いつまでも思い出を…… 投稿者: GOTO

 空の青さが目に痛い程でした。
 私の目の前で行われている葬儀とそれが私には相反するモノのように感じました。
 気がつけば夏。
 彼には私たちと出会ってから1年しかなかったのです。
 ふと横を見ると浩之ちゃんがマルチちゃんの頭を撫でながら私をみていました。
『大丈夫か?』
 目がそう言っていました。浩之ちゃんはいつもやさしい目で私を支えてくれます。
 私は、
「大丈夫だよ、浩之ちゃんがいるもの」
 と、微笑みました。
 浩之ちゃんはバツが悪そうに鼻をこすると、急にまじめな顔になって言いました。
「あいつの顔、うれしそうだったな」
 私はその言葉を聞いた途端泣いてしまいました。
 浩之ちゃんその言葉は卑怯だよ。
 ふと、頭になにかが乗ったような気がして見上げるとそこには浩之ちゃんの大きな手がありました。
 なでなで なでなで
 浩之ちゃんの優しい大きな手。
 私は大分落ち着いて、ありがとうと言おうと浩之ちゃんの方を向きました。
「なあ、あかり。俺たちあいつになにをしてやれたんだろうな?」
 浩之ちゃんは空を見上げながら私にそう聞きました。
 私は、
「うん」
 と頷いて、浩之ちゃんと同じ空を見ました。
 青く広い空。
 蝉の声だけがその空間を支配していました。
 痛い程の青さの空。
 痛い程の蝉の声。
 





 ミ−ン、ミ−ン、ミン、ミ−ン
 蝉の声で僕は目をさました。
 ぼんやりと外を見ると窓のすぐ近くの木に蝉がいることに気がついた。
 夏……。
 今、僕がいるところはぜんぜん夏を感じることはできない。
 閉め切った部屋。クーラー。
 夏を確かに拒否していた。
 僕は遠い記憶の中の夏を想像した。
 むせかえる様な暑さ、そして、独特の匂い。
 僕は外に出たい衝動にかられベットから降りると、窓枠に近付く。
 トン、トン
 とちょうどあと少しのところでドアをノックする音が聞こえた。
「失礼します。オぼっちゃま」
 僕は急いでベットに戻った。
 カチャ
 静かにドアノブがまわり、ドアが開く。
 そこから現れるのはいつもと同じ……メイドロボ。
 形式名は確か……HMX-12。通称はマルチ。
「どうですか。オからだは?」
 いつものように丁寧で無機質な喋り方で僕に尋ねる。
「悪くはないよ」
「そうですか」
 いつもと同じ台詞の繰り返し。
 2年前僕が学校で倒れて1年半かけて退院してからずっとこの調子だった。
 親は僕を外に出してもくれない。
 ずっと僕はこの部屋にいた。
 この部屋が僕の唯一の世界だった。
 確かに体の調子は悪い……ときもある。
 けど、調子の良いときもあるのだからその時は外に出してくれても良いじゃないか。
 僕はずーっとそう思っていた。
 そして、僕は今日こそは少し無理をしてでも外に出てやると緻密な計画をたてていたのだ。
 途中で寝てしまったらしいけど……。
 けど、計画はばっちり。準備も万端だった。
「ねえ、マルチ。僕、水が飲みたいんだけど」
 僕は計画を実行に移した。
 マルチが後ろをむいたその時、そのお尻に生えているシッポ ― コンセント? を掴む。
「きゃっ!」
 マルチは短い悲鳴をあげて、そのままの体勢で前に倒れた。
 よし! 予定どおり! HMXー12型はしっぽ? を掴まれるとブレーカーが落ちるんだ。
 僕は心の中で小さくガッツポーズをとる。そして、ベットの中に隠しておいた服に着替えるとできるかぎりのスピードで玄関へと走る。
 ギーッ
 実際にはそんな音はしなかったのかもしれない。でも、ひさびさに自分であけるそのドアにそれぐらいの重厚感は感じていた。
 眩しい程の光だった。
 そして……暑い。
 僕はその中を急いで、なるべく急いで歩いた。
 ひさしぶりにかく汗を感じながら……。
 気がつくと公園に着いていた。近所の、でも比較的大きな公園。
 その中のベンチのひとつに僕は腰掛けた。
 うーん、なにしよう?
 とりあえず当面の悩みはそれだった。
 体の調子は悪くない、とゆうか治っているのではないかと最近は思う。
 前のように我慢できなくなるほどお腹が痛くなることは無くなったし……体も軽い。
 そもそも、僕の両親は二人とも心配症なんだから……。
 と考えが逸れてきたときだった。
「あのう、ここってどこだか教えてくれませんかぁ」
 僕の目の前に今にも泣き出しそうそうなマルチが立っていた。ってマルチ!!
 もう見つかっちゃった?
 あっけにとられている僕を気にもしない様にマルチはますます目を潤ませながら続ける。
「迷子になってしまって、お家がどこだかも、ここがどこだかもわらんないんですぅ」
「……」 
 僕がまだあっけにとられているとマルチはついに泣き出してしまった。
「うぇーん、ヒロユキさぁーん」
 んっ、とそこで僕はやっと違和感に気付く。
 家のマルチじゃない。
 着てる服も家のマルチはこんなにカジュアルじゃないし、よーく見るとあのしっぽもない。
 とすればここで答えないのは失礼だよな。
「そんな……泣かないで、家の住所はわかります?」
 僕の言葉でマルチはやっと泣くのをやめ、こっちを見る。
「すみませぇーん、御迷惑をおかけしてぇ」
 とまた泣く。
「いや、まだ迷惑はかかっていないんで、とりあえず住所を…」
「すいませぇーん、住所もわかんないんですぅ」
「はっ?」
 住所もわからないのにどうしろって言うの。
 どうやらそれが顔に露骨にでたらしく……。
「すいませぇーん」
 とまたマルチは泣き始めた。




