『レベル1/6(ろくぶんのいち)』 投稿者:ARM(けだもの属性) 投稿日:12月22日(金)11時35分
○この創作小説は『まじかる☆アンティーク』(Leaf製品)の世界及びキャラクターを悪よもとい使用した、人でなしSS(ワラ)と化しており、ボークス製品のアレやパイオニアのあのアニメの宣伝SSではありません\(≧▽≦)HAHAHA!!。
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 スフィー・リム・アトワリア・クリエール。アルファベッドで書くと、Sphie=rim=Atwaria=Crier。21歳。O型。
 魔法の国、グエンディーナからやって来たピンクの食欲魔人(宮田健太郎語る)。彼女は、魔力の源である、体内に蓄積するマナの量によってその身体のサイズが変わる体質の主であった。生物学的に考えても明らかにアレだし、ましてや魔力の量で若返るのは少しばかりおかしいというツッコミは2の付く匿名掲示板でホザいてもらうとして、とにかくそう言うコトなの生暖かい目でで見守って欲しい今日この頃。
 スフィーは魔法の修行でこちらの世界にやって来たのだが、そこで力ずくでモノにした哀れな子羊こと宮田健太郎(職業:骨董品店店長代理の大学生・但し休学中)の家に居候し、タダ飯を食い漁る代わりとして夜な夜な夜伽をさせられていると言うコトはなく、のうのうとヘソ出して、家の主より厚かましく生活していた。
 もっとも、スフィーにしてみれば、健太郎を生き返らせるために高位魔法を使った代償で若返ってしまったので、元の身体に戻るためには、健太郎の店に多く集まっているマナを吸収しなければならなかった。しかしそれとて自業自得なのではあるが。余録だがその高位魔法は、必ずしも人命を蘇生出来るワケではなく、施法時に、(1)魔物をテレポートさせる(2)魔物を黙らせる(3)パーティを治療する(毒・麻痺・石化全てを治療する)(4)パーティを回復する(全員のヒットポイントをフルチャージする)(5)魔力を増大する(魔物の呪文無効化能力を失くす)(6)パーティを護る(全員のアーマークラスがLOになる)を含めた7つの効果のうち3種類がランダムに表示され、そこから1種類を選択する魔法である。スフィーの敗因は、蘇生後、転移の呪文でレベルダウン後の経験値喪失防ぎの裏技を知らなかったコトにある。
 それはそれとして。
 つまり、スフィーは無闇に魔法を使うと体内のマナを喪失し、身体が小さくなってしまうのだが、今までは辛うじて最悪10歳ぐらいまでの若返りで済んでいた。
 ところが、今度はそうはいかなかった。

「まさかあすこでヴァンパイアロードがレベル4のエナジードレインを仕掛けてくるとはねー」
「……こらまて」

 と健太郎は、自分の掌の上に乗っているスフィーを見て憮然とした。

「…………なんじゃ、この掌サイズは。まるでボークスのフルアクションドールじゃねぇか」
「だって、今のレベルが1/6(ろくぶんのいち)なんだもん」
「…………ろくぶんのいちぃ?」

 つい昨日まで、スフィーはレベル3、つまり本来の大人の姿をしていたハズだったのだが、今朝起きてみるとどういうワケかこんな人形みたいな姿になっていたのである。しかも訳の分からない理由を言って笑う始末。

「レベル3から一気に4つも下がるなんて初体験よ」

 そういってスフィーは赤面して恥じらう。初体験という言葉で、おおかたレベル2の時に健太郎と致したハチミツプレイを思い出しているのだろう。

「つーとマイナス1レベルが正解だと思うのだが、むしろ俺、それ以上に、マナとは無縁であるハズの着ている服まで縮む理由が聞きたいんだが無性に」
「そんなコト気にしているとハゲるわよ」
「やかましい。だいたい、1/6は、レベルゆうよりか身体のサイズじゃねぇか」
「んーとね、他にも1/144とか1/250とか1/48とか1/72とかもあるけど」
「模型かお前は(笑)」
「でも、着せ替え人形はご免よ」
「誰がするか――」

