東鳩ラン外伝/シャドウエッジ Episode-9 投稿者:AIAUS 投稿日:3月19日(月)13時52分
>>>>>[Hoi! HIROSHIMAの戦争もいよいよ決着が着きそうじゃな]<<<<<
--Flame-Hammer

>>>>>[やめてよ、最悪。全然、似てないわ]<<<<<
--Tokihime

>>>>>[年寄りなりに気を使ったんじゃい。少しはいたわらんか]<<<<<
--Flame-Hammer

>>>>>[……ねえ、一つ聞きたいんだけど、いい?]<<<<<
--Tokihime

>>>>>[Runnerにカウンセリングを頼むほど愚かだったのか?]<<<<<
--Flame-Hammer

>>>>>[勝手に話すから、聞くのが嫌なら落ちてて]<<<<<
--Tokihime

>>>>>[あいつら、生きて戻ってくるのかな?]<<<<<
--Tokihime

>>>>>[可能性は高くないな]<<<<<
--Flame-Hammer

>>>>>[なら、どうして行ったのよ? 得るものなんて一つもないのよ? そんなのRunnerのすることじゃないよ]<<<<<
--Tokihime

>>>>>[他人の行動に口を挟むのも、Runnerのすることではない。他人の行動の邪魔は飯のタネじゃがな]<<<<<
--Flame-Hammer

>>>>>[Murasameには理由がある。あいつはKozukaから何か聞いたのじゃろう。Samuraiというものは死に急ぐ者が
多いからな。Jamや弾切れ以外の理由で死んだ連中は腐るほど見てきた]<<<<<
--Flame-Hammer

>>>>>[あいつはSamuraiじゃないよ……]<<<<<
--Tokihime

>>>>>[Hyakkoはメイジだ。知的好奇心が金銭欲を上回っても不思議ではない。HIROSHIMAは今、戦乱の渦中。
あいつの若い脳を刺激するものに満ちていることじゃろうて]<<<<<
--Flame-Hammer

>>>>>[あいつは魔法なんか使えないよ。バカだもん……]<<<<<
--Tokihime

>>>>>[だから、音を紡げるんじゃろうて]<<<<<
--Flame-Hammer

>>>>>[金ずくでしか歌えない者、奏でられない者には魂を震わすことはできん]<<<<<
--Flame-Hammer

>>>>>[そうか……そうだったね。アハハ、Third−Rateはあたしの方だったわ]<<<<<
--Tokihime

>>>>>[Black-Clockと一緒に行かなかったことを後悔しているなら、それは間違った考えだ。おまえの考え方はRunnerとして
正しい。警鐘を鳴らしているのは、女としての部分に過ぎない]<<<<<
--Flame-Hammer

>>>>>[うん。今、はっきりわかった]<<<<<
--Tokihime

>>>>>[どちらを選択するかは結果が出てから決めろ。高くはないが、可能性は残されている]<<<<<
--Flame-Hammer

>>>>>[うん。あたし、祈ることにするよ]<<<<<
--Tokihime

>>>>>[Wa? 神様は嫌いじゃなかったのか?]<<<<<
--Flame-Hammer

>>>>>[だから、似てないってば……神様は愛しているわ。嫌いなのは、神様を信じていると思い込んでいる連中だけ]<<<<<
--Tokihime

>>>>>[合理的な結論だな。やはり、おまえは賢い狐だ]<<<<<
--Flame-Hammer

>>>>>[THX]<<<<<
--Tokihime

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   「東鳩ラン外伝/シャドウエッジ」


 episode-09「戦火」


 那美の発言により、すべてが反転した日の夜。
 佐野司祭とその配下は、アークタワーと発電所などの主要重要機関を制圧することには成功したが、部隊の一部を投降兵などによって
失ってしまった。佐野は研究室でいらただしげに膝を揺らしていたが、向かい側に座るスーツ姿の男性は冷静な表情を保っていた。
「信仰心……あながち馬鹿にしたものでもなかったのですね」
「我々には理解できない感情です」
 企業の人間の他人事のような口調に、さらに佐野のいらだちは高まる。
「ミスター・ジョンソン、企業軍の派遣はお願いできませんか?」
「無理です。こうなれば、硬直状態にある現在のうちに逃亡することをお薦めします。我々はあなたの頭脳を歓迎しますよ」
 佐野は舌打ちをした。企業お抱えの研究者の待遇など、今の地位からすれば比較の対象にもならない。
「わかりました。アルテーとパジェントリーが私の手の中にある以上、尾河も強い態度に出ることはできないでしょう。なんとか、
交渉によって事態を収めてみます」
「成功を祈っておりますよ、佐野’司祭’」
 こうなっては、自分がアルテーの地位を乗っ取ることは不可能だろう。ミスター・ジョンソンはそのことを皮肉ってみせたのだ。
 佐野の歯ぎりしの音が聞こえた。