「わかりました。一緒に探しましょう、ねっ」
 僕は根負けしてそんな提案をしてしまった。
「えっ、いいんですか?すいませぇーん、御迷惑をおかけしてぇ」
 マルチはぺこっとおじぎをする。
「じゃあ、いきましょうか。あの、どっちから来ました?」
 マルチは少し考えてから、あっちだと思うんですけどと公園の出口を指差す。
 それはあたりまえだろう! と僕はつっこむのを我慢して歩き出した。
「あっ、待ってくださ−い」
 マルチは僕のあと転びそうになりながらもついてくる。


「あっ、とっ、とっ、とっ……ふう」
 また、転びそうになったらしい。
 これで何回目だろう?
 一緒に歩いてこのマルチはえらいドジだとゆうことに気がついた。
 そもそもメイドロボが迷子になるということがあるのだろうか?
「はい?」
 マルチが僕の視線に気付く。
「どうですか? ここらへん見覚えあります?」
 僕は適当に話題を振ってみる。
「すみません、わかりませぇーん」
 また泣きそうになるマルチ。
「気長にいきましょうね」
「はいっ」
 マルチは気を取り戻すとてくてくと歩き出す。
 それにしても、と僕は思う。
 このマルチ、えらい人間ぽいと。
 雰囲気も家のとは全然ちがう。
 もしかして、特別仕様? パンフにはそんなことのってなかったけど……。
「あーっ」
 唐突な声に僕の考えは中止させられた。
 声の主はどうやらマルチ。
 何かの店の前にいる。
「ここのケーキがおいしいんですぅ。あかりさん大好きなんですよー」
 手をぶんぶんふりながらうれしそうにしゃべる。
 『あかりさん』っていう人が主人なんだろうか。
 って、ちょっと待て。
「ねぇ、ここってよく来る所?」
「はい! おすすめはマロンらしいです」
「ここからならもしかして帰れる?」
「はい!」
 僕はふぅとため息をもらした。
 なんでこんな近くでまよってたんだ? 公園からここまでぜんぜんなかったぞ。
 マルチはなにがあったのかまるでわからないという顔をしている。
「ねえ、家がどこかわからなかったんだよね?」
「そうなんです、どうしましょう」
 泣きそうになるマルチ。
「でも、この店からは帰れるんだよね?」
「はい、もちろんです!」
 マルチは僕の言ってることがわからないらしい。
 ? という顔で僕の方を見てる。
「じゃあ、行こうか。マルチの家に」
 家を強調して言ったにもかかわらず
「はい!」
 マルチはうれしそうに歩き出した。





