ToFat(デモ版) 投稿者:ARM
【警告】この創作小説は『ToHeart』(Leaf製品)の世界及びキャラクターを片っ端から悪用……げふんげふん、もとい、使用し、ネタバレの要素もある話になっています、たぶん<ぉぃ(笑)。ちなみにこれはあくまでもフィクションなので本気にしないように(笑)
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 季節はいつも、さりげなく通り過ぎていく。
 一日はこんなにも長く感じるのに、それを綴った季節はめまぐるしく移り変わってしまう。

 ……気がつけば春場所。
 不安と期待を胸にする始まりの季節。
 広がる青空、眩い天井のカクテルライト光、さわやかな風にプルプルふるえる薄桃色の脂肪。

 ……気がつけば夏場所。
 光輝く、デブには蒸し暑いだけの地獄のような季節。
 照りつける太陽、くっきりと浮き上がる汗、熱さで目眩し朦朧とする意識の中で高く聞こえる行司の声、はるか遠くに広がる花道。

 ……気がつけば秋場所。
 茜色に染まる黄昏の季節。
 鮮やかな紅葉の張り手の痕、そよぐ涼しい風、踏んだシコの乾いた音、早い立合い、真っ白な清めの塩。

 ……気がつけば新春初場所。
 雪の降り積む白い季節。
 身の締まる冷たい風、新雪に残す足跡、白い息、吐く息で温める手。チャンコの美味い季節。

 ……そして、また、春場所がやってきた。


 「To Fat」 体験デブ版もとい、デモ版☆ミ


「ねえ、今日一緒にシコ踏もぅっか?」
「え、なんで?」
「なんでって……、とくに理由はないけど……」

 あかりがそう言った時だった。

神岸あかり。

 幼なじみの女力士。付き合いも長く、主人公のチャンコの好みを誰よりもよく理解してくれている。なにかと世話焼きで、面倒見がよく、ちょっとお姉さん風を吹かすコトも……。ちなみにデブ専。

「え?今、忙しいって?……またマゲの研究?」

 コク。お嬢さんはうなずいた。

「……ったく、懲りずによくやるね。この前、あンだけ大変な目に遭ったってのに。……えっ!?また、俺に新しいマゲの結い方を手伝って欲しいって!?」

 コク。

「ちょ、ちょっと、待てよ!やだよ、オレ!だいたい、十両の俺はまだマゲ結えるほど髪無いし!」
「……」
「――ああっ、もうっ、またそんな悲しい顔するしぃ。わかった、わかったよ!」

来栖川芹香。

 相撲協会の重鎮でもある、来栖川部屋会長を祖父に持つお嬢様。容姿端麗、成績優秀、物腰優雅な絵に描いたような御令嬢………ではあるのだが、無類のマゲ好き。日々、新しいカブいたマゲの結い方を研究している。無類のデブ専。

 委員長は手すりの上にひじを乗せ、頬杖をつくと、遠くの方を眺めた。
 そして、抑揚のない声で、
「…土俵入りするコトなんかあらへんよ」
 と言った。

保科智子。

 関西出身の女力士で、中学までは向こうのほうにいたらしく、関西弁を話す。本人は、いたって向こうで相撲を取りたがっているらしい。角張ったスネを使ったとても痛い足払いが必殺技。眼鏡とお下げがチャームポイント。でも実はデブ専。

「ねぇねぇ、みんな、聞いて聞いて! 大ニュース!大ニュースぅ!」

 いきなり志保のヤツが駆け込んできた。

「大ニュース、大ニュースって、オメーは昔のマンガのキャラクターか!」
「んもう、うるさいわねっ!それよりも、ホントにホントの大ニュースなんだから!ホラ、鶴来部屋の千鶴女将さんとそこの力士が……あっ、雅史っ、ホラホラ、あんたもいらっしゃいよ!」

長岡志保。

 主人公とあかりの中学時代からの親しい友人で、現在、スポーツ紙の相撲記者を勤めているのだが、なぜか相撲界のゴシップ記事ばかりかぎつけて、相撲協会から睨まれている。アクティブな性格で、すっとこどっこい、周囲のムードメーカー的存在である。主人公をコトある毎にデブと罵るが、本当は隠れデブ専。

「来てくださったんですね!」
「まあ、チャンコ喰った腹ごなしに、ぶらっと見物に」
「ありがとうございます!嬉しいです!」
「はは、大袈裟だなあ」
「…だって、わざわざ見に来てくださったのは、先輩が初めてですから」

松原葵。

 礼儀正しく、前向きな性格の女力士。相撲の技で異種格闘技戦エクストリーム大会出場を目指し、主人公の所属する部屋でも、同好会を設立しようと努力している。例外なくデブ専。

「…なんだよ、また土俵の掃除させられてんのか?」
「はい」
「だれかれ構わず、いいように利用されて、ホント、お前ってつくづく損な性格してるよなー」
「そうですか?でも、お掃除って、とっても楽しいですよ」

 そう言って、マルチは屈託のない笑顔を見せた。

HMX12型マルチ。

 来栖川部屋に試験的に居る、相撲の特訓用ロボットで、相撲協会が開発した来年度モデルの試作型。なのに非力貧弱貧乳の三重苦が災いし、特訓相手としては役に立たず、掃除ばかりさせられている。デブには徹底的に従うようプログラムされている。

 そこには、見覚えのない女力士が立っていた。
 顔を伏せ、上目づかいにこっちを見ている。

「えっと、オレを呼んだ?」
「……あの…………ごっつぁんです……」

 いくら訊いても、そのコはそう言うばかりで、直ぐに逃げてしまった。

姫川琴音。

 入所早々から、不思議な投げ技を持っていると噂されるミステリアスな超能力女力士。
 口数も少なく、他人には滅多に心を開こうとしない。デブ専の上にやおい好きのおちゃめさん。

