音こそ、我が命 投稿者:kurochan
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この物語は、リ−フ殿の「雫」の設定をもとにした、二次創作物(Side Story)です。
内容は、「もっときれいな音で、音楽が聞きたい」と、会社のマシンに自腹で搭載した
SB16を、これまた自腹で買ったAWE64に交換した時の話です。
(かなり、周りから白い目で見られました)
人物および場所の設定は、すべて架空のものです。
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『音こそ、我が命』

第一章  プロロ−グ

「ちゃかちゃかちゃかちゃんちゃん、ちゃ〜んちゃん、ちゃちゃんちゃんちゃんちゃん」
名曲『瑠璃子』が、コンピュ−タに付けたスピ−カ−から流れ出す。
周りの視線が、一気に俺に集まる。
ふっふっふ。この視線がたまらん。
僕は、この快感を得るためだけに、ここに来ているようなものなのだ。

僕は、長瀬祐介。
毎日毎日、繰り返し流される、無声の白黒フィルムのような生活に飽き飽きしていた僕が、
狂気の世界に続く「扉」を閉めてから、かなり経つ。
しかし、日々の色褪せた生活は、全く変わらなかった。
これといった刺激もなく、毎日毎日同じことの繰り返し。
再び倦怠感にさいなまれ、自分自身の存在理由さえも、わからなくなってくる。
プログラムが永久ル−プに入り込んだような、添字がオ−バ−フロ−するまで続くような。
Microsoft Excel97の行が、65536行を超えた時、添字がオ−バ−フロ−した時、僕は
再び、プログラムが異常終了するように、WIN95がハングアップして真っ青な画面になる
ように、そして太田さんのように、『壊れて』しまうのだろうか。
そんな瞬間に恐怖する自分と、期待する自分。
息をひそめて生活を続けるうちに、またしても、狂気の世界への憧れが、僕の内側に湧き上が
り始めていた。
そんな僕に、ちょっとした転機が訪れた。
正確に言えば、少し違った見方を見つけたというべきか。
僕は、妄想以上に、僕の心をとらえ、恍惚とした瞬間(官能的快楽と言ってもいい)に浸れる
ものを、新たに見つけることができたのだ。
それが...、パソコンの自作だった。
ひょんなことから、学校のパソコンを操作することになり、それがきっかけで、雑誌や本を読
みあさり...、今では自分でパソコンを組めるぐらいにまでなった。
そう、『ひょんなこと』というのは、言うまでもなく、同じ高校で現代国語を教えている叔父
である。
叔父の兄は、大学で経営学の教授を教えているが、類まれなコンピュ−タヲタクで、大学内の
LAN構成から敷設、サ−バ−のインスト−ル、果てはネットワ−ク設定まで、自らやったと
いうほどのツワモノだ。
そんな影響からか、叔父が「俺もコンピュ−タをブイブイ言わせてみたい」と、訳のわからない
ことを口走り、『地方公務員の安月給!!』と秋葉原の中央通りを叫びながら駆けずり回って、
コンピュ−タを買ってきたのだった。
しかし、案の定というか、ズボラな性格からか、
「全然わからん」
と、3日も経たずに投げ出してしまったのである。
だが、せっかく30万も出して買った、Pentium/233MHz(MMX)のタワ−PCを、使わずに陳腐化
させるのは、さすがに忍びないと思ったらしい。
そこで、叔父が目を向けたのが...、またしても、僕。
「自由に使っていいから、俺のやりたいことを、このコンピュ−タでやってみせてくれ」
と、デカい17インチディスプレイとともに、学校まで持ってきたのである。
話を聞いてみると、本来叔父がやりたかったのは、受け持っている生徒のテスト結果を、単に
Microsoft Excel等に手入力し、そのまま一覧表を作成するという、極めて単純なものだった。
どうせなら、生徒達の進路状況や、現住所などをデ−タベ−ス化し、いつでも検索・加工して、
必要な書類を瞬時に出力するとか、Oracleサ−バ−からWebブラウザを使って、デ−タ検索する
とか...、いくらでも、使い道はあるのに。
などと思いつつ、本屋で買ってきたガイドブックを片手に、叔父のいう通りの一覧表を作成し
て見せたところ、
「おお、これだ、これだ。これぞ、俺の長年待ち望んだ、えくせるの集計表だ〜」
と、涙を流して喜んだのだ。
さすがに、これには僕も、口をアングリと大きく開けてしまった。
それ以来、僕は、叔父にいいようにこき使われる羽目になった...。
だが僕も、男のはしくれ。
「そっちがそうくるなら、こっちだって」
と、叔父の『地方公務員の安月給!!』から、バイト料という名目でパ−ツ代を出させ、もは
や僕以外はメンテナンスできないほどに、チュ−ンアップをしまくったのである。