 と健太郎が睨んだその時であった。
 突然、五月雨堂の扉が粉々に破壊され、外から何者かが侵入してきたのである。

「「――結花っ!?」」

 見ると、扉を光粒子に変換してみせた謎の魔法のGツール((c)柊誠亜氏)を両手に握り締めて、紅潮した顔で、はあはあ、と興奮している柏木梓(本物)が、健太郎たちのほうを見ていた。
 いや、正確に言うと、結花は健太郎の掌に乗っているスフィーを見ていた。
 その目は、血に飢えたケダモノのそれであった。

「――――スフィィィィッ!!!あたしにナイショで、すっかりラヴリeyeeeyeぃな姿になっちゃってるわねっ!をーほっほほっほっ!抱きしめてあげるから覚悟をしっ!!ひゅーほっほっほっ!!」

 説明しよう(声:宗方一成)。結花の体内には「らう゛りー探知機」なる生体器官が存在し(別名、結花袋)、らう゛りーなモノが半径17宇宙光年内に存在すると、それを0.01ミリ秒で目敏く見つけ出すコトが可能なのである!

特別付録:ラヴリィなモノらぶらぶモードの結花の唄

 作詞 相田みつお゛ 作曲・編曲 渡辺ちゅうめい

 あれは誰だ 誰だ誰だ
 あれは結花 結花マン 結花マン

 貧乳娘の名を受けて 我を捨てて抱きしめる女

 結花アローは超音波 結花イヤーは超音波
 結花ウイングは超音波
 結花ビームは超音波 あーく(以下自粛)


「……いかん。結花め、すっかりイッちゃってる(汗)あんな状態で抱きしめられたら、ましてや今は人形サイズ――スフィーの死、決定的」
「いやぁぁぁっ!!」

 呆れ返る健太郎の手の上で、スフィーはピンクの髪を振り乱し、激しく怯えた。

「けんたろっ!大切なパートナーを、あんなケダモノに陵辱されようとしているのに黙っているのっ!」
「わかっているって。ああいうのはもう見慣れているしな」

 そういって健太郎が懐からやおら取り出したのは、今や世界的人気で窓から飛び降り志願幼児続出の電気ネズミ様の幼体ピ(自主規制)のぬいぐるみ。

「ピ(自主規制)?」

 健太郎は声色を使って結花を誘う。しかし結花、一向にスフィーに狙いを定めたまま、今にも飛びかからんとしていた。

「……ちぃ。ピ(自主規制)の声色じゃ駄目か。ならば――スフィー、肩に乗れ」

 健太郎に言われてスフィーは、健太郎の右肩に腰を下ろした。
 それを確かめると、健太郎は今度はピ(自主規制)のぬいぐるみを結花に投げつけた。

「プラス」

 ピ(自主規制)のぬいぐるみが結花の顔の正面に落下し、それに気を取られた瞬間を狙って、健太郎は背中から取り出した鉄の長物は、アーウェン37。37ミリ口径の、英国製のグレネードランチャーであるそれは、対テロ・暴徒鎮圧用に開発されたものである。装弾数は5発だが、薬莢自体がチャンバーとなった特殊な形態をもつ変わり種で、歯車で回転させる為、弾薬が外側から丸見えになっている。かなり無防備な姿をしているが、トリガーを引くと、弾薬が前進してその先端がバレルに密着し、ガスをシールできるようになっている。更にトリガーを引き続けると撃針が前進して撃発が起こり、弾丸が発射される。そこから更にトリガーを引くと、発射済みの空薬莢が引き戻され、レポリングされる弾倉の働きで銃から排出されるよう、トリガーにダブルアクション機能を採用されている。その為、トリガーを引くだけで次々と連射が出来る、実に便利なグレネードランチャーなのだ。
 銃身には、「対結花用」と刻まれていた。当然、弾丸は非致死性AR1(ゴムスラッグ弾)が装填され、ボディブローによるストッパーのみとしている。
 健太郎はそれを全弾、容赦なく結花に撃ち放った。一発は顔面、一発は右肩、二発はぺたんこな胸が腫れてでかくなるコトを切に願って胸に、残りは左ももに命中した。結花の身体は五月雨堂のショーウインドウをぶち破って外に飛ばされた。

