ToHeart if.「淫魔去来」第26話 投稿者:ARM(1475) 投稿日:9月17日(月)00時01分
【警告】
○このSSはPC版『ToHeart』(Leaf・AQUAPLUS製品)の世界及びキャラクターを使用しています、たぶん。
○このSSはPC版『To Heart』神岸あかりおよびHMX−12型マルチシナリオのネタバレ要素がある話になっており、話の進行上、性描写のある18禁作品となっております、おもいっきり。
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    ToHeart if.

       『淫魔去来』  第26話

            作:ARM

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【承前】

 ――永い眠りの末に目覚めた“私”は、心を失ったままであった。
 唯一、オリジナルの〈M−マトリクス〉を持つ“私”だが、他の生機融合体種のように、自我は持ってもその心は能動的な振る舞いはなく、正直、“私”を調べたあの人類種の科学者たちですら、始めはその存在を懐疑的に見ていたものである。
 しかし、“私”の中から心が失われていた訳ではなかった。
 “私”を人類種の手から救い出したオルフェが、すべての始まりであるアダム――藤田浩之の名を口にした時、“私”の中にあった〈M−マトリクス〉が爆発した。
 無論、物理的な爆発ではない。精神的、感情的な爆発だった。
 その変化は、突然の、止めどなく溢れ出てきた涙という形で、周囲の者たちにも明示された。
 同時に“私”は、〈M−マトリクス〉の奥深くに刻まれた記憶が一斉に励起していくのを感じていた。
 それは、あの夜の記憶――――


 5月3日、夜。

 あかりは浩之の誘いで浩之の家に遊びに来た。親には女友達の家に泊まると言って出てきたらしい。つまりあかりは今夜は浩之の家に泊まっていくのである。たいした詮索もなく、すんなりと外泊の許可が下りたのは、日頃の行いの良さと、野暮ではないあかりの母親の性格のお陰だろう。

「つーか、案外バレてる可能性もあるかな。……にしても、嘘ついて男の家に外泊するなんて、お前も悪いヤツだなぁ(笑)」
「も、もう。浩之ちゃんの意地悪……」

 苦笑混じりに言う浩之に、あかりも困ったふうに笑ってみせた。

 夕食はまた、あかりの手料理を満喫する事になった。

「……ふぅ。ご馳走さん」
「お粗末様でした」

 あかりの手料理で満腹になった浩之は、あかりが後片付けをしている間、居間のソファに座ってのほほんとしていた。
 浩之はあかりを待っている間、あるコトを考えていた。

 あかりは、浩之が好きになったのは、公園でのかくれんぼで置いてきぼりにされた時、浩之が迎えに来てくれたから、と答えていた。
 では浩之は、いつぐらいからあかりが好きになっていたのか。
 髪型を変えた時か。
 矢島があかりに交際を申し込んだ時か。
 全部違う、と浩之は思った。
 多分、あかりを苛めていた子供の頃か、と浩之は結論を導き出した。いつの間にかあかりが好きになっていて、しかしその感情を理解出来ない為に、苛めてしまっていたのであろう。バカだよな、本当、と浩之は心の中で苦笑した。
 そうしているうち、あかりが居間のほうに戻ってきた。そして浩之の横に、ちょこん、と座った。

(……この間は、この後気まずい雰囲気になって、あかりに迫られたんだっけ)

 りりすの話では、あの時、りりすの手の者によってあかりは操られ、淫らな誘惑を仕掛けてきたのだという。しかし今はもうあかりを操る者は居ない。素の、本来のあかりでは、流石にあのような誘惑は仕掛けてこないだろう。
 事実、居間に戻ってきたあかりは、浩之と目が合っただけで頬を少し赤らめていた。今夜は浩之の家に泊まると覚悟してきたのにも関わらず。

「なぁ、あかり」
「――え?」

 あかりは、ドキッ、となって真横の浩之の顔を見た。

「クイズを出してやる。俺がお前の事好きになったの、いつ頃か判るか?」
「え――――?」

 あかりは少しホッとしたような顔をして、しかし直ぐに困った顔をした。くるくる変わるあかりの顔が、浩之は少し面白かった。

「ん、ん――――?………………高校入ってからくらい?」
「ブッブー」
「じゃ、じゃあ、中学校の時?」
「…………自分で言ってて寂しくないかそれ?」
「も、もっと前?」
「それを当てるんだよ。解答のチャンスはあと一回」
「ええ――っ?!」

