このSSは大部分が本編からの引用です。ご注意くださいm(__)m ------------------------------------------------------------------------------ 「ん? どうした、あかり」 急に歩みを止めたあかりを追い越しそうになって、オレはまわれ右をするようにして、 立ち止まった。 「ねえ、浩之ちゃん、見て見て」 「なんだ?」 「あの木のところ…」 言われて見ると、そこにはふたりの男の子がいた。 片方の子が、もう片方の子の背後に忍び寄っている…ようにも見える。 「あいつらがどうかしたか?」 オレの言葉にも構わず、あかりは息をこらすようにして子供たちの様子をうかがっている。 「あ」 あかりの感嘆と同時に、後ろの子が、油断していた前の子にかんちょうを決めた。 「うわっ」 オーバーなアクションで驚いてみせる男の子。 その様子を見たあかりは、目を細めて、クスクスと笑った。 「なんだありゃ? 『かんちょう』ってやつかぁ?」 「ふふっ。…そうみたい」 「いるんだよなぁ、ガキの頃って。クラスにひとりやふたりはよ〜」 オレは肩をすくめた。 「うん。いたいた…」 とか言いながら、あかりはオレの方を見てクスクスと笑う。 「なんだよ、あかり〜、オレがそうだって言いたそうだなぁ?」 「だって浩之ちゃん、小学校の頃はいつも雅史ちゃんに、『ぶすっ』ってやってたよ」 「あ、あれはだなぁ、相手が雅史だからやってたんだ」 慌てて言い訳したが、全然言い訳になっていない。 「ふふふっ…」 あかりは、そんなオレを見て微笑むだけ。 「とにかく、あんなものとっくに時効だ!」 次に出た言い訳も、苦しいだけだった。 「ふふっ、そうね」 あたふたと言い訳するオレが、おかしくてしょうがない様子のあかり。 「もう分かったから、笑うなっての!」 「ごめん、浩之ちゃん…クスクス」 「…ったく」 ふてくされて、オレはそっぽを向く。 オレたちがそんなやり取りしてる間、向こうではかんちょうを決められた子が、意地になって 仕掛けた子の背後を取ろうと頑張っている。 …相手が警戒してたら無理なんだよ(経験者談)。 「可愛いね」 いつの間にか、あかりもオレと同じ物を見ていた。 目を細め、彼女は子供たちのはしゃぐ姿に見入っている。 「……」 そんなあかりを見て、オレは向こうの子供たちに勝るとも劣らない、茶目っ気たっぷりの 名案を思い付いた。 オレはこっそりと後ろに下がり、あかりからは見えない位置をキープする…。 チャ〜ンス! 今ならあかりに、かんちょうで笑われたお返しをする絶好の機会だ。 オレは・・。 A、あかりに『かんちょう』を決める。 B、やめようぜ。大人げない。 →A オレは、遠くを見るあかりに、そっと近寄った。 …あかりは全然気付かない。 オレは更に忍び寄り、間合いをバッチリ合わせた。 「おい、あかり」 後ろから声をかける。 「え?」 振り向こうとした瞬間、オレは印を組んだ指をあかりに向けて突き出した。 かんちょうはキレイに決まる・・はずであったが、あかりは振り向く拍子に 半歩下がってきたため、勢い余って目標が1コずれてしまった。 『ぶすっ』 「「・・・・・・ッ!!」」 ・・この瞬間に、少女は『女』になったという・・・・(合掌) ------------------------------------------------------------------------------ お久しぶりです、NoGodです。覚えていますか〜♪(苦笑) なんか最近、実験的なSSが流行っているようなので、私も便乗。 題して「本編パクリでどこまでやれるか!?」。(ちなみにオチも某マンガのパクリです) 暇ができたらまた懲りずに似たような事やるかもしれません。ごめんなさい^^;