家を出た時に誰かに呼び止められた。 「すみません。少し時間をいただけますか?」 その人は、以前家に来た刑事だった。 「お久しぶりです、柏木耕一くん。今日も暑いですなぁ。」 「・・・・用件を早く言ってもらえませんか?今日は用事がありますので・・・。」 「あなたの従姉妹の柏木千鶴さんのことについてですが・・・。」 「・・・・何か?」 そう言う俺の声は自然と怒気を含んでいた。 それでも構わずに 「彼女が死んだ日に彼女と外出したと言う人がいましてねぇ・・・。」 「ええ、千鶴さんと外に出ましたが、それが?」 「その時のことを詳しく教えて欲しいのですが・・・。」 ・・・・どうしよう。 すべてを話す訳にもいかないし・・・ そこで俺は 「あの後用事があったので一旦家に帰りました。」 「そうですか・・・それでその後は?」 「家で用事をすませて戻ったら千鶴さんは・・もう・・・。」 そこで自然に涙がこぼれ落ちた。 「そうですか。すみませんねぇ、嫌なことを思い出させてしまって。」 「他に用事はないんですか?」 俺は涙をぬぐって答えた。 「いえいえ、これだけです。それでは・・・。」 そう言ってその刑事、長瀬刑事は帰ろうとした。 「ちょっと待って下さい。今日はあの若い刑事はいないんですか?」 「ああ、柳川か。彼は最近無断欠勤しているんだが・・・」 「そうですか。」 「それでは、耕一君、また何か思い出すことがあったら知らせて下さい。」 そう言って彼は帰っていった。 会話のすんだ後に俺は「用事」をすませようと町を歩き回ることにした。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− とりあえずα編その1書きました。 「もうやめろ!」って言う人は言って下さい。 「ここの文こうしたほうがいいんじゃない?」という人大歓迎! ではでは。