 深夜のディアブロ地区。
 ユンナと貴族達に説明を受けたディアブロ達が、納得した顔でうなづいている。一部の者は目を逸らしているが、それらはエビルを
追い立てていた連中だ。エビルの目は何の感情も映していないが、心にやましいところがある彼らには恐ろしく思えるのだろう。
「人間に手を貸せというのですか? その、佐野って野郎をぶっ殺すのを手伝えってことでしょ?」
 ディアブロの一人の質問に、貴族達が答える。

「我らの中で一番最初に覚醒を迎えた者、つまり初代のディアブロの中には、「王族」と呼ばれる者達がいた。彼らは我々貴族よりも
強い力を持っていたが、性質は残虐で支配欲も強かった。我らの最初の王国は、彼ら「王族」によって作られたのだ」
「自らの享楽のために支配し、自らの快楽のために殺す。二代目に生まれた我ら貴族は、そのような世界を望まなかったが、「王族」は
力が強く、逆らうことができなかった。そうした「王族」の中で、唯一反旗を翻したのが、ルミラの父親デュラルである」
「当時、人間達が結成した軍隊「教団」の引き起こした混乱も相まって、何とか我らは「王族」を打ち倒すことができた。しかし、
彼らによって我らが受けた傷も大きく、「教団」の要求に大きく譲歩せざるを得なかった」
「それが、現在の世界である。確かに、我らは「教団」と戦ったが、真に憎むべきものは「王族」であった」
「カンツェロは、佐野司祭によって人工的に作り出された「王族」。強い力を持った人形だ」
「我らは、その存在、及び、それを作り出す者の存在を許さない」

 ディアブロ達の中で、決意が固まりつつあった。
「自分達を弄び、道具として扱った者達を滅ぼそう」
 貴族の命令は絶対だ。だが、それよりも強い感情がディアブロ達を突き動かしている。
「目標は佐野司祭の配下が抑える施設郡。我ら貴族が矢面に立ち、露を払う。諸君らは存分に暴れろ」
 ディアブロ解放地区を怒号が覆う。
 深夜の決戦が繰り広げられようとしていた。


 白亜の塔でも戦闘は始まろうとしていた。
 いや、すでに始まっていた。
 巨大な体躯のトロールの傭兵が、二丁のポンプアクションのショットガンを両手に構えて、攻撃に備えていた
ガーディアン達に向かって撃ちまくっている。マラカスのように銃身を振る度に、ポンプがスライドして散弾が
装填されていく。
 散弾の雨にさらされて、通路越しに佐野配下のガーディアン二人は困惑していた。
「調子に乗りやがって……どこから入り込んできたんだ?」
 ガーディアン達はアサルトライフルで撃ち返しているが、トロールは戦い慣れているらしく、うまく壁越しに
隠れている。いくらワイアードリフレックス(強化反射神経)で超人的な反射神経を有しているとはいえ、
散弾の雨をかいくぐって壁越しのトロールは撃つことはできない。壁抜きをしようにも、超高層建築のアークタワーの
壁は頑丈にできていた。
「尾河の配下か? 凄腕を雇ったもんだ」
 ガーディアン二人を足止めできる傭兵がいたことに、彼らは驚きで溜め息をつく。
「違うな。あいつの雇い主はコヅカだ」
 二人の溜め息が、途中で止まった。

 ズブっ!
 ドンッ!
 カタナが肉に突き刺さる音と、ヘビーピストル・ブローニングウルトラパワーが肉を砕く音が同時に響いた。声もなく、ガーディアン達は
絶命する。ヘビーピストルを放った黒人の男、ブラック=クロックは、まだショットガンの音が鳴り響いている方向へ呼びかけた。
「レイジホーン、おつかれさん。演奏はもういいぜー!」
 向こうの通路でショットガン二丁を鳴らしていたトロール、レイジホーンが射撃を中止する。
「カンツェロが培養体で、それを作っていたのは佐野司祭……ショックですね」
「なぜだ?」
 ショットガンを二丁拳銃のようにを腰のホルスターに入れたレイジホーンが、魔法使いの少年、百虎に尋ねた。
「僕よりも凄腕の魔法使いが、クローンで大量に生産される。これは屈辱的ですよ」
「そういうものか」
 そう答えながら、レイジホーンは残弾を確認している。
「ムラサメ。どうするんだ? 佐野ってやつをブッ殺すのか? どのみち、やつはもう終わりだけどよ」
「会ってから考えるさ」
 銀髪のストリートサムライ、ムラサメが、カタナについた血糊を懐紙で拭き取りながら答えた。
「殺すってことだな。了解。俺も、こんなくだらないことをする男は嫌いなんだ。アサクラにいた上司を思い出しちまった」
「僕も失業はしたくないですからね。雇われメイジにとっては、死活問題になりかねませんよ」
「物好きな連中だな」
 ショットガンの弾を込め直すレイジホーン。ムラサメは笑って答える。
「死んじまった雇い主の仇討ちをする傭兵だって、充分に変わっているさ」
「違いない」
 自分を殺すことを楽しみにしているシャドウランナー達が階下から忍び寄っていることに、佐野はまだ気付いていない。