 ホントにいとも簡単にマルチの家についてしまった。
 マルチはぜひ上がっていってくださいと僕をその家にあげ、いま紅茶をいれてくれている。
 家はごく普通の家といった感じだった。
 今は家にはだれもいないらしい。
 きちんと掃除がゆきとどいた気持ちのいい部屋に僕はとおされていた。
 掃除が大好きなんです。と僕がこの部屋を誉めるとマルチはとてもうれしそうに言った。
「はい、どうぞ」
 白いティカップをテーブルにかちゃっと置くとマルチは僕の向いのソファーに座った。
 紅茶を一口飲む。
 ちょっと色がですぎていたがなかなかおいしい。
 でも……夏に飲むものじゃないような。
「ありがとうございました。ここまで送ってもらって」
 唐突にマルチが喋り始めたので僕は慌ててカップをテーブルの上に置く。
「何かお礼をしたいんですけど、なにもないんです」
「そんな気を使ってもらうとこっちが困ります」
 僕は慌てて答える。
 だって、送ったといってもぜんぜんなにもしてないしなぁ。
 マルチは困った顔をしてまわりをきょろきょろ見て、そしてなにかを見つけたのかぱっと表情を明るくして、
「お礼にごはんをごちそうさせて下さい」
 と嬉しそうに言った。
 ただいま5時46分。
 たしかにそろそろ夕ご飯の時間だけど……。
「いや、わるいからいいです。もう帰ります」
 僕はソファーから立ちあがって、
「紅茶ごちそうさまでした」
 と言った。
 マルチは最初寂びしそうな顔をしていたが
「ありがとうございました」
 ぺこっとおじぎをした。
 礼儀正しい人だなぁ。
 僕はマルチの見守る中玄関で靴を履き、ドアノブに手をかけた。
「ホントにありがとうございました」
 マルチはまたまた頭を下げる。
 僕はマルチにお礼を言おうと思ったその時、お腹にいつもの違和感を感じた。
 だんだんと大きくなる違和感。
 ドアノブにかけている手が震える。
 ここ最近はなかったのに!
 そう心の中で叫んだ途端、あのいつもの痛みが襲ってきた。
 膝から崩れるよう倒れる。
 立ってなんかいられない。
 マルチが何かを言ってるようだったが、声がひどく遠くに感じて聞き取れなかった。
 痛い。
 痛い。
 あーあ、家を抜け出すんじゃなかったなぁ。
 薄れていく意識の中で僕は後悔をくり返していた。
「……もうすぐ病院だからな」
「ごめんなさーい……」






 目の前がぐらぐら揺れていて気がつくと僕は見知らぬ部屋にいた。
 でも、この匂いは病院。
 周りをよく見ると見知ったモノがひとつあった。
 HMX-12、マルチ。
 寝ている。スースーと寝息をたてながら、
「マルチ、マルチ!」
 僕はできるだけ大きな声でマルチを呼んだ。
「はい、ヒロユキさーん」
 ねぼけているのか、マルチは僕じゃない名前を答える。
 目をこすりこっちを向く。
「あっ、気がついたんですか? 心配したんですよぉ」
 あまりにも人間ぽい喋りかた、今日出会った家のじゃないマルチだった。
 マルチと呼ぶよりマルチさんだなっ。
「大丈夫ですか、突然倒れるんですもの心配しましたよぉ、ヒロユキさんがちょうどきてよかったです」
 たぶんヒロユキさんという人が主人なんだろうな……。
「ずいぶん、迷惑をかけたようで……、あの、そのヒロユキさんは?」
「あっ、ちょっと先生によばれて行きましたよ。って、まだ起きちゃだめですよ」
 僕はマルチさんの制止を聞かずに部屋の外に向かう。
「ただ、そのヒロユキさんにお礼が言いたいだけです、それに自分の体のコトは自分が一番わかってます」
 マルチさんにそう言うと僕は廊下にでた。
 ここは偶然にも僕が1年半も入院していた病院だった。
 見慣れた廊下を僕はヒロユキさんを探して歩く。
 あっ、そういえば僕はヒロユキさんの顔を知らない。
 計画変更。
 この病院で僕を診てくれている先生はただ1人、その先生をさがせばいいんだ。
 看護婦に先生の居場所を聞き、そこへ向かう。
 先生はどうやら奥の診察室にいるらしい。
 診察室の前に立つ。
「どうしてそんな……無責任な事をしたんです」
「君は……どうしてそんなことを……言えるのか」
 言い争っている声が聞こえた。
 1人は先生、もう1人は誰だろう……ヒロユキさんと言う人だろうか?
「やめてください」
 と母さんの声。
 きっと先生に呼ばれたのだろう。
「君には……どう言ってもわかってもらえないと思う。わかってくれとも言わない。ただ、君は部外者なんだ私たちの事は放っておいてくれ」
 なんで父さんまで……。
 僕は困惑した。
 いったい何を話しているのか? なんで父と母がいるのか?
「これから……どうするつもりなんですか? 彼を……このまま閉じ込めておくつもりですか?」
「違う、閉じ込めているのではなく守っているんだよ、息子がより長く生きていられるように……」
 より長く!?
 耳を疑った。 
 父はなんて言ったんだ?いまさっき。
 理解ができない、したくない。
 漠然とした不安が僕の心に広がってくる。
 聞かなくては、もう一度。父の口から、もう一度。
「あんたのやってることはまちがってんだよ!」
 ヒロユキさん声を荒立てて椅子から立ち上がるのと、僕がその部屋へ入ったのはほぼ同時だった。
 父、母、先生が呆気にとられた顔で僕を見る。
 ヒロユキさんは入り口に背を向けていたので、父達の視線を追ってやっと僕に気付いた。
「よう、体はよくなったのかよ」
 ヒロユキさんがわざとらしく僕に聞いた。
 でも、僕はそれには答えなかった。
 聞かなくては、もう一度、直接、父の口から。
「父さん、さっきなんて言った?」
 父はその言葉を聞くとぴくっと動いた。
「長く生きられないってどう言う事? 僕は死ぬの?」
 意外に自分は冷静だったと思う。特に『死ぬの?』そう聞いた途端、僕はなんだか言い様のない安心感を覚えた。
 自分でもずっと思ってきた事だった、僕は死ぬのかもしれない、と。
 父はなにも言わなかった。
 母は泣いていた。
「なあ、ちょっと俺につきあわないか?」
 ヒロユキさんが僕にそう言うと、父はゆっくりと顔を上げた。
「いいですよね、みなさん?」
 ヒロユキさんは父達にそう言って僕の腕を掴む。
「いこうぜ」




