宮内さんのおはなし その八 投稿者:AIAUS 投稿日:4月9日(日)07時04分
「近所でこんなもん拾ったんだけどさー」
そう言って志保が出してきたのは、なにもラベルが貼っていないビデオテープだった。
そのくせ、ツメはちゃんと折られている。
「これって裏ビデ.......」
「バカっ! でかい声で言うんじゃないの! あんた清純派なんだから!」
うー、私、別にそんなの意識してないもん。
「それでさ、こいつの上映会をやろうって話になったんだけど、あんたの家、今日
だれもいないのよねー」
「えっ、うん。いないけど.......」
浩之ちゃんを呼んで、私の御飯を食べてもらおうと思ったんだけどな。
「じゃあ、決まりね! 志保ちゃんビデオ大会inあかりのうちー!」
まあ、いいか。友達も大切だもんね。


うちに遊びに来たのは、志保とレミィ、来栖川先輩の妹の綾香さんだった。
「ちわー! 志保ちゃんのご登場よぉ!」
「Hi! はじめてオジャマしマース!」
「おじゃまするわね」
結構、大人数。どういう関係なんだろう?
「綾香はあたしのカラオケ仲間で、レミィは日本のそーいうのが見てみたいって」
「それじゃあがって下さい」
私は大目にお菓子を用意しておいてよかったと思いながら、四人を部屋へ招き入れた。

ドキドキしながら、ビデオをデッキの中に入れる。
すると、オープニングとかをすぐに飛ばして、いきなりそういう場面からビデオは
始まった。
「「「うわぁ」」」
「Oh crazy!」
すごい。自分のは見たことがないけど、 あんな風になっているんだ。あっ、男の人
が出てきたよ。
えっ、そんなことをするの......。

四十分後。
「なんていうか」
「疲れたわね」
「うん、ちょっとしんどかったね」
みんな顔を真っ赤にしている。よくわからないけど、普通の人ってあそこまでやら
ないような気がする。
「でも、よくあんなのが入るわよねー」
志保がびっくりしたように言う。私達もそれにうなずく。
「はっきり言って、内臓の位置変わっちゃうんじゃないの、あれ?」
「普通はあそこまで大きくないわよねー」
志保と綾香さんは話がはずんでいるようだ。うーん、思い切って聞いてみよう。

「あの、二人って経験があるの?」

飲んでいたジュースを吹き出す二人。ああ、私の部屋がー。
「なっ、ないわよ。そんなのっ!」
綾香さんのあわてる姿って面白いなー。なんか子供みたい。
「あら、綾香さん。遅れてらっしゃいますのねー!」
勝ち誇ったように言う志保。あれ、じゃあ志保は経験あるのかな。
「アタリ前じゃなーい! 今時の女子高生の68%はもう経験済みよぉ! 遅れて
るわねぇ、あかりさん、綾香さん」
うー、そんなことで威張らないでよ。というより、どこで調べた数字なのよ!
あっ、綾香さんも怒っている。
「別にいいでしょ! そんなこと経験していなくたって。ねえ、レミィ」
「Yes! アタシもまだVirginダヨ!」
なんか意外......あっ、すっごい失礼なことを考えちゃった。でも、あっちの人
って進んでいるっていうし。校門でエイズ予防のためとかいって風船くばっちゃう
ような国だし。
志保や綾香さんも同じことを考えていたみたいで、私と一緒に顔を下にむけている。
「Make loveは本当に好きな人とする神聖な行為ネ! だから、私は一番大事な人の
ために取っているノヨ!」
なぬー! その一番大事な人って、私の幼なじみのことですか!
ナイスバディ、ブロンド、ユニーク、そして私の唯一の武器である健気な清純路線
まで使われたら、私の勝ち目ないじゃない!!!!
未だに物量作戦をしてくるなんて! フェアに戦え、フェアにぃ!
私が噛みつきそうな目でレミィを見ていると、志保がおそるおそる手を挙げた。
「ゴメン。あたし、嘘ついてた。まだそんなことしたことないの.......」

はぁー。
安堵の息が私と綾香さんの口から漏れる。
「やっぱりねぇ。おかしいと思ったのよ。あんた、ギャーギャー騒ぐわりに、男と
縁がないじゃない」
ここぞとばかりに言い返す綾香さん。
「ううっ、だからゴメンって」
「まあまあ、それじゃ紅茶でも入れてくるね」


私が紅茶を持ってくると、話題は別の方に移っていたようだ。
「えー、じゃあ、アメリカの男の人って、あんな形していないの?」
「Yes。Dadのはもっと太くて、ブヨブヨしていたよ」
うう、かわいそうなジョージさん。
「ちなみに、ヒロユキのはこんな形デシタ」
ちょっと待てーい! さっき乙女じゃ言うたやないか、われー!
「子供の頃、一緒にお医者さんごっこしたのデス。アタシがDocterで、ヒロユキが
患者さんネ」
ううっ、信じていたよ、ヒロユキちゃんのこと。
私はハンカチで涙を拭いながら、レミィが紙に描いた絵を見た。

「「「......」」」

「ちょっと、でかすぎない?」
「それに、なんで子供なのにムケてんのよ!」
しっ、志保!
「形がおかしいので、アタシが割礼して治してあげまシタ!」
ああ、かわいそうな浩之ちゃん! 子供の頃にこの悪魔にあってしまうなんて!
「でも、子供の頃にこの大きさってことは......」
「今は最低でも30.....」
がーん! そんなの壊れちゃうよ!
「あいつが女にもてる理由、なんとなくわかったわ.......」
「ちっ、違うよ。浩之ちゃんの魅力はそんなことじゃないよ!」
「Yes! でも、大は小を兼ねる。大きいことはいいことネ!」
それはあれですかい、レミィさん。私の胸に対するあてつけですかいノー。
私がレミィにぬいぐるみをぶつけようとしたところで、志保が声を上げた。

「ねえ、まだテープ残ってるんだけど」
まだ、続きがあるのかな。
元気を取り戻した私たちは、再びテレビの前に集まる。
そこには写っていたものは、私達の想像を超えるものだった。

私と志保の着替えシーン。綾香さんのパンチラ。レミィのブルマ姿。葵ちゃんが神社
でハイキックをしているところ。雛山さんが転んでパンツ丸出しになっているところ。
マルチちゃんのおもら....。

「「「なっ、なによ、これ!」」」
悲鳴を上げる私達。そして、ドアのチャイムが鳴るのは同時だった。

「おう、あかりぃ。ここら辺でアルバム落としたんだけどさ。お前、見てない?」
「てめえかぁ!」
私の後ろ回し蹴りは浩之ちゃんの側頭部にヒットし、彼を病院送りにすることにな
った。

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おまけ

病院のベッドにて。
「じっ、自動的にCG登録されるんだからしょうがねえだろ.......ガクっ」

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勘弁して下さい。
基本的に壊れネタしか書けないので。

ではでは。