「どうして、そんなことを訊くんだ?」
 オレは逆に、訊き返してみた。
「『うっちゃり』ヨ」

 にっこりと答えるレミィ。

「なんだよ、俺に投げられちゃマズイことなのか?」
「そ〜デス」
「どう思うって言われてもなぁ…」
「教えて教えて!」

宮内レミィ。

 カリフォルニア出身の日系ハーフの外人女力士。明るく、大らかな性格で、コロコロと変わる技と大きな胸が特徴的。問答無用でデブ専、特に脂ぎったタイプにメロメロ。。

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「ちょっと、ちょっと〜っ!モニターの前のそこのあ・な・た!大ニュースよっあの、りぃふ・びぢゅあるのべるシリーズの第三弾が発売されるんだって!その名も、『To Fat(トゥファット)』。文章とビジュアル、そして音楽が織りなすおなじみのシステムに、相撲シミュレーション的要素を加えた、新感覚のビジュアルノベルなんだって!で、あたしがメインヒロインの長岡志保ちゃんで〜す!」

調子に乗り過ぎ( ̄○ ̄;)

「ん? なんか言った?」

言ってない言ってない(^_^;

「なーんかすっきりしないけど…、いいや、続けるね☆ミ……さて、プレイヤーであるあなたは十両の力士。男女雇用均等法が伝統ある相撲界を脅かし、ついに実現された男女混合の相撲。痩せ・デブ・グラマー多種多様な力士がぶつかり合う春場所間近の3月からゲームスタートだよ。…とりあえず、来栖川部屋の中へとレッツゴー!」
「……あの、こんにちは。わたし、姫川琴音といいます。……一手お願いします」
「ほーら、さっそく出会った!部屋内では、あたしも含め、ヒロインたちがあなたの前に現れるの。彼女たちと相撲をとるコトによって、ゲームが進行していくって寸法よ!」
「……本編でも、ぜひ、わたしと相撲をとってください。出会えたらいいですね」
「え〜と……確か、本編だと、彼女の持つ超能力が縁であなたと知り合うらしいの。なんかSFっぽい雰囲気のストーリーね。この場合、スモー・フィクションっていうのかしら(笑)」
「……どうなるのか、まだ、わたしにもわかりません」
「すべてはプレイヤーの行動次第ってところかしらね!さぁ〜てと、んじゃ、あたしはこの辺でおさらばね。琴音ちゃん、あと、お願いねぇ〜〜」
「……あっ、長岡さん、ま、待ってくださいっ(汗)………………………………………………」

時間がないんだって!

「――あ、はい、すみません。……そ、それでは長岡さんにかわって、わたしがゲームシステムの解説をします。どうぞ、こちらへ……。ここは稽古部屋です。プレイヤーの方の行動は、仕切りからが基本です。仕切りでのプレイヤーの七十手ある決まり手の仕掛け方で、わたしたちと出会えます。もし、わたしと出会ったら、ぜひ相撲をとってくださいね」
「ハア〜ィ!」
「あっ、宮内さん……」
「コトネ、Youひとりじゃ大変でショ?アタシが手伝ってあげるネ」
「ありがとうございます、宮内さん」
「No、No!レミィでOKネ!」
「じゃあ…、レミィさん…」
「Hello!自己紹介します。あたし、レミィ。宮内レミィ!まだ幕下の力士だけどよろしくネ!」
「レミィさんって、日本語お上手なんですね」
「トーゼン!アタシ、子供の頃からニッポンとアメリカを何度もオーフクしてるからネ。それにダッドはアメリカ人で、マムはニッポン人。両方話せるヨ」
「国際結婚なんですね。……素敵です」
「コトネ、場所を変えるヨ」
「はい、どうぞ」
「ここは……、台所ですね」
「アタシは、よくここでチャンコ食べるけど、コトネはどう?」
「わたしは、お弁当です」
「ランチボックス?」
「はい」
「ボックスといえば、今回のパッケージは『豪華BOX仕様』なんだよネ!」
「CDサイズじゃないんですよね」
「しかも……『特製まわし付き』なのよネ!」
「わあ…。それで、お値段のほうは…?」
「ノープロブレム!豪華なBOXパッケージ、特製まわし付きで………7800円(税別)なんだって!」
「あ、いつもと同じなんですね。よかった……」
「ねえ、ちょっと、ちょっとぉー!」
「あれ…?長岡さんの声が聞こえましたけど?」
「国技館前からの衛星中継なんだけどぉ」
「衛星中継?Really!?」
「国技館はこの部屋から目と鼻の先なのに、どうして……?」

本気にするなよ、二人とも(汗)

「あんたたち、TVショッピングじゃないんだからさ。…それにしてもあんたたち、さっきから見てたけど、ノリが悪いわねぇ。やっぱり、あたしが仕切らないと駄目ね〜」
「……ごめんなさい、わたしが……うっちゃりすぎた所為ですね」
「No、No!コトネのせいじゃないネ。きっと、アタシのシコの踏み方がヘタなせいネ……」
「こら〜、人を意地悪な小姑みたいに言うな〜っ!ハイハイ、それじゃ、台所の琴音ちゃんにレミィちゃん、どうもありがとうございました〜。さて、こちらは国技館前。今現在、朝の6時ちょうどです」

ウソつけ!

「さてさて、次のコーナーへ行ってみよう!皆さんの朝ご飯の席にお邪魔しちゃう、『志保ちゃんの爆突・隣の力士部屋の朝御飯』のコーナー!このコーナーでは……。ちょ、ちょっと、まだ途中なのよーッ」

 鋭意制作中!(RED嘘)

http://www.kt.rim.or.jp/~arm/