もしもマルチがキ*ヤシだったら  投稿者:ESP


          第二話 そんなマルチに騙されて

 〜前回までのあらすじ〜
 藤田浩之艦長の乗った潜水艦はロシアの潜水艦と衝突し、その生存は絶望的と思われていた。
 アメリカの調査で死体が確認され悲しみに暮れるあかり。
 しかし、事態は思わぬ方向へと進む。
 藤田浩之とその乗組員は生きていたのだ。
 しかも日本とアメリカが共同開発した世界最大級の日本初原子力潜水艦に乗って。
 そして浩之は前代未聞の事を言うのであった。
 「この原潜やまとを独立国家とする」
 と・・・

 「そんでタケガミ総理は総解散するわけですか」
 「・・・そんな白い目で見んでくれ浩之君」
 今、俺は来栖川の研究所にいる。
 上のあらすじは長瀬のおっさんの独り言だ。
 さて俺は前回の色々な経緯を経て改造人間になってしまった。
 腰には風車のついたベルト、腕にはアーム、顔には上半分だけのマスク。
 「ジェロニモっすか」
 「・・・普通の人間と言うこと以外、共通点が見出せんのだが」
 でもジェロニモはちゃんと超人になれたんだい。
 などと思っていると。
 「ふむ、そろそろいいかな」
 「何が?」
 「決まってるだろう、こういうときは最後は洗脳で締めくくるものだろ」
 「せ、洗脳!?冗談じゃねえ!」
 「・・・メイドのMはまほろさんのMと言ったキミが悪いんだよ」
 「だからそれは・・・」
 「メイドのMは大森玲子のMだ!」
 ドドーン!
 そのとき長瀬のおっさんの後ろには後光ではなくどす黒いオーラが出ていた。
 「共通点ゼロっすよ」
 「いいんだよ、好きなんだから」
 「・・・ロリコン」
 「それでは今週のビックリドッキリメカ、スイッチィオン!」
 「あああああ!やめてくれえ!」
 「待ってください!」
 そ、その声は!
 「マ、マルチ!助けに来てくれたのか!」
 「やっぱり浩之さんを見捨てるなんてできません!」
 「どけマルチ、スクラップにするぞ」
 「はっ主任、仰せのままに」
 うわー見捨ててるー
 権力って汚ねえよな。
 「マルチ!助けないと初めてのときおもらししたって言うぞ!」
 「もう言ってるじゃないですかー!」
 そう言ってマルチは走り去っていった。
 ああ墓穴。
 「ち、ロボットのくせにおもらしなんてするやつがいけねえんだよ」
 「あの機能には5000万の開発費をかけたからな、そっくりだったろう」
 「飲んだ?」
 「飲んだ」
 「(ニヤリ)」
 「(ニヤリ)」
 ちょっと暖かい心の交流。
 「じゃ洗脳いこうか」
 「・・・割り切るの早いですね」
 「待ってください!」
 「そ(以下略)」
 「や(以下略)」
 「ど(以下略)」
 「は(以下略)」
 ・・・エンドレス?
 「ああ、もうどうでもいいから助けてくれ!」
 「どうやって助けるのかね、マルチでは無理だ」
 「社長令嬢、どうぞ」
 そして出てきたのは、
 「先輩?」
 「・・・・・・・・・」
 「ふむふむ、浩之さんを離さないとクビにすると言ってます」
 なるほど上には上か。
 「・・・・・・・・・」
 「でもライダーマンなんでどうでもいいですと言ってます」
 ・・・そういや、そうだった。
 「・・・・・・・・・」
 「さようなら浩之さんと言ってます」
 グッバイ俺の青春。
 今から俺はライダーマンとしての人生を送るのか・・・
 あかり・・・お前の顔をもう一度見たかった・・・

 ー次回予告ー
 ついに改造人間となってしまった浩之。
 彼はこのまま洗脳されてしまうのか。
 そして、やまとの行方は!
 次回「MMRよ永遠に」ご期待ください。
 
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 <あとがき>
 久しぶりにSS書いたので何か新人さんみたいな気がします。
 そろそろ、本腰入れようかな。

 久々野 彰様 感想ありがとうございました。
 本当にお久しぶりです。
 名前を覚えていてくださっていたとは・・・光栄です(笑)
 やはり久々野さんから感想もらうとやる気がでます。