 アークタワー地下の尋問室で椅子に縛り付けられているパジェントリー。
 殴られ、痛めつけられた哀れな師匠の姿を見て、エルスペスールは息を飲んだ。
「申し訳ありません……すぐに解きますから」
 泣きながら、エルスペスールはパジェントリーを縛り付けていたロープを解く。

 こんな酷いことになるとは思わなかった。

 なにもかも上手くいっていたのに、一日にして全てが台無しになってしまった。こうなれば、師匠に許しを乞うて命だけは助けてもらうしかない。
 ガシッ!
「ぐっ……」
 いきなり、老師匠の皺が寄った腕がエルスペスールの喉をつかんだ。
「ぱっ、パジェントリー師匠……!?」
 怒りのこもった表情で自分を片腕で吊り上げているのは、師匠ではない。彼のボディガードのスタンザだった。
「私は師匠じゃない。許してもらえるなどと思うな」
「ぐっ、ぐえ……」
 ミシミシとエルスペスールの首が音を立てる。気管が潰れかけている音だ。
 観念したエルスペスールは、体の力を抜いて口だけを動かし、自分が裏切ってしまったアルテーに習った祈りの言葉を唱えた。その音にならない
祈りを見て、スタンザの顔がゆがむ。
 ドサッ。
 白目を向いたエルスペスールが床に落ちる。呼吸は止まっているが、まだ応急処置をすれば助かる範囲だ。
「馬鹿野郎……アルテー様の名前を出されたら、殺しなんかできるかよ。おまえって昔からそういう奴だ」
 適切な処置を施しながら、スタンザは呆れたように溜め息をついた。


 アークタワーの周りに集結しているのは、怒りに燃えているガーディアン、エンジェル、警官、傭兵達の群れ。
 そして、彼らと同様に憤っている者達がいた。
 ディアブロの一団である。
「私の部隊はアルテー様の確保に向かう。芳晴、おまえのするべきことはわかっているな?」
「はい。銃弾の装填は完了しています」
 パジェントリーは静かにうなずいた。スーツ姿の老紳士の顔に笑顔は浮かんでいない。
「尾河司祭。あなたの部隊は下の階から順に制圧し、橋頭堡を築いてくれ。切り込み役はガーディアンが行う」
「了解しました、パジェントリー司祭」
 尾河の義手がガチャリと音を鳴らす。傭兵達はそれに合わせて、自分達の銃の遊底をスライドさせた。
「私達はどうすればいいの?」
 ルミラに合わせて、彼女の後ろにいたディアブロ達がパジェントリーの様子をうかがう。彼らもまた、戦うために白亜の塔の周りに集まったのだ。
「教団」の連中に手柄を独り占めされるのは愉快なことではない。
「エンジェル達が保安機構、監視機構を潰していくから、その護衛を頼む。戦いに自信がある者は、傭兵やガーディアンと共に戦ってもらいたい。ルミラは……」
「芳晴くんと一緒に行くわ。一番に佐野のところにたどり着くでしょうから」
「わかった。では、諸君。投降の意志を示した者は助けてやってくれ。だが、それ以外の者に遠慮をする必要はない。存分に戦おう」
 オオッー!
 怒号が、白亜の塔の壁を揺らす。
 HIROSHIMAのあちらこちらで戦火が舞っている。
 アークタワーもまた、燃え上がろうとしていた。

 アークタワーの階段を駆け上っていく戦士達。
 芳晴の横を走るオークの戦士が、彼の顔を覗き込んだ。
「いつか攻め登ることを夢見テイタガ、まさか「教団」と一緒に登ることになるとは思ワナカッタ」
「レオニダスさん、ですよね。エビルを庇ってくれた?」
「ソウダ。あの子はいつも、虐げられた連中のはけ口にされテイタ。俺達の子供は、そんな目に会わなくなるとイイナ」
「当然ですよ。これで全ての問題が終わるわけじゃない。でも、いつか必ず終わらせてみせます」
「貴族に気に入られるワケダナ。俺もおまえを気に入ッタ」
 上の階から聞こえてくるコンバットブーツの足音。
 芳晴とレオニダスの銃が咆哮を上げた。

