東鳩ラン外伝/シャドウエッジ Episode-1 投稿者:AIAUS 投稿日:3月11日(日)19時17分
>>>>>[Hoi! また、来てやったぜ。元気にしているかい、愛しいゴロツキ共!]<<<<<
--Black-Clock

>>>>>[ヤダ。Third-Rateが来ちゃった]<<<<<
--Tokihime

>>>>>[んだとぉ! おめえだって、売れてねえじゃねえかっ!]<<<<<
--Black-Clock

>>>>>[Simsenseに出たもん、アタシ]<<<<<
--Tokihime

>>>>>[Exotic埋め込んだ、色モンとしてだろうが!!]<<<<<
--Black-Clock

>>>>>[ああ、ヤダヤダ。負け犬の遠吠えは]<<<<<
--Tokihime

>>>>>[Dandelion-Eater! あのキツネの尻尾、捕まえてきたヤツをテメエのAssに
ねじ込んだだけじゃねえか?]<<<<<
--Black-Clock

>>>>>[……あんた、あたしのトーテム知っていて、ほざいてんの?]<<<<<
--Tokihime

>>>>>[おい。不毛な争いはやめろよ]<<<<<
--Murasame

>>>>>[Black-ClockのDataが売れなくても、TokihimeのRumpが大きくても、俺には関係ない]<<<<<
--Rage-Horn

>>>>>[冷てえ、お言葉……]<<<<<
--Black-Clock

>>>>>[Rumpですってえ! Trogのくせにっ!]<<<<<
--Tokihime

>>>>>[Squeaky]<<<<<
--Rage-Horn

>>>>>[やめろっての。吠える前に、実力をつけるのがRunnerの常識だぜ?]<<<<<
--Murasame

>>>>>[Murasameの言う通りです。あ、Data買いましたよ、Black-Clock]<<<<<
--Hyakko

>>>>>[Yo!Yo!Yo! Hyakko! あんた、最高だぜ!]<<<<<
--Black-Clock

>>>>>[新曲の「Temps」だろ? 俺も買っちまったぜ……まあ、前の「Zeit」よりはマシかな?]<<<<<
--Murasame

>>>>>[Yeee! Yappie! 今から抱きしめにいくから、そこを動くなよ、Murasame!]<<<<<
--Black-Clock

>>>>>[ダメですわ。Murasame-samaは、私が先約ですもの]<<<<<
--Kozuka

>>>>>[Chummer!! 愛は分かち合おうぜ?]<<<<<
--Black-Clock

>>>>>[Three-Playですか? Murasame、大変そうじゃよ]<<<<<
--Multi

>>>>>[やはり、人間は不潔だ…]<<<<<
--Rage-Horn

>>>>>[Trogに言われるようだったら、本当に不潔ね]<<<<<
--Tokihime

>>>>>[その不潔っていうのは、俺も入っているのかよ……そうだ。新しい武器を買ったんだぜ?]<<<<<
--Murasame

>>>>>[Wa? アレスはプレデター2のカスタム、出したばっかだろ? 前に買ったって言ったじゃねえか?]<<<<<
--Black-Clock

>>>>>[Heavyとはいえ、ピストルの類は不安だ。俺はSCK東京社のModel-100を信用する]<<<<<
--Rage-Horn

>>>>>[いや。前に噂になったHIROSHIMA直産の銃さ。「SABAKI」っていう名前のヘビーピストル]<<<<<
--Murasame

>>>>>[「教団」製造の銃かよ!? よく手に入りやがったな]<<<<<
--Black-Clock

>>>>>[フィクサーには大分ふっかけられたけどな。まあ、流通しているものじゃないから仕方がない]<<<<<
--Murasame

>>>>>[おまえ、こういうことには金離れがいいなあ……]<<<<<
--Black-Clock

>>>>>[Murasame-samaは武人ですもの]<<<<<
--Kozuka

>>>>>[で、その大金に見合った価値はあったんですか?]<<<<<
--Hyakko

>>>>>[ああ。素人でもPinheadが狙えるような気持ち悪い銃だぜ。「教団」が外に出したがらないのも
わかる]<<<<<
--Murasame

>>>>>[銃は命中精度ではなくて威力だ。当たっても弾き返されては意味がない]<<<<<
--Rage-Horn

>>>>>[あのね。あたし達の皮膚には、あんたらみたいなイボは生えていないのよ]<<<<<
--Tokihime

>>>>>[トロールの皮膚装甲はわからないが、Corp.SamuraiのDermalは、あっさりと抜いたよ。
自分の銃でよかったぜ]<<<<<
--Murasame

