『羅刹鬼譚 天魔獄』 第3話 投稿者:ARM(1475)
【警告!】この創作小説は『痕』『雫』(Leaf製品)の世界及びキャラクターを使用しており、ネタバレ要素のある作品となっております。
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 第5章 ”電波”使い

 千歳は、買い物かごを持ったまま、鶴来屋新館の最上階、14階の廊下にいた。足立がフロントに顔を出している間に、千歳はエレベーターに乗り込み、ここへ来たのだ。
 瑠璃子に撫でられた時、千歳はある擬視体験を覚えていた。それは、巨大な光る物体が、さらに大きくて黒い物体の底から浮かび上がる奇妙なイリュージョンであった。自分の脳裏に浮かび上がったその映像が、何かとてつもなく不吉な何かを予感させた。
 そしてなにより、千歳はようやく思い出したのだ。

(そうよ――あれは、このあいだから、夢でみていたこうけいじゃない――なんでそんなことをわすれてたのかしら――――)

 不吉な予感がどうしても気になって仕方なく、千歳は、勘――としか言いようがなかったが、エレベーターに乗り込み、嫌な感覚が近い階を選んで降りたのだ。
 それが、この最上階であった。この上は直ぐ屋上だが、展望室がある本館と違い、新館の屋上は一般客には立ち入り出来ないようになっていた。千歳は天井に一瞥をくれ、ゆっくりと階の奥へ進んでいった。
 やがて、千歳はこの階の角部屋である1418号室の前についた。この中から、一番濃い、嫌な気配を感じ取っていた。
 千歳は、1418号室の扉に手をかけた。鍵が開いていた。千歳は大きく深呼吸をして、恐る恐る中に入っていった。
 室内には、静寂が居座っていた。ここの客は、室内には居ないようである。
 ふと、部屋に入って直ぐにある居間に、大きなトランクが置かれているコトに気付いた。まるっきり無人というわけではなかったらしい。千歳は改めて周りを見回した。
 やはり、人の気配はなかった。千歳は、ほっ、と胸をなで下ろした。

「――安心した?」

 その突然の声に、千歳の身体が凍り付いた。不意の声は、千歳の背中に浴びせられていた。

「いきなり入ってきたから驚いたわ。……キミみたいな小さな子が、何の用?」

 千歳の全身が泡立っていた。今、振り返ってはいけない。千歳にも流れる「柏木の血」が、声の主がそれほど危険な存在であるコトを、幼いながらにも理解出来るよう告げていた。

(……ど、どうしよう。め、めんどうなことになっちゃった…………!)

 梓たちの教育の甲斐あって礼節正しい少女に育ってきた千歳は、無断で他人の部屋に入るのが無礼であると判っている。千歳を後悔させているのは、自分の無礼がもたらした失敗にではない。背後の存在は、そんなコトさえも気にもさせぬ存在なのだと言うコトは、幼い千歳にも理解出来ていた。
 つまり、敵に背後を取られたコトに、である。

(すきをついてにげようかな――――あれ?)

 千歳は、ようやくある異常に気付いた。

(――――からだが、うごかない?!)
「動けないでしょう?」

 背後の声は、明らかに笑っていた。獲物を掴まえた肉食獣が嬉しそうに吼えている。そんな、生理的に嫌な笑い声だった。

「凄いでしょう、オゾムパルス、っていうのよ。――毒電波と言ったほうがいいかしらね。大気中に存在する、第六のゲージボゾンでね、人間の身体に強い影響を及ぼす素粒子を使ってお嬢ちゃんの身体の自由を奪ったの」

 無論、幼い千歳に、素粒子だのボゾンだのと教えても、理解出来ようもない。唯一、理解出来るコトは、不思議な力が自分を縛り付けているというコトぐらいであった。

「わたしね。この力を完全に自分のものにするために、五人殺しているの。人の頭をね、生きたまま開いて、オゾムパルスに対してどんなふうに反応するか調べたの。凄い力よ、オゾムパルスって。お嬢ちゃんぐらいの頃にね、毒電波の存在に気付いてね、色々試したんだけど、どんなふうに人の身体に作用するか、どうしても知りたくなってね。大学入って脳の勉強をして、医学的知識を備えてから、その目で確かめたの。人間の脳味噌って綺麗なの、知っている?ピンク色でさ、指先で、ちょん、と押すと、へこむの。そうね、木綿豆腐に近い感触ね。脳のシワがさ、オゾムパルスを受けると、萎むのよ、きゅっ、て。目もさ、ひっくり返るの。その時さ、泡、吹いたんだ、そいつ。汚くてさ、つい、指を脳の中に押し込んだらすっごい声あげるの。あまりにもうるさいから、次からは喉笛を切って声が出ないようにしたんだ。無論、首の血管は切らないようむき出しにして。声の代わりに、ひゅうひゅう、ってゆうんだ。なんかさ、面白いんだ、うふふ」