 たまとイビルは、現れる敵を一瞬で掃討していくガーディアンの働きの凄まじさに舌を巻いていた。
「することないにゃりん。化け物じみた強さにゃ」
「そうでもないみたいだぜ。おらよっと!」
 ガーディアンの動きを阻害しようとしていた敵魔法使いに目掛けて、イビルが火球を投げる。敵魔法使いは慌てて避けたが、その間にガーディアンが
接近して、彼の喉元に銃口を突きつけた。
「援護を感謝します、戦友っ!」
 魔法使いを拘束しながら敬礼するガーディアンに、イビルは照れ臭そうに慣れない敬礼を返す。
「この戦いが終わったら、どうなっちまうのかな?」
 魔法使いを拘束して後方に護送していくガーディアンについて行きながら、イビルはたまにたずねた。
「食い物の種類が増えるにゃん。また、芳晴におごってもらうにゃあ」
「よかったら、私も美味しい店を案内しますよ。こう見えても、仲間内ではグルメで通っているんです」
 魔法使いを護送しているガーディアンが、笑顔でたまに宣言した。
「本当にゃ!? おっまえ、男前にゃ〜!」
 たまが嬉しそうに飛び跳ねるのを見て、イビルは呆れたように言う。
「こいつがどれだけ食べるか知らねえから、そんなこと言えるんだぜ。破産しちまうぞ」
「食い倒れて死ねるのなら、本望ですよ」
「本望にゃ〜!」
 いけ好かない「石像」だと思っていたガーディアンにも、充分におかしくて面白い奴がいる。
「へっ、騒がしい街になりそうだぜ」
 イビルは野球帽をかぶり直しながら、口笛を吹いた。

「コリン。そっちは終わった?」
「大体、潰し終わり。佐野司祭側のエンジェルはほとんど逃げちゃったみたい。耳が早いのも考えものよね」
「そうね。それで、特A級のガードは破れなかったわ」
「煉獄の方?」
「こんな時に自分の男のことを考えるほど、おめでたくないわよ。「聖殿」、アルテー様の方」
 モニターに映るコリンの顔を見ながら、ユンナは報告を続けた。
「監視モニター、保安装置、A級以下のシステムを支配下におさめることに成功……誰?」
「何かいたの?」
「銀髪のカタナを持った男、トロールの戦士、黒人の男性、魔法使いらしき男の子。合計四人が、貴方達より上の階にいるわ」
「登っているの、降りているの?」
「登っているわ。佐野の配下と交戦を続けながら、一直線に佐野の研究室を目指している」
「わかった。芳晴に知らせておくね」
 コリンが通信を切ったことを確認すると、ユンナは再びシステムの監視を続けた。先程から、遠隔地からの不正アクセスが続いている。
「教団」が混乱していることに乗じて、自分達のデータを盗み出そうとしているデッカー達がいるのだ。
「ケルビム、お行きなさい」
 人の顔と獅子の胴体を持った有翼の怪物が何匹も電子世界マトリクスに放たれる。他のエンジェル達が放ったガードICのパワーや、
メタトロンの姿まで見える。今ごろ、世界のあちこちでデッカーが脳を焼かれているだろう。
 銃声も悲鳴も聞こえない、だが、確かに「もう一つの戦争」と呼べるものが、マトリクスで行われていた。


「ギニャ! 危ないんじゃよ。なんですか、あの滅茶苦茶な防壁の数は」
「なんだ? 「教団」のデータに潜り込もうとしていたのか?」
 矢島に図星を差されて、マルチが黙り込む。マトリクスを介して教団のデータバンクに侵入しようとしたのだが、
ケルビムの群れに追われて、命からがら逃げ出してきたのだ。
「今はエンジェル達が最も警戒を強めている時。軽率な行動は止めるでござる」
「あんたに言われたくないんじゃよ!」
 フォードRX-21の後部座席で、相変わらず背中のカタナの置き場所に苦労しているフェザーに注意されて、マルチは不機嫌になった。
「で、フェザーさん。最後の依頼ってなんだ? このまま、HIROSHIMAの夜景を眺めていればいいのかい?」
「これから指定する車両を追跡して欲しいでござる。始末は拙者がいたそう」
「なら、追加料金はなしでいい。サービスにしとくぜ」
「今回はサービスが多過ぎなんじゃよ。ヤクザ・ボスの娘を無料で助けたばかりじゃないですか?」
「上客は大事にするっていうのが、ジャパン・ビジネスだぜ?」
「そう。それが日本の心意気で……あの車両を追うでござる」
 フェザーの眼光が鋭くなる。
 矢島は夜の立体道路を静かに走り抜けていく大型トレーラーの追跡を開始した。。