>>>>>[試してみたら?]<<<<<
--Tokihime

>>>>>[遠慮しておく。そこまで馬鹿じゃない]<<<<<
--Rage-Horn

>>>>>[「教団」って、よくわからない連中ですね。Vatな連中にLiquidizerを持たせるなんて]<<<<<
--Hyakko

>>>>>[得体の知れない連中っていうのは同感です。Feather-samaは何の御用事があるのでしょう?]<<<<<
--Kozuka

>>>>>[さあな。Ninja-Artistの考えることなんて、俺にはわからないぜ]<<<<<
--Murasame

>>>>>[わしも新しい武器を買ってもらったんじゃよ。マーベラーミサイル]<<<<<
--Multi

>>>>>[んだ? ミサイル?]<<<<<
--Black-Clock

>>>>>[アングラのユーティリティプログラムでしょう。Multiはデッカーですから]<<<<<
--Hyakko

>>>>>[前から聞きたかったんだけど、MultiってJoytoyなの?]<<<<<
--Tokihime

>>>>>[違うんじゃよ。確かにいつも、ご主人様の尻には敷かれているんじゃけど]<<<<<
--Multi

>>>>>[やはり、人間は不潔だ…]<<<<<
--Rage-Horn

>>>>>[Trogだって、男と女の区別くらいあるでしょが]<<<<<
--Tokihime

>>>>>[!! Tokihimeの出ているData、この前、買ってもらったんじゃよ]<<<<<
--Multi

>>>>>[Yeee! Yappie! 今から抱きしめにいくから、そこを動かないでね、Multi!!]<<<<<
--Tokihime

>>>>>[パクんな、コラ]<<<<<
--Black-Clock

>>>>>[ちなみに、「暗黒戦艦モミアゲ」っていう、Z-Rate-Simsenseなんじゃが]<<<<<
--Multi

>>>>>[うっ……]<<<<<
--Tokihime

>>>>>[苦労してんだな、Tokihime]<<<<<
--Black-Clock

>>>>>[忘れて。お願ひ……]<<<<<
--Tokihime 



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   「東鳩ラン外伝/シャドウエッジ」


 Episode-01「ストリート」


 旧世紀の戦史跡に建つ「教団」の中枢、アークタワー。
 尖鋭状の巨大な白い塔は、「教団」が十年に渡るディアブロとの戦いに勝利したことを記念して
建設された。
 高層建造物の中にはHIROSHIMAを管理するための頭脳機関がひしめいている。
 また、アークタワーは「教団」の管理中枢であると共に、「教団」の象徴、教祖アルテーの居城
でもある。
 白亜の塔の最上階には「聖殿」と呼ばれる教祖アルテーの居室があり、彼女はそこから、宗教都市
HIROSHIMAを見守っている。
 そして、あまり知られていないことだが、アークタワーの地下は犯罪者を幽閉する監獄にもなっていた。

 白い、白い、白い、何もかもが白い。
 不自然に明るい空間。
 ペタ、ペタ、ペタ……。
 あまり緊張感のないスリッパの音が、アークタワーの地下にある「更正施設」の中に響いている。
 ペタ、ペテ、ペタ……ペタ。
 「B1034号房」と書かれたプレートが書かれている牢獄の前で、スリッパの音は止まった。
 白い硬化樹脂で作られた檻。
 その奥で、誰かが簡易ベッドの上に座って、退屈そうに端末をいじっている。
 檻の中にいるのは、青味がかかった見事な黒髪をバッサリと短く切りそろえた、涼しげな瞳をした
女性だった。

「Yah、Chmmer!」

 自分が入っている檻の向こうから、スリッパを履いた茶髪の元気そうな女性が声をかけたが、
黒いショートカットの女性はそれを完全に無視して端末のキーボードを叩き続けていた。
「ユンナぁ。かわいいコリンちゃんが差し入れに来たよ〜」
「……」
 カタカタカタ……。
 ユンナと呼ばれた黒髪の女性は、自分の名前を呼ばれても聞こえないフリを続けている。

