悲しみを越えて 初音編その1 投稿者:


「お兄ちゃん!」
と初音ちゃんの声が聞こえた。
「お兄ちゃん、朝ご飯も食べずにどこへ行くの?」
「いや、食前の運動がてら散歩でも行ってこようかと思ってね。」
そう言うと、初音ちゃんは困ったような顔をして
「食べてからじゃないと、ご飯冷めちゃうよ。それに」
と言った時、初音ちゃんの表情は暗くなって
「お兄ちゃんがいないとみんな暗くなっちゃうんだ。だから」
と言って笑顔で俺の腕を掴み
「今すぐいっしょに食べようよ!みんな待ってるよ!」
その時俺の脳裏に千鶴さんの言葉が浮かぶ。
少し後で
「分かった。ご飯はみんなで食べた方がおいしいもんな。」
と答えた。
初音ちゃんはうれしそうに、
「うん!」
と言った。
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いつもどおりの食事。
ただ一つ違うのは千鶴さんがいないたけだ。
そう思うと自然に目尻が熱くなる。
突然
「どうしたの?耕一」
と梓が言った。
どうやら知らぬ間に涙を流していたらしい。
「いや、ちょっとあくびを我慢したら出てきちゃって・・・」
ととりあえずごまかした。
みんなは納得しないような顔をしたが、なにも聞き返してこなかった。
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「ごちそうさまー」
と言って外にでかけようとすると初音ちゃんが
「お兄ちゃん、散歩、いっしょについて行ってもいい?」
と聞いてきた。ここで断ると俺がしようとすることがバレてしまいそうだったので、
「いいよ。」
と答えた。
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>話がぜんぜんわかんないよーって人へ
かなり前の方にPrologueがあるんでそれを読んでからこれを
読んでください。
一応あれがこの「痕」アフターストーリーのプロローグですんで。
>その他
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