ヒロユキ学習デスク・すりー・ACT2 投稿者:えーあーるえむ(下ネタ一代男)
【警告】この創作小説は『雫』『痕』『ToHeart』『WHITE ALBUM』『こみっくパーティ』といった(Leaf製品)の世界及びキャラクターを片っ端から悪用……げふんげふん、持病のゾハナ病が(笑)もとい、使用し、ネタバレの要素もある下ネタ話になっています、たぶん<ぉぃ(笑)。
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 ヒロユキ学習デスク・すりー

    「びがぁまん」

            作:えーあーるえむ

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 藤田浩之。
 彼はHゲームでは珍しく、一度コトに失敗した経験を持っている。
 失敗と言っても「デキちゃった」ではなく、「立たなかった」ほうである。
 その理由は、相手が神岸あかりという、今まで妹のような幼なじみ相手に「燃えるコトが出来なかった」という精神的なモノであった。まぁ、世の中、「実の妹じゃなければ萌えない月島兄」とか「どっから見てもS学生の従姉妹に萌える鬼の末裔」とか「歌手の彼女が居るのにも関わらず浮気ばかりする大学生」とか「ノーマルな女友達をヲタクに調教して萌える芸術家崩れ」といったような、精神的に病んでいる連中ばっかりだから、これは極めてまともなコトなのかも知れない。

月島兄「……なんで僕だけ実名なんだよ。祐介はどうした、祐介は」
ARM「忌引きです」
月島兄「ああ、なら仕方がない……って、まてコラ!(ちりちりちりちりちり)」
ARM「うふっ。毒電波なんてへーき。とうにイッてるからアタシ」
月島「なぁーんだ、ちぇ」

 それはそれとして。
 この物語は、藤田浩之が再びサカるまで……もとい、あかりへの想いを確信し、想いを遂げるまでの間に起きた感動の秘話である(RED&BIG嘘)。


「……ダメだ。やっぱり、ダメだ」

 あかりを追い返したその晩。浩之は自分の部屋のベットの上で、自分の股間をまじまじを見つめ、溜息を吐いた。

「……やっぱり、ダメだ。こんなの、あかりに知られるわけにはいかない」

 そこには、浩之が最後まであかりを抱く気になれなかった本当の理由があった。
 すっぽりと覆われた皮。
 そう、浩之は、

 「真性」

 であったのだ。

「……やっぱり、これは手術しないと……いや、あかりは処女だから、男のここがどうなっているか知らないだろうから……でもホーケイって敏感だっていうし……まてよ」

 そういうと、浩之は「めくって」みた。

 筆舌しがたい臭いが、そこから拡がった。
 くさやの干物を食したコトのある者なら、その食後、自分の口の中に残るあの臭いを想い出すと良いだろう。浩之はそう言う臭いの直撃を鼻孔に受け、瞬時に涅槃に旅立った。


「………………はっ?!い、いま、川の向こう岸にお花畑が……あぶねぇ、あぶねぇ、こんなに溜まっていたのか?ふ、風呂いこ、風呂」

 浩之、お風呂タイム。いじっているうちに我慢できなり、一発。オカズは記憶に新しい幼なじみの裸だった。

「…………最低だ、俺。…………このあいだ洗ったばかりだっていうのに……こんな汚いモノが残っちゃうようじゃ、した時、あかりにも迷惑かけるだろうし……くそぅ、どうしたら良いんだ?」

 舌打ちする浩之は、部屋に戻るなり、ベットの下にある、秘蔵のエロ本を取りだした。そしておもむろに、裏表紙の広告を見た。

「……入院しないで済むレーザー無痛手術……かぁ。保険効くそうだけど、10万円なんて金ないしなぁ……。えーとこれは……特殊糊で皮を引き上げるやつか。でもこれ、仮性じゃないと効き目ないらしいんだよなぁ…………くそぉ、あかりはソノ気になっているのに、俺がこんなんじゃあなぁ…………いったいどうすればいいんだよ?」

 その時であった。

「わーっはっはっはっ!天が呼ぶ地が呼ぶ人が呼ぶ!ホーケイ治せと俺を呼ぶ!」
「――や、柳川さん!いつからあんた、そこにいる?」
「(焦りながら)ち、ちがう!俺は柳川裕也のような美形でクールで将来有望のキャリア組の刑事とは全く別人だ!」
「あからさまに本人ジャン。……つーかこの時点じゃアンタを知らないはずだぞ俺(笑)」
「そういうことだ!お前は柳川裕也を知らない!そーゆうことにしておけ。昔からこんな歌があるではないか、『どーこのだーれだか、しーってるけれどー、ほーんにんだーぁけがーしぃっーてないーっ』」
「無いっていうか、無ぇ」
「それはそれとしておきたまえ!」
「で、アンタ、誰?ッて訊いておこう」