「こぉらっ、ユンナっ! 聞こえているんなら、返事くらいしなさいよっ!」

「……なにがChmmerよ。相変わらず呑気なんだから」
 コリンと名乗った茶髪の女性が大声を出したので、ユンナは煩わしそうに端末から顔を上げた。
右のコメカミにジャックイン用のジャックが空いていることから、彼女がデッカーと呼ばれる電脳技術者であることがわかる。
「うー、かわいくないなぁ。こうして毎週、差し入れに来てあげているのに」
 不満そうに言うコリンという名の女性のコメカミにもやはり、ジャックイン用のジャックが空いている。彼女もまた、
デッカーなのだろう。
「別に、頼んだ覚えはないわ」
 ユンナは端末を簡易ベッドの上に置くと、牢獄の白い壁に背をもたれた。
「本当にかわいくないんだから……はい、今週出た情報誌のデータとあんたが好きなクリームもみじ饅頭」
「一応、受け取っておくわ」
 ユンナはコリンが差し出した箱を受け取ると、礼も言わずにその箱を簡易ベッドの上に投げた。
「あんた、私にかまう暇があったら、パートナーの仕事を手伝いなさい。いくら芳晴君が優秀で、あんたが無能だからって、
すべて任せっきりにしていいってもんじゃないでしょ?」
「うー。あたし、無能じゃないもん」
 コリンが不満そうに口を尖らすと、ユンナは冷静な顔でズバリと指摘した。
「芳晴君のガーディアンとしての実力はSランク。あんたのエンジェルとしての実力はBランク。はっきり言って、
ここまでアンバランスなコンビは「教団」の中には存在しないわ、あんた達二人を除いてね。そこらへん、
わかっているの?」
「あ〜、う〜」
「なにが、あ〜、う〜、よ。芳晴君と比べたら、あんたは間違いなく実力不足なの。私が司祭様だったら、
とっくの昔にあんたの代わりに別のパートナーを芳晴君にあてがっているわよ。それなのに、あんたときたら……」
「そっ、そこまで断言しなくてもいいんじゃないかなぁ」
「男に甘えるしか能がないような女は、いずれ捨てられるって言ってんの。ほら、もう帰りなさい。
真面目に働いていれば、監査官だって鬼じゃないんだから」
「わかったわよ……また来週になったら来るね、ユンナ。Chmmer!」
 コリンは明るく挨拶すると、ユンナが入っている檻の前から立ち去っていく。

 ペタペタペタ……。

「本当に呑気なんだから」
 ユンナは呆れたように呟くと、再び端末のキーボードを叩き始めた。


 ベージュ色の正方形の建物。広々とした敷地には、ブランコや砂場などの子供用の
遊戯施設が置いてある。
 ここは「教団」が経営する孤児院の一つである。
「うぉ〜ん、うぉ〜ん」
 その中で、子供が大声で泣いている。
 いや、子供なのだろうか?
 その子供の下側の犬歯、いや牙は異様に長く伸びており、泣き顔で閉じられた口から
大きくはみ出していた。身長もかなり大きく、小柄な男性くらいの大きさがある。表皮には
鎧のようなコブが生えており、まるで鬼のように見えた。
 その横で、泣いている友達を困った顔で見ているのは、5歳くらいの少女だった。
「どうした? 何故、シュラムが泣いている?」
 泣き声を聞きつけてやって来たのは、赤い髪と瞳をした女性だった。その瞳の色と尖った耳が、
彼女が人間とは違う種族であることを示している。
 泣いている子供はトロール、ホモサピエンス=インジェンティスと呼ばれる種族で、体の大きさこそ
人間の男性と同じくらいにあるが、年齢は隣りにいる半分ぐらいしか身長がない少女と同じである。
「エビル先生〜。克美ちゃんがいじめるんです〜」
「まあ、失礼ね! あたしがあんたのお嫁さんになってあげる、って言ってあげているのに」
「克美ちゃんみたいな、おっかない女の子はやだ〜」
「……」
 エビルと呼ばれた女性はしばらく考え込んだ後、すこし離れた場所で別の子供をあやしている
同僚に声をかけた。
 同僚の名前は城戸芳晴。エビルが孤児院で働くようになってから、何かとよくしてくれている青年だ。
「すまん、芳晴。こっちを頼む」
「あっ、はい。今、そっちにいきます」
 エビルの同僚、芳春は自分があやしていた子供の頭を撫でて了解をとった後で、もめているシュラムと
克美の間に割って入った。

「シュラム君。男の子が泣くのは格好悪いぞ。お父さんみたいになりたいって言っていただろ?」
「……うっ、うん。僕はこの街を守ったパパみたいな戦士になりたいんだ」
「克美ちゃんも、シュラム君がそうなってから申し込んでも間に合うんじゃないかな?」
「あたしは問題ないわよ。こんな泣き虫トロール、他に面倒見てくれるような女の子がいるわけないじゃない」
「そんなことを言っちゃダメだよ。お嫁さんになりたかったら、こんなことで喧嘩しちゃ……」