 バスッ! バスッ!
 二連続で響くショットガンの爆音。
 しかし、スラッグ弾の強烈な打撃も、全身を漆黒の特殊装甲で覆われたガーディアンには全く通用しない。
 レイジホーンの眼前で、黒い独楽のようにガーディアンの体が舞う。
 ガスッ!
 頭に強烈な回し蹴りを喰らったレイジホーンは、両手に二丁のショットガンを持ったまま、床に崩れ落ちた。
「次にやられたいのは、どいつだ?」
 屈強なトロールの傭兵を一撃で昏倒させた凄腕のガーディアンは、自分の前にいる三人のシャドウランナーに質問した。
 明らかに、余裕に満ちた態度である。
「黒人同士で仲良くするのっていうのは、駄目か?」
 油断なくヘビーピストルを構えながら、ブラック=クロックが冗談を言う。
 カシャ。
 男の頭部を覆っていたフェイスカバーが自動的に開いた。そこに見えたのは黄色人種の顔、Sランク・ガーディアン、タイザンの顔であった。
 ドンッ!
 ブラック=クロックはすぐさま装甲が開いた場所、タイザンの顔に向かってヘビーピストルを撃ち込んだが、タイザンは難なくサイドステップして銃弾をかわしてしまう。
 カシャ。
 そして、フェイスカバーはまた、自動的に閉じた。
「日本人ってのはメカ好きだぜ……」
 ブラック=クロックが呆れたように言う。タイザンは彼を無視して続けた。
「「教団」の人間でも、ディアブロでもなさそうだな。貴様ら、何のつもりだ?」
 タイザンが腰に下げていたカタナを抜く。アークタワー内部の人工灯の光を反射して、ヌラリと刀身が光った。
「少し前に、おまえらのお遊びを調べていたレポが殺された。銀髪のドイツ女だ。知っているか?」
 床に這いつくばったトロールと黒人、魔法使いのガキを押しのけて出てきたのは、銀髪の男。
 タイザンと同じく、銀髪の男もカタナを抜いている。
「おまえも銀髪か。姉か妹の仇討ちとでもぬかすつもりじゃないだろうな」
 タイザンは中段にカタナを構え、漆黒のフェイスカバー越しに銀髪の男をにらむ。
「ムラサメっ! やめてくださいっ! スラッグ弾が効かない相手に、カタナが通用するわけないじゃないですかっ!」
 銀髪の男の後ろでガキが叫んでいるのをタイザンは聞いた。
 だが、タイザンの本能は、これまでになく強い警鐘を鳴らしている。
「ムラサメか……俺の名前はタイザン。確かに、レポを殺したのは俺だよ」
「なら、わかっているだろう?」
 銀髪の男、ムラサメの眼光が激しさを増した。
 タイザンは何も言わずに斬り掛かった。

「イアッ!」
「ダアッ!」

 カタナとカタナで打ち合うこと数十合。
 いや、もっと激しく打ち合っているのかもしれない。だが、サイバー化されていないブラック=クロックと百虎の目には、アークタワーの通路いっぱいを
使って戦う、ガーディアンとストリートサムライの剣戟の全てを見ることはできない。
「……これでは、援護できませんね」
 激しく位置を交換し合い、刃と刃を叩き付け合って火花を散らして戦うムラサメとタイザン。
 タイザンの全身を覆う、スラッグ弾の貫通も許さない漆黒の特殊装甲が、ムラサメのカタナによっに傷を付けられていた。
「俺の体に傷を付けるカタナ? ストリートのサムライごときが、どうして’太刀’を持っている?」
「こいつは借り物だ。墓に返る前に、おまえ達の血を吸わないと気が済まないようでね」
「ふん。だったら、復讐に来たのは、貴様ではなくて、その’太刀’というわけか?」
「そのとおりだ」
 ガインッ!
 ムラサメとタイザンが再び、激しく打ち合う。
 バシュ!
 刹那、閃光が辺りを覆った。
「オウチッ!」
「くっ!」
 大光量補正の機能を持つムラサメの目は迫ってくるタイザンの姿をとらえるていたが、生身の目のブラック=クロックと百虎は目を押さえて
悲鳴を上げる。ほんの一瞬だけ仲間の悲鳴に気を取られてしまったムラサメの’太刀’を、タイザンのカタナが弾き飛ばした。
「終わりだ、サムライ=アーティスト!」
 カシューン! カシューン!
 大上段にカタナを振りかぶったタイザンの胸に、二つの穴が穿たれる。
「なっ、がっ?」
 目の前にいるムラサメが持っているのは、ただのヘビーピストル。
 痛みよりも困惑でよどむタイザンの言葉。自分の体を覆う特殊装甲を貫ける銃器を、ストリートサムライが持っているはずがない。
 ドウッ!
 前のめりに、タイザンの漆黒の鎧に包まれた体が倒れる。
「どっ、どうして……?」
「裁き、だ」
 カシューンっ!
 ムラサメがフィクサーから高値で手に入れた拳銃「SABAKI」は、タイザンの特殊装甲で覆われた頭部を見事に貫いてみせた。