 背後の狂気に、千歳は泣き出したい気持ちで一杯だった。死ぬほど怖かった。半年くらい前に父親や梓たちを襲ったあの坊主頭の大男より、怖かった。しかし、今の千歳には絶叫する自由さえ奪われていた。
 背後の狂気は、やがて黙り込んだ。振り向いて何をしようとしているのか確かめたかったが、やはりまだ身体の自由がきかなかった。

「…………お嬢ちゃん。変だよね。どうしてお嬢ちゃんみたいな娘に、こんなコトベラベラ話しちゃうんだろう?お嬢ちゃんなんて、簡単に殺せちゃうのにね、あたし」

 背後の狂気は、千歳への殺意をほのめかしたが、とうにそのコトは気付いていたので驚きはしなかった。

「…………お嬢ちゃんだけじゃない。このホテルにいる人たちや、隆山市内に居る人たちみんな、殺せるんだよ、わたし。――だってね、それが可能な力が、この町にあるんだもん」
「――――?!」
「凄いんだよ。みんな、一瞬のうちに消滅するの。そんなのが、この隆山の近くに眠っているのよ。――どうして知っているかって?あたしだけ、知っているよ」

 狂気は自問自答し、天井を指した。

「…………お空の高いところからね、降ってくるの。電波が。とってもとっても強い電波が。わたし、それを受信して、教えて貰ったとおりにここに来たのよ。――――それをわたしが手に入れるの。凄いでしょう?」

 千歳には、背後の狂気が何を言っているのか判らなかった。とにかく今はこの場から、こんな気のふれた女の元から逃げ出したかった。何か方法はないか、と千歳は必死になって考えた。

(…………千歳。お前の力は、もう少し制御できるようになってから使うんだ)

 不意に、父親の言葉が千歳の脳裏に甦った。半年前のあの酷い事件の時に、戦いで傷ついた耕一が千歳をかばった時の言葉であった。

(お前の力は、梓たちとは少し違う。むしろ、よりご先祖様の力に近いモノだ。だから、自分勝手にふるってはダメだぞ)

 そこで千歳は、ようやく自分の「力」のコトを思い出したのである。制御の難しい、あのもの凄い「力」を。
 しかし、身体の自由を奪われている今、果たしてそれを揮えるかどうか。
 千歳は、その「力」に賭けてみた。

「――!?やっぱり、ね」

 千歳が精神集中を始めるや、背後の狂気の驚嘆する声が聞こえた。

「…………なに、それ?…………凄い。もの凄い力。………………だから、わたし、お嬢ちゃんにベラベラしゃべっちゃったんだ。――――お嬢ちゃん、怖い。怖すぎる。………………危険すぎるから、殺すよ」

 その瞬間、千歳の背後に、凄まじい殺意が吹きかけられた。
 だが、それさえも凌駕する波動が、千歳の中から発せられ、背後の狂気は飛び退いた。同時に、室内の壁に、まるで獣の爪痕のような4本の溝が刻まれ、室内の家具が次々と粉砕された。

「PK(念動力)――――なんて強大な!」

 狂気の主は、あと一歩飛び退いていなければ、この不可視の凶爪に身体を引き裂かれていたところであった。千歳が全周囲にはなったPK波動は、無差別であった分、狙いが正確ではなかった為であった。
 やがて千歳はその場に膝をつき、はぁはぁと息を荒げた。力を制御できない為に反動が来たのだ。

「――でも、どうして?身体の自由は全部奪ったのに?!」
「わたしが助けたから」

 狂気の主は、背後の廊下のほうから聞こえた声に驚き、振り向いた。
 次の瞬間、狂気の主と、新たに現れた声の主との間に、爆発したようなスパークが生じた。狂気の主はその衝撃を受けて、居間のほうへ転がってしまった。

「やっとみつけた」

 そう言って、月島瑠璃子は、ゆっくりとした足取りで室内に入り、狂気の主と対峙した。


 第6章 天より来るモノ

「……駄目だよ、その力をもうふるっちゃ」

 瑠璃子は、千歳を殺そうとした毒電波使いのほうへゆっくりと歩み寄った。
 何とか力の反動による呼吸の乱れが収まった千歳は、先ほど知り合った優しそうな観光客、月島瑠璃子が部屋に入ってきたコトに驚いた。そして、瑠璃子が向かい合っている、茶髪のつり目の女が、自分を奇怪な力で縛り付けていた狂気の主であるコトをやっと知った。