 芳晴は立ったり座ったりして、トロールの男の子と人間の女の子を一生懸命になだめている。
 エビルは乾いたオシメを取り入れながら、彼の仕事ぶりに感心していた。

 子供達が昼寝する時間になり、ようやく人心地がついた芳春とエビルは、昼寝部屋の外にあるベンチに
座っていた。
「すごいな、芳晴は」
「えっ、何がですか?」
「さっきの手際だ。あんな小さな子供に、きちんと納得できる言葉で説明していた。私にはとても無理だ。
そもそも、どうしてシュラムと克美の二人が喧嘩しているのかも、私には不可解だったからな」
「べっ、別にそんなことないですよ。俺もここの孤児院で育てられたから、ああいうトラブルは慣れっこ
なんです」
「そうなのか? だが、それでもすごい。私も早く、芳晴の役に立つようになりたいものだ」
 エビルのルビーのように赤い瞳に見つめられて、芳晴は頬を赤らめた。
「とっ、とんでもない。今でも、すごく助かっていますよ。エビルさんのおかげで、俺も
他の職員の人達も大分楽になりました」
「そうなのか?」
 不思議そうに尋ねるエビルに、芳晴は必要以上に力強くうなづく。
「そうです。俺が保証します」
「そうか。役には立ってはいるのか」
 エビルは納得したのか、何も言わないで、しばらく芳晴の目を見つめ続けた。
「……エビルさん?」
「きれいな色をしているな」
 そういってエビルが白い指先で触れたのは、芳晴の額の中央にある青い菱形の
物体であった。
 確かに、それは宝石のように見える。
「これはサイバーアイ、俺の第三の目なんです。そんなにきれいですか?」
「ああ。とても美しい。芳晴に似合っている」
 そう言うと、エビルは芳晴の額にあるサイバーアイに顔を近づけた。
 間近にエビルの顔が近づき、芳晴の心臓は激しいビートを刻む。

「あっ、あのエビルさんは、彼氏とかいるんですか?」

 なんとか話題を変えようとして、芳晴はそんな質問をしたが、エビルは不思議そうに
首を傾げた。
「別に、その、深い意味はないんです。ただ、エビルさんって可愛いから、きっともう
彼氏とかいるのかなぁと思って……」
 底なし沼にはまっていく自分をイメージしながら、芳晴はフォローにならない言い訳を
続ける。
「その質問が、恋愛関係にある異性がいるのか、という意味なら、私にはいない」
「ほっ、本当ですか!? ……よっし!」
 なぜかガッツポーズを取る芳晴を、エビルは相変わらず、赤い瞳で不思議そうに
見つめていた。


「そうか〜。エビルさん、今フリーなんだ。俺の勝手な思い込みだったんだ。チャンスが
あるってことなんだよな〜」
 芳晴は嬉しそうな笑顔で独り言を呟きながら、暗くなった街を歩いている。
 今は孤児院で保父をしていた時に着ていた厚手のジャージではなく、白地に青のラインが
入った「教団」の外出用僧衣を着ていた。僧衣と言っても材質はただの布ではなく、中には
硬質プレートと金属繊維が編み込まれており、相当な防御力を有している。芳晴が着ている服は
「教団」の制服であると共に、ガーディアンの戦闘服なのだ。

「こぉら、芳晴。仕事前に、なに緊張感のない顔してんのよっ」

 幸せそうな顔をして歩いていた芳晴の背中を、誰かが叩いた。
「いてっ! おまえに緊張感がどうとか言われたくないぞ、コリン」
 芳晴の背中を叩いたのは、コリンである。彼女もまた、「教団」が支給している外出用の僧衣
を着ていた。
 「教団」で働いているガーディアン、エンジェルと呼ばれる者達には、二つの仕事がある。
 一つは昼の仕事。
 孤児院や病院、警察といった都市の公共機関での仕事。
 もう一つは夜の仕事。
 闇に潜む不法侵入者や犯罪者を狩り出し、捕まえる、もしくは駆逐する仕事。
 城戸芳晴は昼は孤児院の保父として働き、夜はHIROSIMAの街をパトロールする
保安要員として働いている。いわゆる、ランナーの間では悪評高き「番犬」と呼ばれる存在、
ガーディアンだ。
 コリンは孤児院の頃から一緒に行動しているパートナーで、マトリクスと呼ばれる電脳空間での
情報収集を得意とするデッカーである。彼女も教団によってサイバー化された人間だが、戦闘を
職務としていないので、エンジェルと呼ばれている。
 
「相変わらず仲がいいなぁ、お二人さん」
「本当。お暑くてやってられないわよね」
 そう言って、芳晴とコリンを冷やかしたのは、二人の同僚であるアレクと史恵だった。
 アレクは芳春と同じガーディアンで肉弾・射撃などの物理戦闘の専門家であり、史恵は
ストリートシャーマンと呼ばれる魔法の専門家だ。
 実力は傑出していないものの、コンビの相性がいいのか、アレクと史恵の二人は教団のAクラス
神官としては高い成績を出している。
 逆に、実験機とも言えるような最新技術を満載したSクラス・ガーディアンの芳晴と、特に
取り得らしきものがないBクラス・デッカーのコリンのコンビは「教団」では異色の存在であると言えた。
このようにコンビ間の実力がアンバランスである場合は、実力相応のパートナーに乗り換えるのが普通である。
そうならないのは、芳晴がコリン以外のパートナーを選ぼうとしないのが理由なのだが、それがいろんな憶測を
生むことになった。
 アレクと史恵がしている憶測も、その一つである。
「あたし達、そういう関係じゃないよ!」
「そうだ。変なこと言うなよ」
 反論するコリンと芳晴の二人を見て、アレクの日焼けした顔に笑顔が浮かんだ。
「そうやって、ムキになって反論するからからかわれるんだよ」
「そうそう。適当にかわしておけばいいのに」
 呪術系の刺青がしてある史恵の顔にも笑顔が浮かぶ。
 コリンと芳晴の二人は赤くなって、顔を下に向けてしまった。
「やれやれ。おまえさんは教団最高位のSクラスなんだぜ? もう少しドッシリ構えていろよ」
「「SABAKI」を構えている時は、本当に男前なのにね」
「そこらへんで勘弁してやりたまえよ、アレクに史恵」
 暗くなったストリートに立つ若者四人に声をかけたのは、背広姿の老紳士だった。

