俺のディナーを返せぇ!−解決編− 投稿者:kurama
−−来栖川邸−−
  PM10:00
  「耕一のディナー失踪事件」が一応解決し、各人それぞれの部屋に戻ってい
  く(このパーティー、泊りがけで行われている)。
  PM10:10
  当然、このまま寝る者はいるはずも無く、滅多に来ることのない機会を楽し
  むため、それぞれ思い思いの場所で会話を楽しんでいる。

−−柏木 梓の夜−−
  梓、初音、千鶴の3人でお風呂に入っている。
千鶴  「こうして妹達と入るのって何年ぶりかしら?」
初音  「う〜ん、覚えてないなぁ・・・」
梓    「それくらい昔なんだろうなぁ・・・」
  梓、天井を見ながらちょっと遠い目をする。
初音  「そう言えば、楓お姉ちゃんは?」
梓    「あぁ、楓なら話しにいくって言ってたよ。」
初音  「ふぅ〜ん。ちょっと寂しいなぁ・・・」
千鶴  「いいじゃない、ここには楽しみに来たんだから。」
初音  「それもそうだね。あとで行ってみよ。」
  ちょっと間を置いて、
千鶴  「そういえば梓、さっき耕一さんに呼ばれたみたいだけど?」
梓    「え?  うん、呼ばれたよ。」
千鶴  「それで、何だって?」
梓    「ん、大した事じゃなかったよ。」
千鶴  「あら、そうなの?」
梓    「うん、そうなの。」
3人の笑いが浴室にこだまする。  

−−新城 沙織の夜−−
沙織  「ハァ・・・これからどうしようかなぁ?」
  沙織、ベッドに大の字に寝転がる。
沙織  「みずぴーは香奈ちゃんと散歩に行っちゃうし、るりるりもいつの間
        にかいなくなってるし・・・」
  寝返りをうって枕に顔を埋める。
沙織  「(あ〜あ、落ち着いたら本当にお腹空いてきちゃったな・・・よし!)」
  何か思い付いたらしく、ベッドから跳ね起きる。
沙織  「こうなったら何処でもいいから話に入れてもらって、お菓子でも食
        べさせてもらおっと!」
  
−−来栖川 芹香の夜−−
  芹香、楓、瑠璃子の3人でテーブルを囲んでいる。
芹香  「・・・・・・・・・・・・」
楓    「・・・・・・」
瑠璃子「・・・・・・・・・」
  ひたすら流れていく沈黙(?)。
楓    「・・・・・・」
芹香  「・・・・・・・・・」
瑠璃子「・・・(くすっ)・・・」
  ・・・どうやら話は弾んでいるようである・・・

−−HMX−12 マルチの夜−−
  マルチ、就寝(充電)準備が完了する。
マルチ「今日はとても楽しかったです〜。またこんな事があるといいですね〜。」
  クマのぬいぐるみにそういって部屋の電気を消す。
マルチ「それでは、おやすみなさいです・・・。」
  そう言うと充電開始のメッセージがPCに写しだされ、マルチは一時活動
  停止状態になる。

−−神岸 あかりの夜−−
  あかりは椅子に腰掛け、浩之はベッドに寝転び、浩之はソファに座って
  テレビを見ている。
雅史 「ねぇ・・・」
  浩之に声をかける。
浩之  「・・・・・・・・・・・」
  浩之、聞こえていないのか、煎餅を咥えながらテレビを見ている。
雅史  「・・・・・・(汗)」
  しばらくして、
浩之  「んぁ?」
  面倒くさそうに雅史の方に(顔だけ)向ける。煎餅は食べきったようで、
  手はもう一枚に伸びている。
雅史  「良く・・・食べられるね。」
浩之  「まぁな。育ち盛りだからな。」
  あかり、雅史、それを聞いて苦笑する。
浩之  「それにしても・・・あかり。」
  煎餅を(また)咥えながらあかりに話しかける。
浩之  「ほふぁへ、ひょふひょくふぃよひゅんひふぉっふぇほふぇふぁは。」
あかり「・・・・・・ヒロちゃん、よくわからないよ。」
  そう言われて浩之、一気に飲み込もうとする。
浩之  「・・・・・・!?・・・ぐがっ・・・」
  喉に煎餅が詰まったらしい浩之を見て、
あかり「(くすっ)はい、お茶。」
  用意していたお茶を差し出す(これも研究の成果なのだろう・・・)
  と、ひったくるようにしてお茶を喉に流し込む。
浩之  「ごほっ、ごほっ・・・わりぃ、あかり。」
  浩之一息ついて、
浩之  「おまえ、よく食事余分に持ってこれたな。」
  そう言われて、ちょっと動揺する。
あかり「え?  う、うん、余ったの貰ってきたから・・・」
浩之  「いやぁ、うまかったなぁ。あかり、今度オレんちでメシ作る時は
        あれくらい作ってみたらどうだ?」
あかり「うん。やってみるよ・・・」
  再びテレビに目を向ける浩之。