「……けんたろ…………やりすぎじゃないの?」
「――ああっ、痛いわねっ!」

 といって結花は何事も無かったように(身体の至る所がガラスの破片まみれではあるが)むっくりと起き上がった。それを見て、スフィーは腰を抜かした。

「よかったよかった、いつもの結花だ」
「何がいつもの結花よっ!」

 怒相の結花は風通しの良くなったショーウインドウをくぐり、健太郎の元へ近寄った。
 手前まで来たところで、健太郎はいきなり結花の胸を、ポンポン、と掌で叩き、

「――ちぃ。AR1でもここは腫れねぇのか」

 と溜息く。
 次の瞬間、赤面する結花はベノムストライクが発動。腰を抜かしていたスフィーも巻き添えを食った。


「……ごっめぇん(汗)」

 結花は人形サイズのスフィーを優しく手で抱きながら頬ずりして詫びていた。無論、足元でまだくたばっている健太郎のコトなどアウトオブ眼中。

「あたしってば、昔から可愛いモノを見ると我を忘れるタチだから……」
「あはは…………ま、まぁ、落ち着いてくれればいいけど(苦笑)」
「結花、お前ぇなぁ」
「あによ」

 ようやく起き上がってきた健太郎に、結花は詫びの一つも入れない。もっともアレで入れる方が余程お人好しである。

「ところで、ね。何でスフィー、こんなになっちゃったの?」
「レベルダウンだと。今のレベルは1/6だって」
「1/6ぃ?――それって身体のサイズのコトじゃないの?」
「他にもレベル1/144とか1/250とか1/48とか1/72とか」
「それはもういいって」
「んー」

 結花はスフィーの身体を舐めるように見回すと、

「残念」
「何が残念なんだよ」
「いや、ね。1/8(はちぶんのいち)だったら、うちにあるリカちゃん人形とかジェニーとかの服が着せられるんだけど…………あ、そうだっ!健太郎、ちょっとスフィーお願いっ!」

 結花は健太郎に、スフィーをぽいっ、と放り渡すと、五月雨堂を飛び出した。
 2分後、唖然としたままの二人の前に、結花が戻ってきた。

「何だよ、その手に持っているのは」
「じゃーん」

 と健太郎たちに見せびらかしたのは、赤いメイド服を着た可愛い人形だった。

「……なんだコレ?USBのケーブルが――あ」

 途端に、健太郎はその人形の正体に気付いた。

「……そうか。うちの店の前にあるビデオ屋でこの間から不審な行動をとっていたのは、あのビデオを借りるためか」
「だってだって――レナちゃんがとってもラブリーなんだもぉん」
「身をよじらしてもだえるなコラ」
「借りたくても、もうずうっとレンタル中のままでさぁ。噂通り、オタクが群がるように代わる代わる借り続けていたから、なかなか見られなかったんだモン」
「……何?」

 一人だけ蚊帳の外にいるスフィーは、ちょっと不機嫌な顔で二人を睨んだ。

「ほら、この間プレステ2で観たろ。あの、地上波では到底放送できない、衛星軌道からのパンチラシャワーアニメ(爆)」
「……ああ、あれ」

 スフィーは冷めた目で健太郎を見た。

「あの第一話で、けんたろ、涙流しまくってたわね。どこかのARMみたいに」
「はっはっはっ」

 無論、誤魔化し笑い。はっはっはっ。

「それはそれとして、どこでこんな物を」
「欲しいの?」
「誰が(笑)。ARMじゃあるまいし。――で、どこで売ってたの?教えて」
「やっぱり欲しいんじゃん(笑)。ボークスの通販」
「やっぱり。よし、俺も――じゃねぇ(笑)。だから一体それがどうしたんだよ」
「よく見なさい」