叔父から渡されたタワ−型PCのパ−ツで、オリジナルのまま残っているのは、もはや本体ケ
−スと、フロッピ−ディスクドライブ、そして電源ユニットのみ。
それ以外のパ−ツは、全て、秋葉原を徘徊して買ってきた部品に、入れ替えてしまった。
...僕の電波のせいで、たま〜にパソコンが不調になることを除けば、快適そのもの。
学校で使うという条件を除けば、すでに、叔父の手からは離れた状態になっていた。

しかし...。
それと引き換えに、三つの悩みのタネを、抱え込む結果になった。
一つ目は、次々と登場する新技術に対する、半ば脅迫観念のような、知識の詰め込み。
AGPだの、Slot1だの。パソコン雑誌を買うと、必ず新しい規格や、新製品の情報が掲
載されている。
かといって、従来の技術も覚えておく必要がある。
そう。ほとんど、『リ−フ即興小説コ−ナ−』の未読小説を、昼夜、場所を問わず、必死にな
って読み、レスを書き、自らもSSを書くような状況...これと、とてもよく似ているのだ。
二つ目は『お金』。
そう、なんと言っても、お金がかかる。欲しいパ−ツほど、高価なものが多い。
「新し物好き」とは言うが、手を抜いて購入したパ−ツほど、アラが見えるのがはやい。
しかもそういう部品に限って、新しい製品が出ると、反動からか、つい手を出してしまうので
ある。
その結果、三つ目の悩みのタネである、『増殖』に見舞われる。
パ−ツを交換すると、当然取り替えたパ−ツが余るのだが、これを手許に持っていると、気が
付いたらもう一台組み立てられるだけのパ−ツが残っていた...というオチが付くのである。
つまり、順次交換している時はいいのだが、後から考えると、もう一台買ってもよかったのか
な...なんてことが、ザラにある。
そうすると、悔しいもんだから、余ったパ−ツを集めて、もう一台組み立てる。
その結果、自作パソコンが増殖していく...という、最終形態になるのである。


第二章  闘争本能

ある日の放課後。(さすがに授業がある時は、叔父の特別な許可が必要なので、コンピュータを
使うのは、もっぱら放課後になる。さらに、コンピュータは職員室にある。)
職員室で、僕がコンピュ−タに向かっていると、
「あの、祐介さん?」
「?」
振り向くと、
「やあ、瑞穂ちゃん」
そう。
声をかけてきたのは、藍原瑞穂。
言わずと知れた、生徒会書記。
「ちゃ〜んちゃちゃ〜ん、ちゃ〜んちゃちゃ〜ん、ちゃ〜んちゃちゃ〜んちゃららちゃ〜んちゃん」
タイミング良く(?)、スピーカーから『瑞穂』が流れ出す。
「あれ?この音楽、どこから流れてきてるの?」
さすが、自分のタイトル曲には敏感らしい。
「ここからだよ」
僕は、コンピュ−タの左右に置いてある、スピ−カ−を指差した。
一応、くりえいてぃぶ社製なのだが、なにぶん、『ワ−ルドエキスポ97』で1000円で買った
スピ−カ−だけに、ちゃちい音なのだ。
しかし、あまり高価な製品を搭載すると、盗難や故障の場合のショックがデカい。
それに、しょせん学校で聴いているので、スピ−カ−やサウンドボ−ドにお金をかけるぐらいなら、
他の部品に投資した方が、効率が良かったのである。
しかし、瑞穂ちゃんは、そんな僕の考えを知ってか知らずか、
「ショボい音だね」
グサッ!メキャッ!ピシッ!
「あれ?今なんか変な音がしたみたいだけど...」
「...き、気のせいじゃない?」
僕は、平静を装って言った。
眉間をヒクつかせながら。
くっそ〜、人が一番気にしてることを...。
「あっ、わ、わたし、生徒会のことで長瀬先生に用事があったんだ。じゃ、また後でね」
僕の表情の変化を微妙に感じ取ったのか、瑞穂ちゃんは、そそくさと職員室の奥に入っていった。