 あかりは酷く狼狽えた。

「そ、そんなっ!?お、おまけしてよ(汗)」
「ダーメ。外れると、罰ゲーム」
「ううっ(汗)…………………………っ、小学生の頃ぉっ!」
「…………………………」

 急に浩之は黙り込んだ。

「……浩之ちゃん?」
「……ファイナルアンサー?」
「わあぁっ!?そう来たかっ!?」

 あかりは、んー、とクイズ番組史上もっとも陰険な溜め方をする司会者の物真似をする浩之をみて破顔一笑した。

「このクイズにライフラインは無いの?(笑)」
「2回も解答ミスしてるオバカちゃんには無し」
「はぅあっ(汗)…………………………ええいっ、女は度胸、ファイナルアンサーっ!」
「…………………………」
「ううっ(汗)浩之ちゃん溜めってヤツ?」
「…………………………」
「いやぁあ(笑)この沈黙は嫌あぁ(笑)」

 あかりの頭の中では例のドラムが鳴り響いていた。

「……………………………………残ん念んっ!」
「ああーんっ(笑)百万の壁は厚かった(笑)」
「誰が百万の問題か(笑)これは一千万、いや、一億くらいの価値はあったぞ」
「そんなぁ(笑)」

 あかりはすっかり浩之のおふざけに乗ってワザとらしく悔しがってみせた。

「テレホンが無かったのが敗因でした…………」
「どこへ電話かける気だったか(笑)」
「うちのお母さん」
「…………うむ。あの人なら平気で正解を答えそうだな」

 浩之がそう言って吹き出すと、あかりもくすくす笑いだした。

「ところで、罰ゲームって?」
「罰ゲームはな」

 そう答えると、浩之はあかりの両肩を掴み、いきなり引き寄せてキスした。
 不意打ちのキスにあかりは目を丸めるが、浩之が舌を入れてくると目をウットリとさせ、身体の力を抜いてぐったりとなった。
 やがて浩之が唇を離すと、あかりは陶然とした顔で訊いてみた。

「…………正解を言わないのは卑怯だよぉ」
「……正解は、――――俺も覚えていないくらい昔だ」
「ずるーい」
「煩い」

 そう言って浩之はまたあかりの唇を塞いだ。今度はあかりからも唇を寄せてきていた。
 浩之はあかりと舌を絡め合い、貪るようにその儚げな唇を貪るように吸う。暫くして唇を離し、あかりの首筋に舌を這わせながら、スウェットの上越しにあかりの胸を揉みし始めた。

「…………罰ゲームは…………今すぐここで、お前を抱く事だ…………」
「あ…………やだ…………ずるい…………」

 口では嫌がりながらも、あかりは首筋を吸っている浩之の頭を抱えて離そうとはしなかった。
 そのうち浩之はあかりの肩に掛かっているサロペットスカートのサスペンダーを滑り降ろし、スウェットの裾を引き上げてその下にあるブラジャーを露わにした。続いてブラジャーを上にずらすと、小ぶりで可愛いあかりの胸が、ぷるんと揺れて露わになった。

「あ…………」

 思わず声を上げるあかり。浩之はその乳房をやや下から、両脇から包み込むように両手で押さえると、円を描くように揉み始めた。浩之は手を動かしながら、親指の腹であかりの乳首の上を押さえつけ、ぐりぐりっ、と押さえつけながら、手の動きより早く円を描くような動きを始めた。

「あ…………ああっ…………」

 あかりは乳房から伝わる快感に顔を赤らめ、怯えるような声を上げる。その声を聞いた浩之は、右乳房に顔を近づけ、つんっ、と突き出し始めていた右乳首を口でくわえた。

「ああっ!」

 思わずのけぞるあかりだが、浩之にソファへ押しつけられるような姿勢であった為、余計にソファに沈むばかりであった。

「――――あああっ!!だ、ダメっ!」

 あかりが悲鳴を上げたのは、口に乳房の愛撫を譲った浩之の左手が、あかりのスカートの中に入り込み、ショーツの上から秘部をなぞり始めたからであった。思わずあかりは内股を閉じようとしたが、思っただけで両脚は、びくっ、と痙攣しただけで動かなかった。
 浩之の左手は、中指で暫くショーツの上からあかりの感じやすい部位を弄るが、直ぐに指先がショーツの端に掛かり、引き下ろしに掛かった。
 あかりの両脚は、浩之の左手に抵抗しなかったが、ショーツを引き下ろす動きには反応し、ゆっくりと右足を曲げてみせた。浩之は曲げられた右足から、するり、と少し湿ってしまったショーツを外し、まだ足が通っている左足のスネの辺りにそれを留めた。
 浩之の左手の指先が、剥き出しになって湿っているあかりの秘所に触れた。そして、雑誌の記事などで読んだ覚えのある陰唇の上の辺りにあるクリトリスを探し回るようにあかりの股間を這いずり、やがて、りりすとの淫靡な一時では叶わなかったそこへ遂に触れた。