 と、結花はスフィーを左手で鷲掴みし、右手に持っているボークスのドールとならべてみせた。

「あ、等身同じ。そうか、これも1/6なのか」
「だから、さっ――スフィッ!」
「え?あ――な、なっ!?――嫌ぁぁぁぁぁっ!!」

 結花はいきなりスフィーの服を脱がせた。

「お、おい結花っ(汗)」
「あっち向けぃっ!」
「は、はい」

 健太郎、半分ケダモノと化している結花に気圧され、言われたとおりに背中を向けた。


「……ほぉら、ぴったり」
「ほんとだ!」

 初めは抵抗していたスフィーだったが、結花の意図に気付くと、進んで人形の服を脱がせ、それを着た。

「んー、馬子にも衣装」
「似合っている?」

 スフィーは赤いメイド服を翻して笑った。

「おう。まるで本物そっくり」
「へっへー」
「……しかし」

 急に、健太郎の顔が険しくなった。
 すると、隣にいる結花も、健太郎がある物を見ているコトから、その険しい顔をする理由を理解した。

「……もしかして、これ?」
「おう」

 健太郎は、結花が手にしたUSBケーブルを見て頷いた。

「こいつが挿さっていない」
「うん」

 そういって結花が頷くと、二人して申し合わせたようにスフィーのほうを見た。
 妙に血走る二人の目を見て、スフィーは嫌な予感をした。

「な、なに?」
「……これ、どこだろうね」
「……俺もそれ、ずうっと考えていたんだ」
「だ、だから、何?」
「…………いや、だから…………これが」

 そう言って結花はUSBケーブルの端を指す。しかしそれは、コネクター部ではなく、人形本体にくっついていたほうである。着替えの時に結花が外してしまったのだ。

「……どこに挿さっていたか――いや、完璧を期すためにはこれも挿さねば」
「同感」
「何……だから――――まさか――それを――あたしに――――い、いっやぁぁぁぁぁっっっ!!」


 暫くお待ち下さい………………。


「……うっうっうっ(泣)」
「そんなに泣くなよ。やっぱりUSBケーブルが挿さっていないとねぇ」
「……うっうっうっ(泣)」
「大丈夫だって。あたしのを改造して作ったんだから。後ろだったらおトイレにも困るでしょ?それにこれなら多い日も安全」
「…………う゛っ゜う゛っ゜う゛っ゛」

 終いには血の涙を流すスフィー。スフィーのスカートの下から伸びるUSBケーブルがどこに挿さっているのかは、皆さまの思ったとおりですので説明は敢えて省略<ぉぉぉ

「USBコネクタが重いからねぇ、気張っていないと外れるから注意して」
「…………まるで陵辱ゲームのヒロインみたい……あたしってば不幸(血涙)」
「元の身体に戻れば、普通のが使えるから安心しなさい」
「元の身体に戻ってもこんなコトさせるんかいっ!」

 スフイー、遂にキレた。

「このっひとでなしっ!まじかるっ!――――あん(はぁと)」

 魔法攻撃しようとしたところへ、健太郎がUSBケーブルを軽く引っ張った。するとスフィーは顔を真っ赤にして身もだえた。

「抵抗すると無理矢理引っこ抜く」
「うっうっうっ……これじゃあ『まじかる☆ヴィオレート』だよぉ」
「電動式にしなかっただけでもありがたいと思え。どっちにしても、元の等身大にもどらなきゃ始まらない。スフィー、その格好で働け」
「………あ…………うん……いい……………え?」

 スフィーは、健太郎が掴んでいるUSBケーブルから届く振動に刺激されて変な感覚に目覚め掛けて、喘ぎ喘ぎ不思議がった。

「良い客寄せになる」
「変な客しか来ないと思う(汗)」
「いや、俺、前々から思っていたんだ」

 といって健太郎がどこからか取り出したものは、一冊の同人誌。表紙の角に、成人男性向けのシールが貼ってあった。

「ほら、うち、古物商売買の許可証あるから――骨董品なんて滅多に売れないからねぇ。もっと集客性の高い商品も扱ったほうが良いと思って――明日から同人誌も扱う」
「ぐあ」

 思わずのけぞるスフィー。そんな物でマナが果たして集まるだろうか。

 案の定、マナではなく、マナーの悪い汗くさい客がスフィー目当てに集まってしまった。

「「「「「ううっ、スフィーちゃん萌え萌えぇぇぇっっっ!!」」」」」
「こぅらっ!エロゲー発売前日の秋葉のメッ○前みたいに、ゴザや段ボール敷いて徹夜するんじゃねぇっ!この、か(自主規制)!」

 商店街の人たちに迷惑を掛けつつ、売上だけは同人誌の扱いで以前の100倍にもなり、五月雨堂は繁盛したのであった。

「――よしっ!今度は、ガレキも扱ってみよー!」

 健太郎のこの一言がきっかけで、「こみっくパーティ」のLeaf東京開発室の新作が、ガレージキットを題材にした恋愛シミュレーションゲーム「わんだージャパン(仮)」になったそうな(RED&BIG嘘)。めでたしめでたし。

       おわりだおわりっ。

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