「パジェントリー司祭。任務、お疲れ様です」
「今日の夜もよろしくお願いします、パジェントリー司祭」
 老紳士パジェントリーはきれいに剃られた顎を撫でながら目を細めると、自分の前で
畏まる若者四人に言った。
「HIROSIMAの夜は長い。今夜も街の安全を守るために頑張ろうな、みんな」
「「「「はいっ!」」」」
 「教団」式の敬礼をする四人を満足そうにながめ、パジェントリーは自分の側にいる
黒人女性のガーディアンに今夜の巡回先を告げる。
「了解です。芳晴、コリン。おまえ達は303ルートで巡回せよ。アレク、史恵。おまえ達は
505ルートで巡回せよ。パジェントリー様からの指令は以上だ。パジェントリー様と私は808ルートで
巡回しているから、通信は通常規定で行うように」
「わかってるよ、スタンザ。いつも通りってことだろ」
「了解しました、スタンザ。行こうか、コリン」
「あっ、芳晴。そんなに急がないでってば」
 アレクがくだけた返事を返している間に、芳晴はパートナーのコリンを連れて
巡回ルートへと駆け出している。
「出世するには、それなりの理由があるみたいだな。そう思わないか、アレク?」
「へっ。放っておいてくれよ」
 アレクは暗がりに紛れるスタンザの黒い長身に崩れた敬礼をすると、そのまま、
パートナーの史恵と共に自分の巡回ルートへと向かった。


 HIROSHIMAの夜は明るい。
 隙間なく設置された街灯、ライトアップされたビルの群れ、ストリートを歩く「教団」
関係者の白い制服。
 一切の暗い存在を認めない。
 街全体が、そう語っているようだった。
「……ひの、ふの、みの、よっと」
 コリンは今、右のコメカミに空いたジャックイン用ジャックから、ケーブルで「教団」設置の
情報端末と繋がっている。
「おい。仕事中なんだから、早くしろよ」
「ごめーん。1秒で落とすからさ」
 コリンは芳晴に注意されても特に悪びれた様子も見せず、宣言どおりに1秒でケーブルを引き抜いた。
「ブラック=クロックの「Temps」? 聞いたことないな」
「マイナーな黒人ミュージシャンだからね。あまり売れてないし。でも、この人の曲ってソウルに溢れて
いるっていうか、騒音の中に優しさみたいなものがあるから好きなの」
「それはいいけど、仕事中はやめろよ。不真面目に思われるぞ」
「すぐ済むことなんだけどなぁ」
「「教団」から授かった能力を、「教団」から任せられた仕事中に、私用で使うのはまずいって言って
いるんだよ」
「うへへーい。今度から気をつけますぅ」
「本当にわかってんのか、コラ」
 そう言って、芳晴はコリンの頭を軽く小突いた。
 その様子を、道行く人々は優しい表情で見ている。
 HIROSHIMAの「光」の部分に住む人々には、人を思いやれるだけの余裕が与えられていた。


 HIROSHIMAの夜は明るい。
 だが、影のない街など存在しない。
 HIROSHIMAにも夜の「闇」は存在する。
 そこは、「ディアブロ解放地区」と呼ばれていた。