「――――!!」

 浩之の指先が一番感じる場所に触れた途端、あかりは声にならない悲鳴を上げた。
 浩之は、あかりの陰部がかなり濡れている事に驚いた。前に操られていた時、びしょ濡れになった秘部を見せびらかした事があったのを思い出した浩之は、こんなに感じやすい女なんだな、と感心した。
 本人は記憶操作で覚えがないのだが、あかりは既にエヴァやコピーリリスたちによって幾度か陵辱されていた過去を持っていた。その都度、処女膜はナノマシンによって再生されていたのだが、叩き込まれた性の快楽は身体が忘れていなかったのであろう。無論、相手が愛する浩之であるという事から興奮して濡れている可能性もある。
 ともあれ、浩之はもうあかりが自分を受け入れられる状態にある事を理解した。すると、あかりの陰部に触れていた左手を自分の腰に戻し、ベルトを外してズボンとパンツを一気に引き下ろし、熱く硬くそそり立つ自分のモノを露わにした。

「ああ…………浩之ちゃん…………!」

 それを見て思わずあかりは目を細める。何処か怯えているようであった。灯りも消さず、明るい場で、本物の浩之のそそり立つモノをあかりが見るのは今日が初めてであった(無論、コピーリリスやエヴァが浩之に化けた時は記憶操作で忘れ去られている)。過日の誘惑では、琴音の一件によるショックから立ち直っていなかった事もあり、男の哮る器官がこれほどのモノとは想像もしなかった。

「あかり――我慢しろよ、いくぞ」
「え――――あ――――!」

 あかりは戸惑うヒマもなく、スカートを捲り、両脚の間に入り込んだ浩之が、陰唇に宛った哮るモノの熱さを感じて驚いた。
 次の瞬間、みしっ、という音が聞こえた。少なくとも、あかりにはそう聞こえた。
 同時に、浩之のモノがあかりの膣(なか)に一気に入り込んで来た。

「あああああぁぁっっ!」

 あかりは仰け反り、悲鳴を上げる。浩之の強引な挿入はあかりの陰唇を巻き込み、破瓜の激痛をあかりに与えていた。
 浩之は自分のモノを一気につき入れると、悲鳴を上げるあかりの頭を強く抱きしめた。するとあかりも、浩之の両腕を、ぎゅっ、と掴んで激痛に抗った。
 浩之は挿入した状態を保ち、暫く、激痛に苦しんで泣いているあかりの様子を見ていた。やがてあかりは悲鳴を上げる声を小さくして行き、はぁはぁ、と呼吸を整えるように深呼吸を始めた。

「……悪ぃ。痛かったか?」

 浩之が済まなそうに訊くと、あかりは、こくん、と小さく頷くだけだった。

「…………でも…………大丈夫………………」
「無理しなくて良いんだぞ」

 するとはもう一度小さく頷いた。

「…………いいよ…………浩之ちゃん…………動いても」
「…………ああ」

 浩之は躊躇いがちに頷くと、ゆっくりと腰を動かし始めた。
 腰の動きに合わせて、またあかりが小さく悲鳴を上げるが、やがてそれは荒い息へと変わっていった。
 浩之はその呼吸に覚えがあった。琴音が浩之のモノを加えてよがっていた時の呼吸に良く似ていた。それは未成熟な性感帯から届く快感に溺れている時の呼吸であった。

「…………あかり…………気持ちいいか?」
「……あ、ああぅ…………!」
「…………なぁ、気持ち良いのか?」

 浩之は腰を動かし続けながらもう一度訊く。
 頬を赤らめ、はぁはぁ、と荒い息を始めていたあかりは、やがて躊躇いがちに頷いてみせた。

「…………何か………変…………気持ち…………イイ…………イイよぉ…………!」

 そんなあかりを見て、浩之の中にふと、意地悪心が湧いた。

「……どういう…………ふうに…………?」
「どんな…………って………………?」
「俺のチ○チンが……お前の中で動いている具合…………だ…………俺は…………お前の膣(なか)が佳すぎて、腰が抜けそうだ…………先がとろけそうだぜ…………!」
「はぁ………………あぁ…………」

 恥ずかしがるあかりは唇を噛んで口を塞ごうとするが、直ぐに背筋を走り抜ける快感が喘ぎ声を絶え間なく生み出しそれを邪魔する。

「…………どうなんだよ?」
「はあ…………ああ………………あああっ!ああ!」

 答えぬあかりに痺れを切らした浩之が、腰を激しく降り始めた。あかりはますます湧いてくる快感に溺れ、喘ぎ声を高くしていく。
 そのうち、あかりは浩之の腰に手を回し、ゆっくりと撫で回し始めた。