僕の胸に、瑞穂ちゃんの言葉が、グサリと突き刺さっていた。

『ショボい音だね、ショボい音だね、ショボい音だね、ショボい音だね、ショボい音だね、
  ショボい音だね、ショボい音だね、ショボい音だね、ショボい音だね、ショボい音だね、
  ショボい音だね、ショボい音だね、ショボい音だね、ショボい音だね、ショボい音だね...』

僕は腕を組み、今さっきまで使っていたコンピュ−タを見つめた。
このコンピュ−タは、SB16を搭載している。
今時珍しく、購入時点でサウンドボ−ドが搭載されていなかったのだ。
(作者注:今では、音源ボ−ドが搭載されたマザ−ボ−ドも販売されています。)
とりあえず、『音が出りゃいいか』と思い、買ってきたのがSB16だった。
しかし...。
僕の頭の中に、瑞穂ちゃんが言ったさきほどの言葉が、繰り返し流れていた。

『ショボい音だね、ショボい音だね、ショボい音だね、ショボい音だね、ショボい音だね、
  ショボい音だね、ショボい音だね、ショボい音だね、ショボい音だね、ショボい音だね、
  ショボい音だね、ショボい音だね、ショボい音だね、ショボい音だね、ショボい音だね...』

この一言が、僕の闘争本能(?)に火を付けた。
そこまで言うなら、ショボくない音にしたろ−じゃんか。
MIDIシ−ケンスを鳴らした時の音のショボさは、SB16の問題なんだし。
...数日後、僕は秋葉原で、AWE64を買い、その箱を抱えながら、中央通りをさまよって
いた...。


第三章  交換

次の日の放課後。
僕はさっそく、『AWE64』とデカい文字で印刷された箱を抱え、職員室に行った。
ドアをノックし、中に入る。
「おっ、長瀬くん。今日はまた、大きな箱を抱えてるな」
「また、壊す気かい?」
僕は、そんな周りの先生の言葉には耳も貸さず、真っ直ぐコンピュ−タに向かって歩いていった。
そう。
今の僕は、コンピュ−タのことだけしか頭になかったのだ。

コンピュ−タが置いてある、机の前に立つ。
「ふう...」
僕は、深呼吸を一つすると、制服の上着を脱ぎ、椅子にかけた。
ワイシャツの袖を、まくり上げる。
引き出しから、プラスのドライバ−を取り出し、コンピュ−タの金属部分に当てる。
同じようにして、両手を、コンピュ−タの金属部分に当てる。
静電気で、内部の部品が壊れるのを、防止するためだ。
『君の電波で、既に壊れている』
...という突っ込みが聞こえてきたような気がするが、空耳だろう。
コンピュ−タのどこに、どのケ−ブルが接続されているか、近くにあったメモ用紙に記述していく。
その後、接続されている、全てのケ−ブルをはずす。
コンピュ−タの背面を、手前に向ける。
背面の、ケ−スの蓋を止めているネジを外し、蓋を開ける。
おお、あった、あった。
SB16が、ISAバスの一番下にささっている。
久しぶりの御対面だ。
普段使っている時は、あまり意識しなかったが、ケ−スの蓋を開けて中を見ると、やはりコンピュ
−タなんだなと、妙に納得してしまう。
ほんじゃ、始めますか。

「ふう...」
無事、AWE64との交換が完了した。
万一に備え、ケ−スの蓋は開けたまま、ケ−ブル類を接続し、電源を入れる。
ぶぅぅぅぅん...、ピポッ!
「Kurusugawa Bios Ver3.12 
 Plug and Play Searching...