「……るりこお姉さん!」
「千歳ちゃん。助けに来たよ」

 そう言って瑠璃子は、にこり、と千歳に微笑んで見せた。

「…………凄い。あんたも、毒電波使いなの?」

 茶髪の女は、瑠璃子を見て目を白黒させた。どうやら自分と同じ能力を持つ者に初めてであったようである。

「わたしは、〈扉〉の守護者、ゲートキーパー。……人が開けちゃいけない〈扉〉を護り、開けられたら閉じる仕事をしているの。…………あなた、開けたから、閉じなきゃいけない」
「開ける?閉じる?――何、勝手なこと、いってんの?そんなの、あたしの勝手でしょう?」
「勝手じゃないよ。――これは、昔からの決まり。人はまだ、〈扉〉を自由に開けてはならないの」
「う――うるさい!」

 茶髪の女が怒鳴った。すると、瑠璃子の目の前で凄まじいスパークが生じたが、瑠璃子はまるで気にもせず、しかもその火花を左手で苦もなく払い退けてしまったのである。

「弱い」
「う――うるさい!あんたなんか、あたしがここで力を手にしたら、最初に消し飛ばしてやるからっ!」

 そう叫ぶと、茶髪の女は立ち上がり、瑠璃子に突進した。突然のコトに瑠璃子は不意を突かれたらしく、茶髪の女に突き飛ばされて倒れ込んでしまった。茶髪の女は振り向きもせず、そのまま、直ぐ横にある非常階段の扉を開け放ち、下へ逃げていった。
 突き飛ばされた瑠璃子は、呆然とその場にへたり込んでいた。驚いた千歳は慌てて瑠璃子の傍に駆け寄った。

「だ、だいじょうぶ?」
「うん」

 なんとも気の抜けた瑠璃子の返事に、千歳は困憊混じりの溜息を吐いた。柳川と長瀬が足立を伴って部屋の前に現れたのは、そんな時であった。



「……飼葉瑞恵。22歳、独身、か。こんな綺麗なひとが、五人もなんて、世も末ね」

 柳川から連絡を受けてブランカとともに鶴来屋に駆けつけた梓は、長瀬から受け取った手配書を見て、はぁ、と呆れたように溜息を吐いた。

「ソれで、チトセ。この女、この町に、みんなを殺セる力がある、って言ってたの?」
「うん」

 ブランカの質問に、ロビーのソファに腰を下ろしてストローでジュースを飲んでいた千歳が頷いた。

「おそらのうえから、すごいちからのことをおしえてもらったんだって。ドクデンパ、っていってた」
「毒電波…………」

 ブランカは吟味するようにその言葉を呟き、そして離れたところで柳川と話している瑠璃子のほうを見た。ブランカは面識はなかったが、ゲートキーパーの存在は知っていた。そんな彼らと、柳川は旧知の知り合いだったらしい。

「………拓也と裕介は相変わらずか」
「ゲートキーパーは人手不足だから。お兄ちゃんも裕クンも、誰かが〈扉〉を開けようとすると急いで飛んで行かなきゃならない。あの飼葉って女性は、わたしが追いかけていた人だから、わたしが来たの」
「そうなのか。――ところで、飼葉って女がちー坊に話した、空から降ってくる電波、と、隆山にあるっていっていた力についてだが……」
「わかんない」

 瑠璃子はまるで子供のような仕草で首を振ると、柳川は、はぁ、と溜息を吐いた。瑠璃子の知能はかなり高いハズなのだが、幼児性の強いところがあって、こんなふうな口調になってしまうである。柳川はこういう相手が心底苦手なハズなのだが、瑠璃子が相手だとあまり気にしないようである。

「わからないから、追いかけて様子を見ていたの。でも、わたしにもそれがどんな力なのか、まだわからない」
「電波もか?」
「それはわかるよ」

 瑠璃子は、にこり、と微笑むと、上を指した。

「天魔」
「――――え?!」

 柳川の隣に来て話を聞いていたブランカは、その返答に思わず驚嘆した。

「天魔がね、呼びかけているの。ここに、来い、って」
「来い…………って?」
「でも凄く危険。多分、あの飼葉って女の人、死んじゃう。それが判っていないから、きっと死んじゃう。……悪い人だけど、それでも可哀想だから、助けたいの」
「………………」