−−時は前後して事件直前−−
  パーティーは一通り終わり、みんなそれぞれの行動をしはじめる。

−−廊下−−
  あかり、浩之、雅史の3人で話をしながら歩いている。
浩之  「なぁ、あかり。」
あかり「なに?  ヒロちゃん?」
浩之  「俺、ちょっと食い足りね〜んだ。何でもいいから何か食べるもん
        持ってきてくれねぇか?」
あかり「え?  うん、いいよ。じゃ、部屋に持ってくね。」
浩之  「あぁ、頼んだぞ。」
  あかり、小走りに食堂へ向かっていく。

−−食堂−−
  あかり、食堂の扉を開けて中に入る。中には窓の外を眺めている梓がいる。
梓    「あれ?  どうしたの?」
あかり「えぇ、実は・・・」
  あかり、事情を話す。
梓    「ふぅん、そうか。じゃ、これ持って行きなよ。」
  梓が指差したのは一人分の食事だった。
あかり「え?  これって・・・耕一さんの・・・」
梓    「ん?  あぁ、気にしない気にしない、遅刻するやつが悪いんだから。」
  手を(上下に)パタパタさせながら言う。
あかり「けど・・・耕一さんに悪いですよ。」
梓    「ホラホラ、そんな事言ってないで、後は私が何とかするって。」
  梓、いつのまにか食事をお持ち帰り仕様にしている。
あかり「いいんですか?  ・・・すみません。」
  ちょっと申し分けなさそうに食堂を出ていくあかり。
梓    「浩之君と仲良くね〜っ」
あかり「!?」
  あかり、顔を真っ赤にして食堂を出ていく。
  ・・・そして耕一が到着したのはそれから10分後の事である・・・。
  
−−時は戻り−−
  PM11:00
  浩之、雅史、あかりは外に散歩にでる。
  あかり、ふと来栖川邸に振り返り、
あかり「(・・・ごめんなさい・・・耕一さん・・・)」

  こうして夜は更けていった・・・

−−END−−

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
<あとがき>
う〜ん、後半はちょっと表現不足ですね・・・。
こんな形になりました。
前回とはちょっと書き方が変わってしまいました。
大ボケしてしまった・・・。

<次回>
純愛路線、いきたいなぁ・・・いつになるかわからないけど・・・。

<レス>
■久々野 彰さん・・・  私のこと、覚えてくれているとは、びっくりしました。
                     記憶違いではないですよ。伝言板出身ですし、千葉在住です。
                     あっちの方は様子を見ています。理由は・・・まぁ・・・アレです。

■ハイドラントさん・・・ありがとうございます。正直言って(私の)書き方、特徴的だから
                     内心ドキドキでした。

■無駄口の人さん・・・  この人です。どうでしょうか?

■UMA(うま)さん・・・こちらこそはじめまして。よろしくです。

■ひめろくさん    ・・・実はもっとあったんですけど、食い切れないから割愛しました(笑)。 

■意志は黒さん    ・・・その”火”をどうにかして消すことはできないですかねぇ・・・
                    私は・・・黙って見守ることしかできないです。