 2021年4月30日、世界中で10人の1人の割合で、「goblinaization(ゴブリン化現象)」と
呼ばれる、既存の科学では全く説明のできない現象が世界を覆った。それまで普通に暮らしていた人間が、
突然、あるいは数週間の苦悶の果てに、それまではおとぎ噺の登場人物に過ぎなかったエルフ、ドワーフ、
オーク、トロールといった亜人種、メタヒューマンへと覚醒を始めたのだ。
 唐突に出現した忌まわしい「亜人類」への人類の偏見や差別は厳しく、世界中で激しい人種間暴動が発生する
事態を引き起こした。
 日本でも同様のゴブリン化現象が発生し、ドワーフ、エルフ、オークやトロールと呼ばれる「化け物」に姿を
変えてしまった人々は都市を追われ、同様に覚醒を果たし、人間を寄せ付けなくなってしまった森や荒野、洞窟
といった場所に暮らすようになったのである。
 そうした混乱を極める都市郡の中で、HIROSHIMAは特に異彩を放っていた。
 ゾーン化現象と呼ばれる、その場所にいたもの全てが強制的に「変異覚醒」を果たすという正体不明の現象。
 その特異な現象の後に広島を待っていたのは、魔術とクリッターの群れを操る暴君「ディアブロ」と呼ばれる
希少種メタヒューマンの登場だった。
 ディアブロはほぼ全員がそれまで知られていなかった力、「魔法」を扱い、自分達と同様に「ゾーン」によって
覚醒したクリッターと呼ばれる覚醒種生物を従えることができた。彼等はその力を使い、「大殺界事件」と呼ばれる
地方単位の反乱を起こして、HIROSHIMAを自分達の都市国家として独立させたのである。その支配は、「教団」という
救世主がHIROSHIMAにやってくるまで続いたのである。
 「教団」によって駆逐され、全盛期の半分にまで減少したディアブロは、現在では「ディアブロ解放区」と呼ばれる
彼等が居住することを「許可」された都市のブロックか、覚醒種生物に溢れた過酷な森林で暮らすことを余儀なく
されている。
 ゾーン化現象で特異な力を得てから、長年に渡ってHIROSIMAで恐怖政治を続けていた魔の種族、ディアブロ。
「支配のために生まれてきた者」と自称していた彼等も、今ではスラムで夜の寒さに身を震わせる存在に過ぎなかった。
 
 電灯は叩き割られ、暗がりがストリートを覆っている。建造物は埃とチリにまみれ、その影では
赤い瞳のスクワッターが蠢いていた。
 アレクと史恵の二人は、「ディアブロ解放地区」という名前のスラムの中を緊張した面持ちで
歩いている。
「まったくよぉ。いつ歩いてもゾッとしないよな、この辺は」
「大丈夫よ。アレフが困るような大きな輝きは見えないから」
「史恵は<見える>からいいよ。俺に見えるのは、やつらの忌まわしい赤い目玉と熱反応
だけだもんなぁ」
 ストリートシャーマンである史恵は、アストラル界と呼ばれる平行次元、魔法の源となる
世界を<見る>ことができる。彼女の目に映っているのは、スクワッターに落ちぶれた
ディアブロ達の無気力な淡い輝きだけである。
 アレフは魔法の能力を持たないが、その瞳はサイバーアイと呼ばれる機械の目に交換してあり、
わずかな星の光の下でも暗闇を見通すことができ、サーモグラフのように熱反応まで知覚することが
できる。
「しかし、ここにいる連中もアルテー様の下で働けば、こんな惨めな暮らしをしなくても済むはず
なんだけどな。なんで、配給を受けないんだろ?」
「警官の刑務所暮らしと同じで、治める側が治められる側に移るのはツラいからじゃないの?」
「好き勝手やった代償なんだから、そんなのしょうがねえ……」
 アレフの軽口が、突然止まった。

 カチャリ。

 暗がりに小さな音が響く。
 小さな、ごく小さな音である。
 ストリートの隅でカラスの死体を齧っているネズミでも聞き逃してしまいそうな、わずかな音。
 だが、アレフの耳に設置された「サイバーイヤー」は油断なく音を拾い、彼の大脳の聴覚野に
「撃鉄が起こされた」という情報を送り届けた。
 刹那。

 パタタタタタタンッ!
 
 ミシンに似た軽快な音が薄暗いストリートに響いた。
 ワイヤードリフレックス(強化反射神経)で超人的なまでに反応速度を引き上げられたアレフの銃が、
相手の銃のハンマーが落とされる前に、マガジン一本分の鉛弾を送り込んだのである。
「アレフ。また消音器を換えるのさぼったでしょ? 街の人が怯えるから、30発ごとに交換しなさいって
指導されているのに」
「説教は後で聞くよ。死体袋に入れる品物を確認しにいくぞ」
 アレフが持っているのは「MUKUI」と呼ばれる「教団」のAクラスガーディアン標準装備のヘビーピストル
である。やや重いが、堅牢な構造と高い制圧力を有しており、長年に渡って高い評価を受けている。
 アレフと史恵の二人は警戒しながら路地裏に駆けつけたが、そこで見つけたのは45口径弾を全て喰らって
生き絶えているディアブロの少年だった。手に持っているのは安物のリボルバー。撃鉄が上がっているから、
充分撃たれる理由はある。頭蓋から飛び出した赤い眼球は恨めしそうに二人をにらんでいたが、アレクと史恵は
冷静に規定の処理を続けていく。
 チームリーダーであるパジェントリーに交戦があったことの報告。事後検証のための記録。
「やりきれねえよなぁ……なんで、死ぬってわかっていて襲ってくるんだ?」
「……先に襲われたからかも」
 五体バラバラになったディアブロの少年の死体の背中に、銃では付くはずもない鋭利な刀傷を
見つけて、史恵は不快そうに眉をひそめた。
「背中に致命傷にならないぐらいの、何本もの刀傷……タイザンのやつか?」
「ディアブロ狩りをやっているって噂、あながち嘘じゃないかもね」
 史恵は少年の死体に手を合わせると、HIROSMAの「光」の部分を巡回しているコリンに
通信機で連絡を入れた。