 コリンは芳晴達の後ろで通信端末を操りながら、変わりつつある戦況を報告をしている。
「ユンナから連絡。タイザンが殺されたって」
「俺達より上の階を進んでいるっていう、四人組の仕業か?」
 芳晴の質問に、コリンがうなずく。その横にいるエビルは、いつもの平静な表情のままで言った。
「ふむ。できれば、私達ディアブロの手で葬りたい相手だったが」
 その発言に、芳晴は言葉を濁す。
「やはり、「教団」を恨んでいますか?」
「芳晴は違う。それに、あの那美という少女が哀れだとは、我々ディアブロも思っている」
 芳晴はその言葉に、黙ってうなずいた。
「許せませんわ……人を操って弄ぶなんて」
 ルミラの横で、アレイがくやしげに呟く。
「もうすぐ決着はつくわ。みんな、急ぎましょう」
 ガーディアン、エンジぇル、ディアブロ達が、ルミラに先導されて階段を登っていく。
 決着は近い。


「アルテー様! ご無事ですか!?」
 青づくめの居室に響く、老紳士の声。
 アークタワー最上階、アルテーの居室である「聖殿」。
 直通エレベーターが通じている穴を垂直に登ってきたパジェントリーの部隊は、主君の安否を案じて一斉に部屋に押し寄せた。
「……いない、みたいね?」
 メイフェアの言葉に、パジェントリーが苦々しい表情でうなづく。
「おのれ、佐野め。アルテー様をかどわかしたか」
 パジェントリーの怒気がこもった声に、貴族達が応える。
「佐野がアルテーをHIROSHIMAの外に連れ出してしまうと、事態は難しくなるな」
「再び、我らと人間の分裂を図ろうとするやもしれん」
 メイフェアはアストラル体での探索が無駄に終わったことを知ると、パジェントリーの部隊と貴族達に告げた。
「急いで捜しましょう。まだ、遠くには行っていないはずです」
「もちろんだ」
 最上階から、パジェントリーの部隊が下へと進んでいく。
 「教団」の創設者であり、彼らの心の拠り所である教祖アルテーを取り戻すために。
 貴族達は、これも自分達の新しい血のためになるだろうと、それに従った。


 空中に浮かぶ、培養液に濡れた少年達。
 その顔は、みな一様に楽しそうに笑っている。
 培養カプセルから解き放たれた、まだ未完成のカンツェロ達。
 佐野と部下の研究者達が、足止めのために放ったのだろう。
 その足下に倒れているのは、血塗れのシャドウランナー達。
 強力な魔法使いの群れの前では、戦い慣れた彼らも相手にはならなかった。
 まだ、かろうじて息はある。
 しかし、それは慈悲のためではない。
 引き千切り、掻きむしり、折り曲げて玩具にするため。
 カンツェロ達は楽しそうに、床に這いつくばっているランナー達に手を伸ばした。

「やめろ」

 彼らの遊戯を止めたのは、芳晴の声。
 芳晴の後ろでは、コリンが「教団」のコンポジットアーム「BATU」を構え、ルミラとエビル、そして貴族達が呪文の詠唱に入っている。
レオニダス他のディアブロの戦士や「教団」のガーディアン達も武器を構えていた。
「やめる? 僕達にそうさせたのは、君達じゃないか?」
 カンツェロの誰かが、禍禍しく笑う。
 芳晴は苦渋に満ちた顔で、愛銃「SABAKI」の引き金を引いた。
 カシューン!!
 カンツェロの一人が、50口径の弾丸を受けてバラバラに砕け散っていく。
 人形が壊され始めた。


 シュルルルルルルル……。
 非常用のチューブを通って、アークタワー地下の隠し通路まで逃げ延びた佐野は、脱出用に確保しておいたエアロプレーンへ向かって走っていた。
「はあ、はあ、はあ、はあ……」
 研究生活に順応した体は、ランニングには適していない。
 こんな荒事になるはずではなかった。自分は最小限の犠牲とリスクで、「教団」の全てを手に入れることができるように計算したはずだ。
それがたった一人の人形の暴走で、いや、裏切りで、失敗に終わってしまうとは。
 パジェントリーを致命的なスキャンダルで失脚させ、「教団」の権力を全て掌握する。それは、長年の計画の一プロセスに過ぎなかった。

「苦しそうですね、佐野司祭」
 優しげな声が、隠し通路の壁に反響した。

「あっ、アルテー様……」
 佐野の前に立ち塞がったのは、青いローブを着た教祖アルテー。
 長年、彼女に仕え、いつかは彼女と入れ替わることを夢見ていた。
「あきらめなさい。あなたの逃げ場所は、どこにもありません」
 佐野は薄く笑って、懐にしまっていた護身用の拳銃・ベレッタ200STを構えた。
「冗談ではありませんよ。私の頭脳を欲しがる企業は世界中にあります。アルテー様、あなたにも一緒に来ていただきましょう」
 ダンッ!
「えっ……?」
 佐野の顔が驚愕に曇る。
 構えていたベレッタ200STが、アルテーの放った銃弾に弾き飛ばされたのだ。
 アルテーは抜き撃ちをしたのだが、佐野には全く見えなかった。
「女だから、聖職者だから、労せずに従わせることが出来ると思ったのですか? だから、苦労知らずと言われるのですよ」
「わっ、私を、どうなさるつもりですか?」
「法廷に立ち、裁きを受けてもらいましょう。あなたはそれだけのことをしたのですから」
「馬鹿なっ!?」
 アルテーと佐野がにらみ合っている。だが、隠し通路にはもう一人、別の人間がいた。
 ズル、ズル……。
 体から吹き出る血に足をとられながら、銀髪のサムライが歩いている。
 人生最後の標的を討ち果たすために。


