「ぱんぱかぱーん、やってまいりました。修学旅行宴会パーティ。今日は顔はちょっとでるけど名前のでない男子学生2と解説として……」
「私、女子学生4でお送りします」
わー!!!
会場はいっきに最高のボルテージ。
「さあ、まずはじめは……」
「ちょっと待った!!!!!」
唐突に現れた謎の女子学生の正体は?
志保にきまってるじゃん。
「ちょっと! さっきふぅって感じに両手をあげたでしょ! 浩之!」
て言うか同類に思われるから指をささないでくれ。
「まぁ、いいわ。この私の美声でそんな考えはすぐに変わるんだから、曲番1275A-06。いくわよ!」
会場全体がかたずを飲む。
「ブランニュウハート……」
ちっ、やっぱりうまいぜ。
そう思った時だった。
志保の持っていたマイクが突然宙に浮かぶと猛スピードで飛んでいった。
「ちょっ、待って−、私歌い終わってないわよー」
追っ掛ける志保
そういう問題じゃないだろう。
というかなんで飛んでったんだ?マイク。
そこで俺ははっとしてまわりを見渡す。
「どうしたんですか?誰を探してるんですか?」
「えっ、いやー別にって……琴音ちゃん! どうしてここに? いま修学旅行なんだよ」
「さぁ?」
敢えて言及はしまい。ねっ。
「でも、あちらには芹香先輩もいますし、葵ちゃんもいるんですよ」
「へぇー、琴音ちゃんあのふたりとも面識あるんだ?」
「さぁ?」
げっ、言及は御勘弁を……。
「琴音ちゃん、さっきマイクを飛ばしたのは君だね」
「すいません、うまかったので私悔しくて、私、藤田さんがああゆう人を見てるのが耐えられなかったんです」
こっ、琴音ちゃん……。
俺は琴音ちゃんを抱こうと……。
ザ−(頭に水をかけられた音)
空中にコップが浮いていた。
琴音ちゃん以外にこんなことができるのはただ1人。先輩?
顔をおそるおそる見る。
「……」
恐い、いつもと同じ表情なのに恐い。
「なにするんですか?先輩!」
その重い沈黙をやぶったのは琴音ちゃんだった。
「……」
2人の間の空間に火花が散る。
「アチッ」
間の生徒がぞくぞくと避難を始める。
俺も避難をしよう。
あかりの席の近くに来た。
なんだか酒くさいぞ、ここらへん。
「ふぃろゆきちぃやーん、私、もう飲めましぇーん」
「だめやでぇー、絶対のませぇるぅからなぁー」
「いぃやぁー、堪忍してぇー」
「ふわっはっはっはっは」
こてっ。
委員長がダウンした。
なにやってるんだここらへんは?
「ふぃろゆきちやーん、私、気持ちわるい。うう」
「ああっ、じゃあ俺の背中に乗れ、部屋までのっけてってやるから」
「ごめんねぇ、ひろゆきちゃーん」
俺はあかりを背負って廊下まで来た。
「おい、あかり。お前また委員長に押しに押されてだろう? いやなことはいやって言わなきゃだめだぜ」
廊下をゆっくりと歩きながら言う。
「うん……、あっ、そこ右。その奥の部屋」
あかりの言われるままにその部屋へと向かう。
部屋のすぐ前まで来た時、背中がふっと軽くなった。
「浩之ちゃん、ここでいいよ」
「酔いは覚めたのかよ?」
あかりはうんとうなづく。
「ありがとね、浩之ちゃん」
そういって歩き出した瞬間、ふらっとあかりが倒れそうになった。
気付くと俺はあかりを支えていた。
吐息がかかるほどの距離の2人。
俺とあかりは次第にお互いの顔の距離を近めて……。
ザンッ
黄金のマイクが俺の頭の上の柱に刺さっていた。
びくっとして俺はマイクの飛んできた方を見る。
そこには地獄が広がっていた。
「藤田さん、なにをしてるんですか?」
と琴音ちゃん。もちろんまわりの空気が振動しているのは言うまでもない。
「……」
と先輩。もちろんどこからか魑魅魍魎の叫び声が聞こえるのは言うまでもない。
「浩之。私の歌ちゃんと聞いてよ」
と志保。これはあまり関係ない。
「獲物がいるネ、うごかないでネ。楽に死なせてあげるワ!」
って、なんでレミ−まで。
「いや、あのね。これは、あの、ほら、ねっ」
猛ダッシュをかけて俺は逃げ出す。
「こんなオチはベタだろうーーーーーーーーー」
つづく?
どうもお読みいただいてありがとうございました。
どうでしょう?
すこしは楽しんでいただけたでしょうか?
なにぶん、ここに書かせてもらうのも初、そして、初心者ということでお見苦しい点も多々あるとは思いますがこれから精進していくつもりです。どうか暖かく見守ってやって下さい。
感想をいただければ幸いです。
それでは、また。