 Card-01: PE405T
 Found FX-120T CD-ROM 
 Found AWE64 Plug & Play」

おお、BIOSが、ちゃんと認識しているぞ。
やがて御馴染みの、WIN95の雲のマ−クが出る。
しばらくして、ハ−ドウェアウィザ−ドが起動する。
マニュアル通りに、要求されたデバイスドライバを組み込む。
よし。どうやら正常に、ドライバは認識されたようだ。
念のために再起動し、AWE64のCD−ROMから、必要なプログラムをインスト−ルする。
OK、OK。どうやら、うまくいったようだ。
試しに、インタ−ネットからダウンロ−ドしてきたMIDIファイルを、いくつか鳴らしてみた。
「.....」
感動のあまり、僕はうるうると涙してしまった。
今までSB16で聴いていたのを、トランジスタラジオにたとえるなら、AWE64は、まさに
オ−ケストラそのものだ。
うるうるうるうる...ひっひっひっひ。
「よ−し、これでもう、瑞穂ちゃんに『ショボい音だね』なんて、言わせないぞ〜!!」
僕は、思わずガッツポ−ズをした。...ケ−スの蓋を閉めるのも忘れて...。

...しかし、そんな僕のことを、周りにいた先生達が、冷たい目で見ていることに、僕自身は
気付いていなかった。

そして数日後。
新しいパ−ツを取り付けて、頭が冷えた頃。
再度、音を鳴らした僕は...。
「お、音が思ったほど、綺麗に聞こえねえ〜っ!」
ムンクの叫び状態になっていた。
そう。
サウンドボ−ドを交換したのはよかったが、それはあくまで、MIDIシ−ケンスに対してのみ
であり、WAVやPCMには、全く当てはまらなかったのだ。
WAVやPCMの音は、全くと言っていいほど、SB16と変わらなかった。
(少なくとも、僕にはそう聞こえた)
こんなことなら、SB16はそのままに、スピ−カ−と、ロ−ランドGS音源かヤマハXG音源
を購入するんだったかも...。
ああ...、もったいない。
ま、またお金が飛んでいくのか...?

手許に残ったSB16を前に、頭を抱え、身悶える長瀬祐介の姿が、そこにあった。


第四章  (というか、おまけ)

数日後。
僕はその日も、職員室で、僕がコンピュ−タを叩いていた。
叔父を拝み倒し、学校の予算で買わせたプリンターを使って、叔父の書類を印刷する。
印刷した書類を、取ろうとした途端。
...ちりちりちりちり...。
頭の中に電気の粒が走り、画面がグニャリと歪んだ。
一瞬ビビったが、これは...。
振り向くと、
「やあ、瑠璃子さん」
そう、月島瑠璃子。
去年、同じクラスだった女の子だ。
「いけない、いかない、驚かせちゃったよ」
瑠璃子さんは、クスクスと笑った。
彼女は、いつも、こんな感じで登場する。
「ねえ、長瀬ちゃん」
焦点の合っていないような目で、僕を見つめる。
「なに?」
「コンピュ−タ、ありがとね」
「え?う、うん」
あっ、そうか。僕が組み立てたコンピュ−タを、瑠璃子さんの誕生日にプレゼントしたんだ
っけ。
それ以来、瑠璃子さんは、月島さんと一緒に、インタ−ネットでブラウジングしてるとか、
言ってたような...。
「お兄ちゃんったら、毎日のように、『やふぅ』とか、『あちゃら』とかの検索エンジン使っ
て、わたしの名前を検索してるの」
げっ。
「ヒットするはず、ないのにね」
瑠璃子さんは、またクスクスと笑った。
「.....」
僕は、引きつった笑いを返すだけだった
瑠璃子さん。君は知らないだけなんだ。
確かに、さっきの二つの検索エンジンでは引っかからないが、『いんふぉし−く』を使うと、
50件くらいは、確実にヒットすることを。
瑠璃子さんだけじゃない。新城さんや、瑞穂ちゃんでも。
(作者注:経験談です。でも普通、こんなことしないか。)

