悲しみを越えて−初音編Epilogue− 投稿者:


>あらすじ
千鶴さんが死んで3日後・・・
悲しみに沈む耕一。
そんな中再び「鬼」が出現する。
「鬼」の存在を許せない耕一はその「鬼」を倒す事を決意する。
昼に探しても「鬼」はいなかった・・・
そして、夜・・・
そこに「鬼」がいた。
「鬼」の名前は「ダリエリ」という。
耕一の前世「次郎衛門」のライバルだ。
耕一はダリエリと闘う。
だが、力は相手の方が耕一の何倍も強かった・・・
今にもダリエリの腕が耕一に振り下ろされようとしている。
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初音ちゃん・・・ごめん。俺・・・帰れそうにない。・・・
そう心の中で初音ちゃんに謝った時・・・
「お兄ちゃん!あきらめちゃだめだよ!」
と初音ちゃんの声がしたような気がした。
「ほう・・・リネットもこの世に居たか・・・」
「耕一お兄ちゃんから離れて!」
・・・これは幻聴じゃない!
その時ダリエリの考えていることが伝わってきた。
『リネットを殺せば次郎衛門も本気を出すのであろうな』
「初音ちゃん!逃げろ!」
と俺は叫ぶ。
動け!俺の体!
初音ちゃんを助けなければ!
もう千鶴さんの時のような悲しみを二度と味わいたくはない!
・・・・・だが俺の体は動かない。
ダリエリの腕が振り下ろされる。
その時・・・・初音ちゃんのまわりに突風が吹いた。
初音ちゃんはダリエリの攻撃をかわした。
だがしかし、初音ちゃんの右足に鈎爪でえぐられたような痕がある。
次はもうよけられないだろう・・・
初音ちゃんが
「千鶴お姉ちゃん?千鶴お姉ちゃんなの?」
そう叫んだ。
千鶴さんが初音ちゃんを助けたのか・・・
「リズエルめ・・・小癪な真似を・・・」
そうダリエリが呟く。
「だが、次はどうにもなるまい!」
そう言ってダリエリは初音ちゃんに突進する。
だが、初音ちゃんはよけようとするどころか、両腕を広げて
ダリエリの攻撃を受け止めようとしている。
それを見た時、俺の体はとっさに動いて初音ちゃんをかばおうとした。
「初音ちゃん・・・ありがとう・・・」
「耕一おお兄ちゃん・・・」
そう言ったと同時にダリエリの腕が振り下ろされる。
俺達は死を覚悟した。
その時、
初音ちゃんの胸元が光った。
「耕一・・・・」
俺の頭の中に懐かしい声が聞こえてきた。
「耕一・・・今のお前の中には隠された力が眠っている。それを引き出してやろう。」
親父だ・・・これは親父なんだ。何か言おうとした時
俺の中から今までにない凄まじい力を感じた!
これが俺の中に眠る力なのか?
「さぁ、耕一、その力を使って今度こそ彼女を助けてやるんだぞ」
親父はそう言うと光は弱まった。
「余計なお世話だ・・・くそ親父」
そう言って、
「サンキュウ、今までゴメンな・・・・・」
そう付け加えた。
ダリエリは遠くにいる。
たぶん今の光で遠くに飛ばされたのだろう。
俺は初音ちゃんに向かって
「少し離れてて・・・初音ちゃん。俺、きちんと初音ちゃんの前に帰ってくるから・・・・」
と言った。
初音ちゃんは心配そうな顔をしたが、すぐに俺の顔・・・いや俺の目をじっと見つめて
「わかった。私信じてるから・・・」
そう言ってその場から離れていった。
「ふふふ・・・・その強さだ・・・お前の強さは前のままのようだな・・・」
「さぁ、決着をつけようぜ・・・ダリエリ」
「次郎衛門、お前の死をもってな!」
そう言ってダリエリは突っ込んでくる。
俺はそれを軽くかわし、膝を入れる。
上から肘を落とす。
ダリエリはその場に崩れ落ちた。
そして、動かなくなった。
俺が初音ちゃんのところへいこうとしたとき、頭にダリエリの声が聞こえてきた。
「またお前に負けたか・・・だが、こんな清々しい気持ちは始めてだ。
ひょっとすると、私はお前と闘う事を望んだのではなく、お前に
倒される事を望んでいたのかも知れんな・・・」
「ダリエリ・・・・」
「ふふふ・・・次郎衛門よ・・・リズエルやリネットやお前が転生できたように、
私も転生できることを祈っている。その先で再びお前と相見えることを待っているぞ・・・・」
そう言って、ダリエリは消えた。
「次も負けないからな・・・ダリエリ!」
そう言って俺は初音ちゃんのところへ向かった。
・
「お兄ちゃん、大丈夫?怪我はない?」
「大丈夫だよ。それよりも、初音ちゃん」
そう行って初音ちゃんを抱きかかえる。
「お兄ちゃん?」
初音ちゃんは顔を真っ赤にして言った。
「私は大丈夫だよ、だから、おろして。」
「初音ちゃん、俺に抱かれるの嫌かな?」
初音ちゃんは顔をもっと真っ赤にして
「えっ?嫌じゃ、ないけど・・・・お兄ちゃんだって怪我してるし・・」
「大丈夫だよ・・・もう少しこのままでいってもいいかな?」
初音ちゃんは小さくコクリとうなずいた。
初音ちゃんを抱いているとなんだか落ち着く。
その時初音ちゃんが
「あのね、ダリエリに襲われた時、千鶴お姉ちゃんが私に話しかけてきたの。
それでね、お姉ちゃん、『耕一さんのこと頼むわね』って言ったの・・・」
そう言うと初音ちゃんは更に顔を真っ赤にした。
俺は初音ちゃんを抱き寄せ、
「俺も初音ちゃんを守ってあげるよ・・・」
と耳元で囁いた。
「お兄ちゃん・・・・」
初音ちゃんがどんな表情をしてるかは分からない。
初音ちゃんがとてもいとおしく感じた。
もう俺が悲しみに沈むことはないだろう。
守るべき、大切な女性が目の前にいるのだから・・・
俺の心の痕はようやく癒えようとしていた。
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今回は・・・・何も言いません。感想待ってます。
次は一回あけるかなぁ。
曲は
1.初音でしょう。
2.同じく初音では?
3.前半曲無し、後半鬼神楽
4.最初無し>鬼神楽>お守りのところで消えて>鬼神楽>終わり、そして始まり(Orangeバージョン)
ぐらいがいいかなぁ。

今回はこれまでで。
じゃ!