 ドシュ、ドシュ、ドシュ!!
 ルミラと貴族の放った魔法が、カンツェロ達を焼き焦がし、凍らせ、貫いていく。
 カンツェロ達も縦横に魔力を振るったが、数が違い過ぎた。
 ガーディアンの正確無比な銃撃とディアブロの魔法が壁のように襲い掛かってきては、HIROSHIMAを騒がしたテロリストも
ミンチになる以外に道はない。
 硝煙がまだ漂っている研究室の中に、エンジェル達が駆け込んだ。
 カンツェロの死体と研究者達の死体の他には、誰もいない。
「佐野はどこに行ったの?」
 キョロキョロと研究室を見回すコリンに、エンジェルの一人が答えた。
「脱出用チューブを使った形跡があります。地下に逃げ込んだのではないでしょうか?」
「追うぞっ!」
 芳晴が真っ先にチューブに駆け寄った。だが、丸い入口に手をかけたところで動きが止まる。
「これは……血?」
 芳晴の手を、赤い液体がついている。
 ディアブロに治療を受けているシャドウランナーの一人、黒人の男が、芳晴を見て静かに言った。
「……追う必要はないぜ。あんたの手を塗らしているのはサムライの血だ」
「喋るな。傷は浅くないぞ」
 治療をしているディアブロに注意されて、黒人の男は笑った。
「あんがとよ。でも、俺の言ったことはマジだ。降りてみな。もう、終わっているさ」
「そうですね。もう、終わったんですよね……」
 黒人の言ったことを受けて、それまで怪我で茫然自失としていた魔法使いの少年が口を開いた。もっとも怪我が酷いトロールも、
かろうじて言葉を紡ぐ。
「一銭にもならない。ビズとしては最低の一日だった。だが、俺はサムライと共に戦えたことを名誉に思う」
「そうですね。それは言えてます」
「違いねえ」
 三人のランナー達は笑っている。ランナー達の近くには、コヅカからムラサメに贈られた’太刀’が転がっていた。


「ふざけないでくださいっ! 私は「教団」のために二十年近く、尽くしてきたのだ。私のおかげで、「教団」は優れた技術と力を
手に入れることが出来たではありませんか。それが、なぜ、このようなことで!」
 アルテーは狂乱状態になっている佐野を、哀れみがこもった目で見つめている。
「見逃してください、アルテー様。私は、あなたのために働いてきたではありませんか!?」
「犯した罪は償わなければなりません。私は、そう教えてきたはずです」
「ならば、あなたのやってきたことは何だっ! ディアブロ達を解放地区とは名ばかりのスラムに押し込め、幾多の社会的不平等を
黙認してきたではありませんかっ!」
 アルテーは佐野の言葉に、うなずいた。
「一度生まれた憎しみが消えるには、長い時間がかかります。私は、人間とディアブロを隔てるしか方法を思いつかなかった。
この罪は、いずれ償わなければなりません。私もまた、あなたと同じ罪人なのです」
「偽善だ! 嘘だ! 虚栄だ! わっ、私は嫌だ。煉獄に閉じ込められるなど……ひっ!」
 叫んでいた佐野が、後ろを向いて悲鳴を上げた。
 銀色の髪を流れる血に染めた男が、いきなり後ろから自分の肩をつかんだのだ。
 血塗れの男はそのまま、佐野の首を腕に抱える。
「……じゃあな」
 人工筋肉が収縮し、常人では得られない力が、佐野の首に巻きついている男の腕に力を与えた。
「やっ、やめっ……」
 グシャ!
 幾多の「教団」の技術を生み出してきた佐野の頭脳が、銀髪のサムライの手によって胴体と切り離された。
「……」
 サムライは佐野の首を両手に抱えて、満足げに笑うと仰向けに隠し通路の床に倒れる。
「これもまた、一つの裁きなのでしょうね」
 アルテーは、息絶えたサムライの目を閉じてやり、死者を葬るための聖句を唱え始めた。
 暗い隠し通路に、朗々と聖女の声が響く。