「ねえ、長瀬ちゃん」
焦点の合っていないような目で、僕を見つめる。
「なに?」
「長瀬ちゃん、インタ−ネットのアンダ−グラウンドのサイトって、知ってる?」
ズルッ!!
僕は思わず、椅子から転げ落ちそうになった。
強烈なことを口走る瑠璃子さん。
「う、うん、知ってるよ。結構過激なことを、やってるらしいけど」
僕は戸惑いながら、そう答えた。
「どんな?」
瑠璃子さんは、興味を持ったらしい。
なんで、瑠璃子さんが、こんなことに詳しいんだ?
「長瀬ちゃん?」
「へ?」
「もう、『へ』じゃないよ。長瀬ちゃんが知ってる、アンダ−グラウンドのサイトって、どん
なの?」
瑠璃子さんが、じっと焦点の合わない目で、僕を見つめる。
...とと、いかんいかん。
「う、うん。お店で販売されているアプリケ−ションを、サ−バ−に入れておいて、ダウンロ
−ドできるようにしてたり、ウィルス作成用のプログラムをアップロ−ドしてあったり...。
それはそれは、違法なことを平気で実行してるみたいだよ」
「ふ−ん」
鼻をならす瑠璃子さん。
あれ?興味をそいじゃったかな。
「それじゃ、そういう話は知ってる?」
...なんか、嫌な予感がする。
「なに?」
僕が聞くと、瑠璃子さんは小声で、
「インタ−ネットの通販で、拳銃が売られてるんだって」
「え−っ!!」
思わず僕は、周りの人が振り返るような声を上げてしまった。
「しっ、声が大きいよ」
「ど、ど、どこで、そんな情報を?」
「わたし、欲しいな...って、思ってるんだけど。トカレフとか、シュマイザ−とか」
何を考えてるんだ、一体。
「じょ、冗談でしょ?だ、だって、日本でそんなもの持ち歩いてたら、警察につかまるよ」
「なんで?」
「『なんで』って、日本には、武器の不法所持を規制する法律があるでしょ?」
「...銃刀法だっけ?」
「そうそう。どこでそんな情報仕入れたかは知らないけど、犯罪になることだけは、やめて
おいた方がいいよ」
「だったら私、もう犯罪者だよ」
「えっ?何をしたの」
「道路で、オシッコしちゃったことあるもん」
「.....」
「.....」
る、る、瑠璃子さんが、ま、まさか、公衆の面前で...?
...もんもんもんもん...はっ!
「長瀬ちゃん?」
見ると、瑠璃子さんの周りに、ちりちりと青白い電波が集まっている。
「今、変なこと想像してたでしょ」
や、やばい。
今、考えていたことを、読まれてしまったのか?
表情はいつものままだが、これは...。
『えっち!!』
頭に直接響くような、瑠璃子さんの声とともに、電波の弾丸が僕めがけて飛んできた...。

「瑠璃子さん、銃なんて買わなくても、今のままで十分だよ...」
数秒後、僕は黒コゲになったまま、床にひれ伏していた。


あとがき

今回は、会社のマシンに自腹で搭載したSB16を、これまた自腹で買ったAWE64に
交換した時の話を、「雫」に乗せて書いてみました。
未だに、AWE64のIDEインタ−フェ−スの殺し方がわからず(マニュアル読めって)、
CD−ROMドライブを、IDEインタ−フェ−ス経由で接続しています。
それにしても、サウンドボ−ドを入れ替えたら、今度はスピ−カ−が欲しくなるあたり、まさ
にハマリの構図ですな。
実は、会社で使ってるマシンは、430FXのマザ−ボ−ドなので、最近巷で売っている
ULTRA  ATAのハ−ドディスクを付けても、その性能を十分に発揮できず、悩んでいる
次第です。
しかし、マザ−ボ−ドを430TXに交換したら、ビデオボ−ドとの相性が心配なので、つい
でにビデオボ−ドも欲しくなるだろうし。
ビデオボ−ドを買ったら、今度は高解像度のディスプレイも欲しくなるだろうし。
もう一台、新品買っちまおうか。いや、それでは自作の醍醐味がなくなる、などと考えたり。
う〜ん、WIN98が出るまでは、今のまんまで使おうかな...などと、悩みは尽きません。

こ−ゆ−話だと、結構書けてしまうので、わずかなノウハウを、公開していこうと思います。