 
 僕は病院の屋上にいる。
 いつのまにか日は傾き始めていて、夕日が赤く空を染めていた。
「とりあえず、自己紹介でもしようか」
 ヒロユキさんは言った。
 僕は静かに頷く。
「俺は藤田浩之。お前が助けてくれたマルチの御主人様ってやつだ。あいつはドジだから多分えらい迷惑を
かけただろう。ごめんな」
 優しい目をしていた。
 あいつはドジだからと言いながら、それでもしかたがないと目が言っていた。
 しばしの沈黙、浩之さんはなにかを考えているのか真っ赤な空を、真っ赤になりながら見ている。
「なぁ」
 ゆっくりとそして言葉を選びながら浩之さんは話し始めた。
 僕の病気のことを、さっきのでわかったとは思うけどと最初に言って教えてくれた。
 僕の寿命はもって2年。
 それは体を必要以上に動かさない場合で……。
 2年寝てるだけの生活でいいか?
 浩之さんは言った。
 きっと家の両親と浩之さんはこれで言い争っていたんだろう。
 でも……。
 なんで浩之さんは僕の生き方にこんなに介入してくるのだろう?
 はらが立ってるわけではない。
 ただその理由が聞きたかった。
 その事をなにげに聞いてみると、
「昔な、俺のダチに限られた時間の中で一生懸命がんばっていた奴がいてさ。俺はそいつになにもしてやれなかった。だからかな」
 昔を懐かしむ目。
 僕をその人と重ねていたんだ。
 その時バタンと屋上のドアが開く音がした。
「ヒロユキさぁーん、いますかぁー?」
 んっ、という顔をする浩之さん。
「おーい、マルチこっちだー」
 浩之さんがそう言った数秒後、メイドロボットのマルチさんは僕の前に立っていた。
 どうやらマルチさんはずっと僕を探していたらしい。
 でも、見つからないので浩之さんに知らせに来たら僕がいたというわけだ。
「よかったですぅ」
 そう言うマルチさんを浩之さんは優しく見つめながら、
「こいつがそのダチだ」
 と言った。
「はっ?」
 僕はその唐突な言葉に困惑した。
 だってマルチさんはメイドロボットじゃないか。
「それはな……」
 僕のいぶかしむ顔を見て、浩之さんは苦笑まじりにマルチさんの事を喋り始めた。
 マルチさんが自分の高校にデータを回収しに来た事。
 マルチという機種はもともとこのマルチさんのようにより人の心に近いものを持っていたと言う事。
 マルチさんとの1週間、そして、別れ。
 マルチさんのいない日々。
 再会。
 浩之さんはマルチさんがいることを確認するかのようにマルチさんの頭をなでる。
 そして、
「どうだ? すこし俺達の家で生活してみないか?」
 突然の提案だった。
 父さんと母さんはなんていうだろうか?
 僕はそう思った。
 なんて言うだろう?
「親の方は俺が説得しておくからよ」
 僕の心配が顔に出ていたのか、浩之さんはそう言った。
「ぜひきてくださーい」
 とマルチさん。
 悩む理由はないような気がした。
「はい」
 僕はゆっくりと答えた。







