「なぜ?・・・」 彼の呟き。そして、足元に落ちる涙の雫。 彼の想い・・・痛み・・・ココロの痛み。 彼女を求める彼の願いが・・・想いが・・・ だから、彼女は・・・ 「永遠はあるよ」 頭の上から囁きかけられた声にしなだれた頭を上げる彼。 「永遠はあるよ」 「誰?」 顔を上げて問いかける彼。 彼女がそれには答えず、ただ、上から彼を優しく微笑みかけながら・・・ 優しい瞳で見つめながら・・・ 「ほら、ここに」 「永遠・・・永遠の世界が・・・君のところに?」 「おいでよ」 ニコリと彼に笑いかける彼女。 「永遠。時の止まった世界。時の止まった・・・」 「そうだよ。何を怖がってるの?ほら、おいでよ」 「そこは・・・あの世ということか?」 「ちがうよ。永遠の世界だよ。他に呼び名なんてないよ」 「永遠の世界・・・」 彼は、再びそう呟いて、そして、彼女を見つめる。 永遠。時のない世界。それは、彼の想い。彼の願い。 そして、そこに現れた彼女は・・・彼の・・・ 「人はね。弱いんだよ。とっても弱いんだよ。 でも、あなたには、わたしがいるから・・・だから、おいでよ」 どこか懐かしい彼女のどこか寂しげな微笑みを彼はじっと見つめ続ける。 「ね、約束だよ。きっと、来るんだよ。約束だからね」 「約束だからね・・・」 ◇ ◇ ◇ 「なぜ?・・・」 涙をこらえながら下界を見つめる彼女。 彼女の願いは・・・想いは・・・ それは、彼の想い・・・願い・・・だったはずなのに・・・ 「ごめん。やっぱり、僕は戻るよ。あそこが僕の世界だから」 彼女へ向けた彼の言葉。 目を伏せて、そして、呟くような、消えかかった声で・・ 「ごめん。それに、あそこには・・・」 彼は、彼女の目を見ずに、詫び続けた。 そして・・・ 「行ってしまった」 ひとり残された彼女。 「わたしは・・・」 彼女は、また、ひとり。 『約束だよ』 待ち続けた彼女。 『きっと、来るんだよ』 信じ続けた彼女。 「わたしは・・・」 彼女の足元に涙の雫が・・・ ------------- あとがき はじめまして、筆者です。 ONEを題材にしたSSを書いてみました。 私、実のところ、ONEを手に入れて、まだ、1ヶ月程でして、 茜ちゃんと長森と七瀬とみさき先輩しかエンディング見てないんですけど、 GW暇だったもんで(自爆)、WEB上のSSに嵌まっちゃいました(^^; で、ひとつ疑問が沸いたんですね。 “彼女”って一体どうなっちゃうの? 「お菓子の国で王子様が待ってる」の反対なんだから、 つまり、お姫様が待ってるってことでしょ? んで、それって多分あのちび長森(?)のことでしょ? ・・・うーん、なんとなく、彼女、可哀相(T-T) ってね(笑) というわけで、書いたんですけど・・・ これって、誰か既に書いてたりします?(^^; まっ、まったく同じってことはないでしょうから、いいんでしょうけど。 ホントいいますと、こういうのじゃなくて、ほのぼのらぶらぶってのが 好きなんで、そういうの書きたかったんですけど・・・ うーん、そのうち書きたいな♪ では、 またどこかでお会いできるといいですね(にこり) ------- HIROKI BYA11133@nifty.ne.jp http://member.nifty.ne.jp/HIROKI/suki/http://member.nifty.ne.jp/HIROKI/suki/