 すると柳川は、急に真顔になった。

「……私の名は、びがぁまん。真の漢なり」
「真の漢?」
「そうだ。西洋圏と違い、生まれた男児に割礼儀式のない日本に蔓延する、ホーケイ地獄。その中で、かつて西洋で「ウタマロ」と呼び恐れられた日本男児たちはその男性機能を失いつつある。私は、現代日本に「ウタマロ」を再生すべく、インドのアジャンター石窟で見つけた伝説の華より生まれる神具を広めるためにやってきた」
「伝説の華ぁ?神具ぅ?」
「これだ」

 そういってびがぁまん=柳川が浩之に差し出したのは、白いブリーフであった。

「……グ○ゼ?」
「違う」

 そういってびがぁまん=柳川は、サオを出し入れするところを指した。そこにはなにやらリングのようなモノがあった。

「この中にあるリングに皮を剥いたサオを通し、メッシュ地になった裏側に常時剥き出しになった亀頭が当たるようになる。剥き出しになり、メッシュ地の刺激が持続するコトで包茎が直るという代物だ。これを世間では『ビガーパンツ』と呼ぶが、真性にはあまり効果がない。しかし伝説の華で織った『神のビガーパンツ』は、キミのような真性でもOK、一発で治す!」
「……んな真性真性ゆぅない。悲しくなってくる」
「気に病むな少年!さて、どれを選ぶ?」
「どれ?」

 そこで浩之は、びがぁまん=柳川が差し出している「神のビガーパンツ」が、三つあることに気付いた。

「白は『ネブラのビガー』、青は『アクアのビガー』そして赤は『フォルテのビガー』!TPOに応じて使い分けられるぞ」
「TPO?」
「ネブラはもっともポピュラーな神のビガー、アクアは水中用で海パンの下に履くサポーター代わりになる。そして、希少なフォルテは、〈究極の漢〉へ変貌できるのだ!」
「きゅ、究極?」

 思わず浩之、顔が引きつる。

「ふふふ、見るがよいっ!」

 そういうと、いきなりびがぁまん=柳川は自分が履いていたスラックスをズボンごと引き下ろし、すっぽり被った粗末なナニを剥き出しにした。

「わっ!俺はそんな趣味無いぞ!」
「違うわっ!今、フォルテのビガーの力を見せてやる!」

 びがぁまん=柳川は左足を上げ、フォルテのビガーに足を通す。そしてジャンプして宙でとんぼを切り、アクロバットで右足も通し、着地したときには既に腰まで上げていた。

「装着!」

 そういうなり、びがぁまん=柳川は履いたフォルテのビガーに両手を突っ込み、サオのある辺りでもぞもぞ手を動かした。どうやらサオを例のリングに通しているようである。

「はまったぞ」
「てゆうか、ビガーパンツ勧めるクセに、あんた自身が何故、ホーケイが治っていない?(笑)」
「ふははは。ゆうなゆうな、みなまでゆうな若人、それはお約束だからナッ!!――ふぅおおおおおおおおおっっっっ!!!」

 突然、びがぁまん=柳川が絶叫した。その雄叫びは懐かしの変態仮面のそれである。
 次の瞬間、浩之は信じられない光景を目の当たりにした。なんとびがぁまん=柳川の全身が膨らみ、フォルテのビガーを除く服がすべて弾け散った。いや、その身体が二周りも大きくなった表現すべきか、巨大化したのである。
 ただ巨大化したわけではなかった。全身が黒々と輝き、鬼のような角まで生えたのである。

「……ってとゆうか、エルクゥ化しただけじゃん(笑)――うわっ!?」

 浩之が思わず瞠ったのは、フォルテのビガーからはみ出した、巨大な物体。とても人のモノではなかった。

「…………え、エルクゥのアレって、こ、こんな大砲(笑)なんだ…………凄ぇ……黒光りしている」
「HAHAHA!ワックスがけしているからな!」
「うそつけ(笑)だいたい、エルクゥ化なんて出来ねぇよ」
「心頭滅却すれば可能だ」
「絶対出来ない、っていうか無理」
「まぁ信じないのなら致し方ない。とりあえず、初心者用も安心のネブラを無償サービスで差し上げるから、試したまえ!後で使用後のモニターレポートを回収するから、800字以内にまとめるように!それではさらばだ、悩める少年よ!!」

 びがぁまん=柳川は半ば押しつけるようにネブラのビガーを浩之に渡すと、窓を粉砕して夜の街に消えていった。

「……あのやろー、今度あったら壁の修繕費請求してやる!――それにしても」

 浩之は、右手に持つネブラのビガーをまじまじとみた。

「……胡散臭いが、しかしこれは紛れもなくビガーパンツ。…………タダだし、試しても、いっかなー?」

 浩之はドキドキしながら、ネブラのビガーを履いてみた。

「…………ふーん。なるほど、これなら常時剥き出しになるし、メッシュ地だから蒸れないしあんまし痛くない。これ、考えたヤツ頭いーな………………う゛っ!?」

 突然、浩之は膝をつく。そして全身が激しく痙攣を始めたのである。

「なんだなんだなんだ!?――なんだこの脊髄から噴き上がる、イクときとよく似た快感は?!――う゛――――URYYYYYYYYYYYYYY!!!」

 凄まじいパワーに突き上げられるように、浩之は家の屋根をぶち破り、高くジャンプしていた。パワーにせよジャンプ力にせよ、常人のそれではない。
 そしてあろう事か、浩之の身体が変貌を始めていたのである。
 但し、局所的な。
 皮が、根本まで一気にめくれていたのである。
 そして、夜空に光る満月を狙うようにそそり立つ、浩之のモノ。これもまた、常人離れしたサイズになっていた。

「URYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYY!!!!」

 獣のような、否、ケダモノの如き咆吼を上げる浩之。ここにびがぁまん=浩之が誕生したコトを、人々はまだ知らない。
 だが、突然浩之は咆吼するのを止め、その場にうずくまってしまった。

「…………め、目眩が……ふにゃあ」

 情けない声を上げて浩之は、自分で開けた屋根の穴の中に、ぐったりとした身体を落とした。

「…………い……いったい……この目眩……なに?」
「少年、見事なびがぁまん振りだ。ところでひとつ、言い忘れたコトがある」

 突然、びがぁまん=柳川が浩之の目の前に現れた。浩之は驚くが、全身を支配する疲弊感が、感情の表現を妨げていた。

「慣れないうちは、びがぁまん化した時、代謝機能の制御が出来ずに海綿体に一気に血が溜まりやすい。その影響で血圧が下がり、こんなふうに貧血を起こす場合があるので注意したまえ!」
「それを……さきに……いえ…………バカヤロ……ぎゃふん」

 浩之は自分の身体の同じサイズになったナニを抱き枕代わりにして悶絶した。消えゆく意識は、微かながらも、去りゆくびがぁまん=柳川の笑い声を聞いていた。

 翌朝、浩之のセガレはなんとか腫れが引いていたのだが、しかしどうしても亀頭のカリがリングにひっかかって外すコトが出来ず、しかたなく浩之は泣く泣くネブラのビガーを履いたまま登校してきた。

「浩之ちゃん」

 遅れて着いたあかりがやってきた。

「おはよう。今日はいつもよりも早いんだね」

 浩之の今日の目覚ましは、アレの痛みであった。膀胱炎か、あるいは尿路結石で尿道に結石が引っかかったコトのある者ならきっとわかる痛みであろう。いや、マジで痛いんだ、サオの中で詰まると(血涙)。

「わたし、てっきりまた寝坊してるのかなぁ、と思って、浩之ちゃんの家まで……」
「あかり」

 浩之はあかりの言葉を遮った。

「な、なに?」
「わりぃけど、今はちぃーと静かにしてくんねぇか。ぼんやり外を見たい気分なんだ」
「……………ゴメン」

 あかりが去った後、ゴンッと額を打ちつけて、浩之は机にうつ伏した。

「…………痛ぇ……あかりの顔みるとあかりの裸を思い出して……ナニが………くそぉ、血が海綿体に溜まるじゃねぇか……痛ぇよぉ」
「浩之?どうした、顔色悪いよ?」

 浩之の異変に気付いた雅史が、浩之の顔を覗き込んだ。

「…………何故だ?」
「?」
「何故、雅史の顔を見たら余計に大きくなるんだ俺?……痛たたたた、雅史、お前も顔見せるなっ!」


「浩之ちゃん」

 休み時間、廊下で浩之はあかりとばったり出会った。

「……」
「……あ、あのね、実は修学旅行のコトなんだけど……」
「わりぃな。今、俺忙しいんだ……」
「あっ……」

 浩之はあかりを無視して通り過ぎた。

「……たのむ……ほっといてくれ……お前の顔みるとまた……イタタ」

 浩之の顔はさざ波のように押し寄せる股間の痛みに青ざめていた。

 そして放課後、公園で待ち伏せしていたあかりと出会ったとき、その痛みはピークに達した。

「……浩之ちゃん。いったい、どうしたって…………?」
「いい加減にしろっ!」
「……あっ!?」

 浩之、思わず手を振り上げるが、それを振り下ろすコトは出来なかった。イヤ、単にアレが痛くなっただけなのだが。

「……しばらく、お前とは会いたくねえ」
「えっ!?浩之ちゃ――」
「ついてくるなっ!――お前の顔みると、痛くなるっ!頼むからぁ!」
「痛い、って何が?」
「ナニがダッ!」

 言語的に成立している会話にみえて、しかしそれが指す意味は双方とも異なっていた。


 その日の夜、浩之は痛みがいつの間にか引いていた股間を見て、唖然としていた。浩之の余っていた皮は、荒療治によってすっかり縮み、真性包茎が治っていたのである。
 それを知った浩之は、無性にあかりに会いたくなった。これで、ヤレる、と。


「ところで、さ」

 俗に言う、好感度が高いと見られる第2ラウンドに突入した時、浩之はあかりに訊いて見せた。

「ふつー、初めての女のコってのは、こんなコトはしないんじゃねぇのか?」
「んー?何でだろう?…………不思議なんだけど、なんか、可哀想に見えて」
「…………はは」

 浩之は鋭い女の感の前に、力無く笑うしかなかった。

              ちゃんちゃん♪

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