、ちょっと見せて?」 「うん、いいよ」 どうやら、なしくずしに和解したようである。 「ぶらんこ、じゅんばんにのろうねっ」 「うんっ」 --- こうして、2つの種族の間に小さなものではあるが掛け橋がかけられた。 この橋がやがて大きなものになるのか、それとも打ち壊されるのか。 それは、まだ誰にもわからない。 === 了 === また、他人のふんどしで相撲をとってしまいました。 これはRuneさんのホームページにあったネタ(ヒメカワ星人)をパクってます。 実は「たまご」も裏の意味ではそうなんですね。 チャットの後、「たまご」を思い付いたわけですが、さらにその続きまで暴走して 書いてしまいました。 Runeさん、ごめんなさい。 もし、今回の話がまずいようなら、これは滅殺してください。 しかし、ヒメカワ星人の目的ってどういうんでしょうね? 私は「全人類をこけさせる」だと思ってるんですが。 ところで。 もしかしてこの話、Lメモの範疇に入るんでしょうか? === おまけ === 同時刻、公園の側の道路にて。 「うきゃぅ」(すこけっ) 笛音のPKでこける理緒の姿があった。(笑) === 了 === 実は、これが書きたかった。(笑)