 

 ……いろいろな事がありました。
 私が浩之ちゃんに呼ばれて彼と出会ったのは夏も終わりに近付いた頃だったと思います。
 私が聞いていた印象と彼はまったく違いました。
 結局、彼の両親を説得するのにえらく手間取ったと浩之ちゃんは言っていました。
 彼が浩之ちゃんの家にいたのは2ヶ月間。
 もっといてもいいぜ、と言う浩之ちゃんに彼は
「父さんと母さんが可哀相だし、僕はできる限り生きると決めたから」
 といったそうです。
 そんな彼はあっというまの歳月のなかで亡くなりました。
 浩之ちゃんは私になにも言わず、ただ黙っていました。
「なにをしてやれたんだ?」
 その言葉だけが重く、重くのしかかっているようなそんな歩き方。
 浩之ちゃんはそうやっていつも自分だけを責める。
 私もその重みを感じる事はできないの? ねぇ、浩之ちゃん?
「だめだ!」
 浩之ちゃんの背中が言う。
「だめだ!!」
 私は……。
 浩之ちゃんをうしろから抱き締めるだけ……。
「だめだ!!」
 ねぇ、浩之ちゃん……。









 葬儀から2日後……
 手紙が届きました。
 彼から……。
 亡くなった彼から……。
 



 拝啓 
 おげんきですか?
 いかがおすごしでしょうか?
 僕は今、とっても元気です!
 それはやることができたためだと思うんですけど……
 そのやる事っていうのは、小説です。
 小説を書いてます。
 あなた達との思い出をいつまでも忘れないように、
 はっきりとしたものにするために!!
 そこでの生活を小説にしてみました!!
 マルチさんと浩之さんの昔の思い出。
 あかりさんと浩之さん。
 僕は書きました。
 いつまでもわすれないように……
 ここにいた記憶をのこすために……
 あっ、たぶん完成させてこの手紙と一緒に送ると思います。
 どうか読んで下さい。
 みなさん、お元気で!
 僕はできるかぎりここにいた証拠を残します!!
 後悔しないように、
 終わらないように。


------------------------------------------------------------------------------------
 どうも!
GOTOです。こんな長くて中途半端な作品を送ってしまってすいません!!
 ただ、最後の手紙の部分がかきたかったんです!!
 永遠にこの感動をあじあわせてくれた作品をわすれないように!!
 そう自分にいいきかせたかったんです!!
 読んで下さった皆様、ありがとうございました
 結局病気の少年は自分でした!!
 いろいろと説明不足ばかりですが、そこはどうか見のがしてもらえませんか?(笑)
 いつまでも思い出を……
 それでは!!


 感想です!!
 『白樺の林の中で。』西山英志 様
 いいですね!!
 その雰囲気、その静かな表現。
 ああっ、いいなぁ。
 想いの色か……。
 すごいです!!

 『かわいそうなセバス』 久々野 彰 様
 ううっ、可哀相すぎる!!
 セバスチャンー!!!
 ぎゃふん!!!
 レミーじゃなくてレミィですね、どうも指摘ありがとうございます!!

 『正義の味方とマルチ』 MIO様
 すごい、シュール!!
 ◯パンマンがこんなことに……!!!
 そうですよね!歌をきくたびにそれしか友達いないのかなーって思ってましたよ
 俺も!!

 
 『−遊撃宇宙戦艦セリオン・第一話『そいつの名は矢島』−』: 紫炎 様
 浮かれる気持ちもわかりますよね!!
 がんばれー!!矢島!!
 ついにマルチ、宇宙船かー、はぁ。
 つぎはなんだろう?巨大ロボットはあっただろうなー。
 つぎが楽しみです!!

 『夢のリーフタッグトーナメント』 壱弥栖 様
 きんにくまん!?
 なつかしいっす!!
 るりるり!?
 なぜ?
 でも活躍してほしい!!
 楽しみです!!

 『The次回予告(5a)』 八塚崇乃 様
 ブギーポップ!!
 読んでみたいんですけど売ってないんです!!ううぅ。
 感想ありがとうございます!!
 がんばります!!

 こんどこそ、それでは!!