「こっちだ!」
「アルテー様の声がするぞ!」
「急げっ! 佐野はまだ、航空機を使っていないようだっ!」

 人々の声が聞こえる。
 アルテーは死者達の冥福を祈りながら、戦いが終わったことを知った。


 深夜のHIROSHIMAの立体道路。
 一台の大型トレーラーが、静かにHIROSHIMAから離れていく。
 佐野にスポンサーとして資金提供を続けていたミスター・ジョンソンは、大型トレーラーのコンテナの中で溜め息をついた。
「佐野は脱出に失敗したみたいです。始末する手間は省けましたが、これでカンツェロの培養技術を解析するのに時間を取られますね」
「何事にも、一長一短はある。佐野が我々とのつながりを吐かなかっただけ得をしたと思えばいい」
 上司の言葉に、ミスター・ジョンソンは大げさにうなずいた。
「そうですね。ディアブロの「王族」の力を、我が社が独占できるわけですから」
「「牧場」一つを潰すくらいの価値はあった。投資は成功したのだよ」
 トレーラーの中に詰まれていたのは、カンツェロ少年が入った培養カプセルと、その維持装置。そして、佐野が「教団」で長年に渡って
蓄積してきた人体実験のデータを収めたディスクの束だった。
 それを見て、トレーラーの中にいた者は事業の成功を祝って、嬉しそうに笑い合う。
 ガコッ!
「うわっ!」
 突然、コンテナの上に丸い穴が空き、切り取られたコンテナの金属板が落ちてきた。
 穴から、HIROSHIMAの星空が見える。
「なっ、なんだ?」
 何が起こったのかもわからない内に、ミスター・ジョンソンの隣りにいた上司の首が切り落とされた。
 ボトリ。
 床に落ちた上司の生首を見て、悲鳴を上げようとするミスター・ジョンソン。
「詰めが甘かったな、カンパニーマン」
 目の前で無表情に自分に宣言しているのは、黒装束のカタナを持った男。
 銃を構えようと思考する暇もなく、長年に渡って自社と佐野を結び付けてきたミスター・ジョンソンの頭は胴体から切り落とされた。

「なんか、後ろから聞こえねえか?」
「黙って運転しろ。壊れ物を運んでいるんだからな」
「へいへい……んっ?」
 大型トレーラーの運転手は、生真面目な相棒の胴体から、垂直に銀色の棒が生えているのを見て、不思議に思った。
 そして、そこから噴き出す血。
「ひっ、ひいい!」
 驚愕でハンドル操作を誤り、大型トレーラーは路肩に衝突した。
 そして、すぐに搭載していた燃料に火が付き、トレーラーは派手に燃え上がる。
 そこからゆっくり歩いて離れていくのは、黒装束の男フェザー。
 赤い火の粉を背中に受けながら、フェザーは背負った鞘に愛刀を戻した。
「鮮やかなもんだな。さすがはフェザーさんだ」
 すぐ近くの路肩にフォードRX-21を駐車していた矢島は、馴染みの客を拍手で迎える。
「それほどでもないでござる。ただのゴミ掃除でござるから」
「かっこいいんじゃよー。前言撤回。あんたの写真集、わしにくだされー!」
「おい、マルチ。マジかよ!?」
「ニンジャーの心を愛する者がまた一人増えたでござる」
 矢島は、愛車を操る人工知能の変わった趣味に頭を抱えている。
 企業のトレーラーを焦がしている炎の光が、緑色のフォードRX-21のボディを赤く染め上げていた。
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 Glossary of Slang 

l021.Jam………………ジャム。自動装填装置などの機構不良によって起こる弾詰まり。ナノセカンド単位で戦うサイバー化戦士にとっては、
致命的なアクシデントとなる。そのため、現在でもリボルバー式を愛用銃として使っている者もいる。
l035.Third-Rate………三流の意味。和製スラング。
l053.THX………………Thank youを省略したもの。ネット用語。
l065.ミスター・ジョンソン…佐野と話している企業人は日本人で、ジョンソンという名前ではない。企業とのコネ、もしくは橋渡しを行う人物を
俗語で”ミスタージョンソン”と呼んでいるため。
l107.ウルトラパワー……ブローニング社の傑作ヘビーピストル・マックスパワーの改訂版。武器の大きさはそのままで、一体式レーザーサイトの
搭載に成功している。スマートリンクを持たない、ノンサイバーの戦士に人気がある。
l209.煉獄………………アークタワー最深部にある拘束施設。重大な犯罪を犯してしまった者がここへ幽閉される。暴走によって大量殺人を
犯してしまったユンナの恋人ウィルはここに幽閉されている。
l230.ケルビム……………「教団」謹製の侵入妨害プログラム。ブラックIC。「教団」のDataの監視を行い、それを盗み出そうとする者には躊躇なく
攻撃を加える。
l231.パワー………………Aクラス以上のエンジェルが使う侵入妨害プログラム。ブラスターIC。外見は鎧をまとった天使。
l231.メタトロン……………Sクラスのエンジェルの中でも選ばれたものだけが使える、「教団」最強の侵入妨害プログラム。威力が強すぎて
確実に相手の脳を焼いてしまうため、使用する局面が制限されている。外見は機械でできた巨大な天使。


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