宮内さんのおはなしR その壱(VER.1.01) 投稿者:AIAUS 投稿日:4月10日(月)22時42分
今日は、あかりと志保は学食で昼食を取るそうだ。それで、俺と雅史は琴音ちゃんと
レミィを誘って、屋上でパンを食べることにした。

「だから、ジャイアントだってば!」
「でも、レミィ。ジャンガリアンも小さくてかわいいよ」
琴音ちゃんがペットを飼いたいと言うので、ではハムスターにしようという話に
なった。それはいいのだが、レミィと雅史がお互いの飼っている種類が言いと言い合って
喧嘩を始めてしまった。
ったく、琴音ちゃんがどうしたらいいか困っているじゃねえか。
「おい。別にいいだろ、ハムスターの大きさなんて」
面倒くさそうに俺が言うと、レミィと雅史はむきになって言い返す。
「違うよ、浩之。ジャンガリアンはとっても繊細でね、優しいんだよ」
「No! ジャイアントの豪放なところが楽しいのヨ!」
ハムスターの優しさや豪放さなんて、俺は知らねえ。
「琴音ちゃんはどっちがいいんだ?」
「えっと...私は小さい方が好きです...」
やっぱりな。ジャイアントとか豪放とかって琴音ちゃんに似合わないぜ。
レミィは大げさに首を振り、雅史は小さくガッツポーズしている。
「本気なの? ケーキでも、getする獲物でも、大きい方が嬉しいでしょ。家族に
なるハムスターも大きい方がかわいいよ」
なおもしつこく食い下がるレミィの言葉に、琴音ちゃんはピクリと反応した。
「獲物?」

「狩りなんて野蛮です! どうして、罪のない動物さんを撃つんですか!」
「Statesではhuntingは立派なスポーツ! 獲物はgetされて当然デショ!」
狩猟が野蛮か否か、という理由で、琴音ちゃんとレミィは喧嘩が喧嘩を始めてし
まった。
動物博愛主義者と狩猟文明出身者か。まずい組み合わせだったかな。
「おーい、もうそこらへんでいいだろ」
俺は言い争っている二人の間に割って入った。
「ヒロユキ!」
「藤田さん...」
納得のいかない様子の二人を分けて、俺は説得を試みる。

「あのな、レミィ。ここはstatesじゃなくて、日本だ。それで、日本では狩猟は
一般的な趣味じゃない。琴音ちゃんみたいに動物の命を大切にしたい、って考える
人もいるんだ。そういう人の気持ちも理解してやるのが、日本の文化を知るって
ことだろ」
俺にそう言われると、レミィは下を向いて考え込んだ。よし、次は琴音ちゃんだ。
「レミィが育った国はな、狩猟も文化の一つなんだよ。それは琴音ちゃんの気持ち
からいったら嫌だろうけど、食べるために狩るのであって、殺すために狩るわけ
じゃない。わかるだろ」
二人はしばらく考え込み、ほとんど同時に相手に謝った。
「Sorry、琴音」
「すいませんでした、宮内先輩」
よし。めでたし、めでたし。

「でも、浩之もハンティングは得意だよね」

???
琴音ちゃんとレミィの喧嘩にかまわずにパンを食べ続けていた雅史は、いきなり
わけのわからないことを言った。
「ヒロユキもhuntingするの?」
俺、狩猟なんかやったことがないぞ?
「でも、浩之。もう少しでパツキン巨乳がゲットできそうだって、この前、言って
いたじゃないか」
???
レミィの目がすっと細くなる。
「次は後輩の女の子二人も、同時で攻略だって」
???
琴音ちゃんの周りの空気が耳障りな音を立てて崩れ始める。
「終わったら、僕に借してくれるって約束だったよね」
逃げようとする俺のズボンを、雅史の手はしっかりとつかんでいた。

「ヒロユキ、アタシをそんな風に見ていたのネ...」
ベレッタ92FSの遊底を引きながら、俺の方へ近寄ってくるレミィ。
「後輩二人って、私と松原さんのことですか...」
琴音ちゃんの立っている場所のコンクリートが、耳障りな音を立て始める。
「ちょ、ちょっと待て! 雅史の言っているのはゲームのことだ!」
俺の主張に、二人は少し無言になる。
「Game...そこまではっきり言うのネ、ヒロユキ」
「遊び...女の子をなんだと思っているんですか、藤田さん!」
ちがう、ちがうんだー!


ボコボコにされている浩之を見ながら、雅史はジュースを飲み終えた。
「浩之、早く「下級生」を借してくれないかなあ」

ああ、今日も空が青いや。

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東鳩狂死朗さんより、リクエスト。
「琴音、レミィ、雅史の三人で展開する物語を」とのことでしたので、駄文をお届け
しました。
エ0フの「下級生」ってご存じですか。
パツキン巨乳は麗子、後輩二人はそのまま下級生二人組のことなんですが。
うーむ。ゲームを知らないと、わけがわからないですね。
書き直しを望まれる場合は、またメールをお願いします。


Rはrequestの意味で、有名なくれじっとさんの名前を拝借したわけではありません。

嘘です。
ごめんなさい。

感想を送られた方で、なにか私に書いてほしいSSのリクエストがありましたら、
このような形でお返しさせていただくことにします。ただし、条件が一つ。

「脇役でも、レミィが絡む話であること」

以上です。

ではでは。