 ブランカは俯いて暫し当惑し、やがて、再び瑠璃子のほうを見た。

「…………もシかシて月島サン、天魔と交信、本当に出来るの?」
「うん」

 瑠璃子は躊躇なく頷いた。

「じゃあ、どうシてここに飛来するのか、判る?」
「天魔がね、この隆山で、あるモノを待っているの」
「あるモノ?」

 しかし瑠璃子は首を横に振った。

「何かを待っている、ぐらいしか判らない。天魔の思考、人のそれと根本的に違うから」
「それにしても――ねぇ」
「ん?何です、課長」

 千歳の隣に座って、鶴来屋の団扇で顔を煽っていた長瀬が声をかけてきたので、柳川が応えた。

「いや、さ。電波つなぎが続くねぇ、と思って」
「電波つなぎぃ?」

 梓が呆れたように言った。
 すると長瀬は瑠璃子を指し、

「電波使いさんに」

 次に天井を指し、

「電波食いの怪物。これでさ、隆山市内で多発している家電品の故障も関係あったら、なんかさぁ」
「家電品の故障?」
「うん。俺ン家の隣に住む山本さん家がさ、ほら、無線マニアのご主人が居る……え、知らない?って無理もないか、その山本さん家の高級品の無線機がさ、クーラーやパソコンと同時にトンだらしくてさ。ローン払い終えていないのに、って泣いていた……あれ?そういう話、聞いていない?」
「山本さん家の事情はともかく、…………故障が多発しているのって、クーラーだけじゃないの?うちのクーラーの修理をお願いした電気屋さん、クーラーばかり壊れているって…………って、よくよく考えてみれば、そんなに簡単に、一斉に同じものが壊れるモンなの?」
「…………どうやら偶然性は皆無だな」

 柳川は腕を持て余した。

「課長の、電波つなぎは良いところをついているみたいだな」

 柳川は冗談ではなく、本気でそう言っていた。過去、長瀬の何気ない一言が、どれだけ複雑に込み入った事件の糸を解すきっかけになったコトか。ブランカはこれを一種の予知能力ではないかと指摘したコトがあるのだが、案外、この男のコトだ、膨大な金と時間を費やして長瀬のこの予知能力らしい力を調査・研究をしても、ただの偶然で終わるのでは?――誰もがそんな気がしてしまい、未だに実現していない。それでも普通の偶然より高い確率で真理を突いているのは間違いなかった。柳川はこれを、「タチの悪い偶然」と呼んでいる。

「でも、家電製品の故障の原因が電波だとしても、何の電波なワケ?その、毒電波?」
「オゾムパルスは、電化製品を破壊するほどの力はないよ。オゾムパルス同士の干渉で衝撃波は生み出せるけど、回線のショートではなく、クーラーそのものを粉々に壊しちゃう」

 長瀬に訊かれた瑠璃子は首を横に振って答えた。

「じゃあ、別の電波、か。何だろうね、本当」
「課長、まず、その家電製品の故障から洗ってみましょう。どこでどのように発生しているか」
「うむ。そのことなんだが…………暑いから署には戻りたくないんだがなぁ…………ここでやらない?とても涼しくてさぁ」
「…………駄目です」

 やれやれ、と渋る長瀬を、呆れ顔の柳川は引っ張っていった。

「ところで、さ」

 一同が柳川と長瀬を見送る中、ジュースを飲んでいた千歳が瑠璃子に訊いた。

「ん?何」
「なんで、てんま、ってヤツ、あのおんなのひとをよんでいたの?」
「…………さあ」
「もしかしてさ、天魔に操られているとか」
「ソれはないと思う。わたシの記憶する限り、天魔が今まで人を操ったという話はありまセん」

 梓の疑問に、ブランカが応えた。
「うーむ…………」


 ブランカたちが鶴来屋で首を捻っていた丁度その頃、隆山市北隆山の住宅街である事件が起きていた。

「…………これは」

 通報を受けたパトカーや消防車が現場の住宅に到着すると、そこにはあまりにもふざけた光景が広がっていた。
 クラゲが、家の上に居座っていた。
 その信じがたい光景を目の当たりにした者たちは皆、呆けた顔でそう思ってしまったのだが、事実、一軒家を飲み込んだ巨大な半透明のクラゲが居たのである。ゼリーをつついたようにプヨプヨと震える巨大クラゲは、時折、透明の身体の中で七色の光を明滅させながら、そこに鎮座していた。
 やがて、変化が起きた。七色の光が明滅するたび、取り込んでいる住宅の壁が穿ち始め、ついには住宅が完全に消滅してしまったのである。警官も消防士たちも、初めて目にした異形の光景に唖然とするばかりで何も出来ず、終始、警官の隣で泣きわめいていた、この住宅の主である夫婦が、自宅の完全消滅とともにそろって失神しまった。
 そのうち、問題のクラゲがふわり、と宙に浮き始め、あっ、と驚いた瞬間、そのクラゲが想像を絶する速度で一気に上空に消え去ってしまった。

「……あ、あれ」

 警官のひとりが、消失した住宅の跡地を指していた。

「おい、あれ、あのミステリーサークルじゃないのか」
「……てことは、あそこもヤツの仕業か?」

 当惑する消防士が指す「あそこ」とは、隆山海岸に出現しているものではなく、今朝より、隆山市内の路上や空き地に次々と出現しているミステリーサークルを指していた。住宅消失と、その犯行が目撃されたのは、今朝から数えて13件目に当たる今回の事件が初めてであった。

        第4話へ つづく

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