「は〜い、もしもし〜。コリンでーっす」
「ねえ、コリン。今日は佐野司祭も任務中のはずよね。彼等の巡回ルートを調べてくれない?」
「なんで? 他のチームの行動計画を覗くのは規定違反だよ?」
「いいから。手早くね」
「ちょっと待ってね……ほい、終わり。ルート404と606。佐野司祭はいつも通りサボリみたい。
丁度、あんたたちを挟むようにして2チームが動いているよん」
「……疑う価値充分ってわけね。ありがとう、コリン」
「はいはーい。それじゃ、芳晴がにらんでいるから切るね」
 
 史恵は通信機をポーチにしまうと、アレクの顔を見た。
「アルテー様はディアブロとの融和を唱えているけど、佐野司祭はさらなる締め付けを求めている。
犯罪を捏造している可能性はあるわ」
「俺らはディアブロと違うんだがな……まあいい、史恵。後でパジェントリー司祭に相談しよう。
巡回を続けるぞ」
「了解」
「捏造する必要なんて、ないんじゃないかな?」
「「!?」」
 アレクでも史恵でもない声が、夜の闇に響いた。


「う〜、寒い、寒い。春が近くなったとはいえ、夜の巡回はつらいよね」
「……聞きたいことがある」
 芳晴は作業台の上で愛銃「SABAKI」を分解しながら、自分のベッドの上で毛布に包まっている
コリンに言った。
「どうして、おまえが俺の部屋にいて、堂々と俺のベッドを占領しているんだ?」
「えっとね、いつも通り「壁抜け君」を使って」
「部屋の鍵を開けた方法を聞いているんじゃないっ! なんで、自分の部屋じゃなくて俺の部屋に来る
んだってことっ!」
「今日、規定違反で計画表のぞいちゃったからさ。アリバイ作り」
「俺の信用はどうなる?」
「別に、いまさら二人で一緒の部屋にいたって、誰も何も言わないと思うけどなぁ。孤児院の頃は、
一緒に寝るのなんて当たり前だったじゃない?」
「いつの話だよ! しかも、あの頃だって、おまえが勝手に俺のベッドに潜り込んできたんだろ」
「そうそう。で、文句言いながら、結局折れてくれるところも変わらないのよね。そんじゃ、おやすみー」
 コリンは文句を言う芳晴に笑顔で手を振ると、そのまま彼のベッドに倒れこみ、堂々と寝始めた。

 ……クー、クー。

 五秒もしないうちに、コリンは静かに寝息を立て始める。怠惰な生活のおかげで豊かに育った脚が
毛布からはみ出ており、実に目の毒だ。芳晴は思わず目を取られそうになったが、ブルブルと頭を左右に
振ると、コリンの被っている毛布を掛け直した。
「まったく……俺だって、ずっと側にいてやれるわけじゃないんだからな」
 芳晴は溜め息をつくと、昔から自分と同じ時間を過ごしている少女の額を指で小突いた。


 ブチブチブチっ。
「あがががっ!!」
 背骨に埋め込まれた人工神経を引き剥がされ、アレクは痛ましい悲鳴を上げた。
 倒れ伏した彼の横では、史恵が物言わぬ死体となっている。彼女もまた、充分に「弄ばれて」
殺されていた。
「わざわざ作り出す必要なんてないんだよ。僕らはいつだって、君たち「教団」の人間をこうしたいと
思っていたんだから」
 ブチブチブチっ。
「ぎっ!」
 人工神経をゆっくりと引き剥がしながら、先ほどアレクに撃たれてコマギレになったはずの少年が笑う。
 傷は全て跡形もなく消えており、まだあどけなさが残る顔は嗜虐の喜びで満たされていた。
「ちっ、畜生……殺すなら、早く殺せ……」
「冗談を言っちゃいけない。夜は長く、僕は退屈するのが嫌いなんだよ」
 アレクの消えかけたサイバーアイが映したのは、過去の罪で虐げられている「ディアブロ」
ではなく、これからHIROSHIMAを地獄へ落とそうとする「悪魔」の姿だった。苦悶の時は終わらない。