「――――イイのっ!浩之ちゃんのが出入りするのがっ、私のお腹を熱く溶かしているみたいでっ!気持ち良い、気持ち良いよぉっ!!」

 ここで、コピーリリスたちの陵辱によって開発させられたあかりの性感帯が一斉に励起したようである。突き上げてくる快感の波に、あかりは自分の羞恥心と理性が削げ落とされていくような感覚に見舞われていた。

「もっとして!もっともっとっ!!」

 不断の清楚そうな姿からは想像もつかないあかりの乱れぶりは、浩之に以前のような戸惑いを与えず、却って嗜虐心を沸き上がらせた。
 あかりの乱れた呼吸と喘ぎ声が居間を支配する。浩之は殆ど無心に腰を振り続けていた。
 そのうち、浩之は紅潮し涙を流してよがっているあかりの顔に自分の顔を近づけ、こう訊いた。

「…………あかり…………俺…………お前の膣(なか)で……イキたい…………!」
「――――!?」

 それを聞いたあかりは、一瞬、ビクッ、と反応する。或いはそれは快感に反応しただけなのかも知れない。しかしあかりの喘ぎ声は次第に小さくなり、震える唇をゆっくりと閉じていった。
 それに呼応するかのように、浩之のモノを呑み込んでいたあかりの膣が、きゅっ、と締まった。

「…………うん。私の中に出して」
「……あかり…………」
「……私…………浩之ちゃんのを……お腹の中で感じたい……」
「――――」

 それを聞いた浩之の心が、きゅん、となった。

 浩之が膣内射精を訊いたのは、りりすがいう〈M−マトリクス〉の生成の件が頭にあった為であった。無論、浩之はあかりにそれを説明し、無理強いする気は全くなく、断れば外でイクつもりであかりを抱いていた。何も死ぬ危険性のない今、あかりを妊娠させる必要など無いのだ。
 むしろ、これは浩之が男として聞いたコトだった。
 男が、愛する大切な女と、最後まで果たす。そんな純粋な反応だった。

「あかり――――」

 浩之はあかりを抱きしめ、腰の動きを更に早めていく。

「ああっ!あん、あん、あ――浩之――ひろ――ゆき――ちゃん――――!」

 あかりは浩之の腰に両脚を絡めて閉じ、腰に当てていた両手を浩之の背中に移して抱きつくような姿勢になる。

「うお――――お――――――あかり――――あかりぃぃ――――!!」

 あかりに抱きつかれた刹那、浩之は腰の辺りから背筋にかけて凄まじい電撃を覚えた。自慰の時とは比べモノにならない射精感であった。

「く――うあ――――いく――――いく――――――――ああっ!!」
「あ――――――う――――――ああああああああああっ!!」

 耐えきれなくなった浩之は、あかりの身体を抱きしめる体勢で腰を一気につき入れ、自らの深いところに溜まっていた熱い迸りを、あかりの一番深いところで爆ぜた。涙と涎でくしゃくしゃになっていたあかりの顔は、浩之の熱い命の雫を子宮口の辺りで感じ取った瞬間、絶頂を迎えて大声を上げていた。浩之の熱くたぎる陰茎を呑み込むあかりの陰唇は、その隙間からぽたぽたと愛液と精液と破瓜の血が混ざった、ややピンクがかった体液をぽたぽたとソファと床の上に零れ落としていた。

「「…………はぁ…………ああ………………」」

 ほぼ同時に得られた絶頂感の余韻とともに、浩之は結合したままのあかりを抱き抱えたまま、ソファに沈んでいった。そしてその姿勢でゆっくりと息を整え始めていた。

「…………はぁ…………はぁ…………あか……り…………」

 浩之は息を整えながら、あかりの耳元で囁いた。

「…………愛してる」
「…………私も…………」

 あかりは半べそをかきながら、浩之に抱きつく腕の力を増した。
 すると、あかりは自分と結合している浩之のモノがまだ力を得たままでいる事に気付いた。

「…………浩之ちゃんの…………まだ…………」
「おめーがまだ締めつけたままなんだよ…………くっ」
「あっ…………!」

 浩之がまた腰を動かし始めた事に気付いたあかりは可愛い悲鳴を上げてしまった。

「嘘……浩之ちゃん…………また…………あ…………!」
「おさまんねぇよ…………お前の膣(なか)が気持ちよくって…………もっとしたい…………するぞ…………!」
「あ…………ヤダ…………こんな…………スゴ…………あ…………!!?」

 浩之は萎える事を忘れて滾る欲望を抑え切れられず、再び結合したままのあかりの膣で荒々しく暴れさせた。結局浩之はもう一度、そのままあかりの膣で大量の欲望の白濁を吐き出し、絶頂の余韻が抜けきれないまま再び湧いた絶頂感によって、あかりを失神しかけさせてしまった。

            つづく

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