食材(「競作シリーズその弐 NTTT VS その他大勢」「お題:会話文のみ」)  投稿者:AIAUS 投稿日:5月19日(金)04時43分
「はーい。できましたよー・・・って、コラコラ。楓。どうして自分の部屋に帰ろう
とするの。冷めちゃうでしょ」
「ちっ、千鶴お姉ちゃんが夕食を作ったの?」
「ええ。耕一さんにも食べてもらおうと思ったんだけど、どうしても外せない用事が
できたんですって。残念だわ」
「じゃ、じゃあ! それはラップにくるんでおいて、後で耕一お兄ちゃんに食べて
もらうっていうのはどうかな?」
「ええ。だから、耕一さんの食べる分は別にとってありますよ・・・って。コラコラ。
楓。なんで合掌しているの? まだお皿を並べていないわよ」
「あっ、そうだ! 梓お姉ちゃんを呼んでくるねー・・・いいよ。私が行くから。
楓お姉ちゃんは先に食べていて」

「楓、初音・・・姉さんの料理、食べたくないの?」

「うっ! ・・・ちっ、千鶴お姉ちゃん。なにも泣かなくても」
「食べたく、ないの?」
「うっうっうっ・・・嬉しいな。千鶴お姉ちゃんの料理が食べれて」
「初音はいい子ねー・・・って、コラコラ。楓。どうして力強くうなずいているの?
そんなに焦らなくても、料理はなくなったりしないわよ」
「・・・楓お姉ちゃん。袖を引っ張られても、私にはどうしようもできないよ」
「さー、並べますからね。たーんとめしあがれ」


「千鶴お姉ちゃん。これ、何料理?」
「えーと・・・千鶴オリジナルとってもデリシャス料理ー・・・ダメ?」
「いや、だから。これって、肉料理か魚料理か野菜料理かわかんないんだけど・・・」
「そこがオリジナルなのよ。さあさあ、食べてみて」
「デリシャスというよりも、デンジャラス・・・うっ、ううん! 何でもない!
何も言ってないよ、千鶴お姉ちゃん!」
「・・・よかった。初音まだは高校生だから、かわいそうだもんね」
「なっ、なにが!?」
「ほらほら、いいから。食べてみて」
「うー・・・じゃあ、千尋の谷に自ら飛び込むつもりで・・・ウグッ!」
「こら、楓! なんで洗面器の用意なんかしているのよ!」
「・・・お姉ちゃん。これ、何の肉?」
「えっ? 私、お肉なんか使ってないわよ」
「ちょ、ちょっと! じゃあ、この私の中でジューシーに肉汁をとろけ出している
物体は何!?」
「えーっと・・・ごめん、初音。姉さん、疲れて眠たくなってきたわ。いいわよ。
姉さんの分も食べて」
「ちっ、千鶴お姉ちゃん。なんか、口の中で泡立ち始めているんだけど」
「あー。今日は疲れたわー。ダメねー。年を取ると」
「都合のいい時だけ年取らないでー! ひやぁぁぁぁ! なっ、なんかがノドの奥に
無理矢理入っていく! かっ、楓お姉ちゃん! なんでダッシュで逃げるの! あー!
千鶴お姉ちゃんもいない! なっ、なにを食べたの? 誰か教えてー!」

「ふう。やっぱり庭で見つけたものを食材にするべきじゃないわね・・・って、何?
楓。味見はしたのかって? ・・・あー、今日もいい日だったわ。初音も当分大変そうだから、
早めに寝ましょうか」

「いやぁー! 何を食べたのか、誰か教えてー!」

「めでたし、めでたし」
「めでたくない!」 

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会話文って難しいですね。なかなか口で喋らせるだけで情景を思い浮かばせるのは
難しい。これを得意とするNTTTさんの力を思い知った気分です。

とりあえず、これで僕も参加したということで。
次、頑張ります。

ではでは。