 翌日未明、「教団」のガーディアンが殺されたというニュースが、日本全国を駆け巡ることになった。

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 Glossary of Slang 

l001.Hoi ………………よお、やあ、などのくだけた言い方。
l003.Third-Rate………三流の意味。和製スラング。
l007.Simsense………ASIST を利用した放送、もしくは記録。ここでは、音楽番組の意。
l009.Exotic……………バイオ技術で作られたノン・ヒューマンな部品。毛皮、耳、牙、尻尾など。
Tokihimeはキツネの耳と尻尾のExoticを付けてSimsenseに出ている。
l013.DandelionEater…タンポポ喰らいの意味。エルフへの蔑称。彼等が菜食主義であることからか?
l013.Ass………………スラングで臀部の意。ここでは肛門という意味。
l015.トーテム …………主に動物の姿で現わされる自然界、精神界の力の象徴。シャーマンはトーテムに
選ばれることによって、巫術魔法と呼ばれる神秘の力を行使できるようになる。
l019.Data………………データ、情報の意味。ここでは音楽、曲の意味。この時代では文字も音も画像も
同一の媒体、DiskやTipによって配給されるので、まとめてDataと呼ばれている。
l019.Rump……………Assと同じで臀部の意味だが、人間というよりは家畜の部位のことを示しているので、
より侮蔑的である。
l023.Trog……………… オーク、またはトロールへの蔑称。 「穴居人 (troglodyte)」から派生した言葉。
l025.Squeaky…………キーキーうるさい奴の意味で、エルフへの蔑称。オークが作ったスラング。
l033.Temps、Zeit………ラテン語、ドイツ語でそれぞれ「時間」の意味。 
l039.Chummer…………お仲間、ご同輩の意味。挨拶にも使われる。
l049.プレデター2…………アレス・アームズ社のヘビーピストルで、世界最強の拳銃として評価されている。
サムライ、保安部隊などの象徴と言える武器で、サイバー化に対応してスマートリンクを標準装備している。
l051.Model-100…………SCK東京社のSMG。エリート保安部隊であるレッドサムライが採用していることで
有名な武器で、強大なストッピングパワーは日本に住む無法者の恐怖の的になっている。
l053.SABAKI ……………「教団」が製造した超硬化金属を使用したヘビーピストルで、弾薬から構造まで
全てに特殊な新技術が採用されている。闇マーケットにも少量流通しているが、あまりにもコストが高いために
使用者は少ない。その点から、「戦闘機並のヘビーピストル」との悪評も受けている。
(必要以上の威力と膨大なコストのため)。
l057.フィクサー……………仲介人の意味。ストリートの故買屋、闇マーケットに有力なコネクションを持ち、
必要としている者に武器やソフトウェア、情報などを違法、合法を問わずに供給している。値段はかなり高価。
l069.Pinhead……………釘の頭。サイバー化された戦士は、20〜30mの距離でも連続して
Pinhead-Shotを行うことが可能である。
l075.Dermal……………Dermal-Plating、皮膚装甲技術と呼ばれる。硬化プラスチックと金属繊維プレートで
構成された装甲を皮膚の下に埋め込む技術で、ゼロ距離戦闘を行うSamurai、Company-Manなどに愛用されている。
l081.Vat…………………培養液に浸かっている者の意味。ほとんどの部位をサイバーウェアや遺伝子改造で
強化している者を揶揄していう言葉で、教団のGuardianはほとんどがVat-Jobである。
l081.Liquidizer…………液化させるものの意味。人体に原型をとどめない程のダメージを与える武器を、こう呼ぶ。
l091.デッカー……………マトリクスと呼ばれる巨大な電子空間を自在に駆け回る電脳技術者。サイバーデッキと呼ばれる
機械を操り、情報収集に欠かせない存在である。
l093.Joytoy……………サイバーウェアによって、顧客の満足を高めている娼婦、愛人のこと。
l107.Z-Rate……………究極のダメDataの意味。これはこれで需要がある。
l119.アークタワー…………教団の中枢部。旧世紀の戦史跡を内部に持つ巨大な白亜の塔で、教団の政治施設、管理施設、
研究施設などの頭脳機関が置いてある。最上階には「教団」の教祖であり、最高責任者であるアルテーと呼ばれる女性が
住んでおり、ここからHIROSHIMA全土に命令を送っている。レンラクアークの「教団」版。
l250.ストリートシャーマン…自然の中に身を置くシャーマンと異なり、都市の中で活動する。世界は覚醒したのであるから、
精霊はどこにでもおり、人工、自然という分化こそが不自然なのだ、というのが彼らの主張である。
l298.スクワッター…………不法住居者、浮浪者などの意味。「教団」はアルテーの指導によって、ディアブロの差別を禁止し、
彼らに食糧配給などを行っているが、現実にはそれを拒んでスラムに閉じこもる者が多い。
l318.MUKUI……………45ACP弾を使用し、バースト射撃が可能なオートマチック・ヘビーピストル。サイバー化を前提として
設計してあり、スマートリンクを標準装備している。頑丈な作りなので裏ルートでも人気がある。


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