東鳩王マルマイマー・第13話「金色の破壊神」(エピローグ) 投稿者: ARM(1475)
【承前】

 おぎゃあ。

 それは、どこからともなく聞こえた、赤子の泣き声だった。

 おぎゃあ。おぎゃあ。おぎゃあ――――。

 泣き声の発生源は、なんと、マルマイマーの左手が掴んでいるTHライドであった。ワイズマンによって封入された人間の魂が収められた地球製THライドが、赤ん坊のように泣いていたのだ。

「――浄解によって、あのTHライドの中にあった魂が、生まれ変わったのだ。――メイドロボットがこころに目覚めるように、人の魂が収まった地球製THライドの浄解は、人の魂を生まれ変わらせるのだろう」

 長瀬達は、スクリーンに映し出されている、泣き声を上げ続けるTHライドを呆然と見つめていた。
 やがて、マルマイマーは、ふっ、と笑みをこぼし、THライドを持つ左手をゆっくりと胸元に寄せた。

「…………まるで、赤子を愛おしげにあやすお母さんみたいね」

 メインオーダールームにいるあかりがそうもらすと、綾香とレミィも、うん、と嬉しそうに頷いた。

「……マルチは、すべての始まり、か」
「?なに?」

 綾香の呟きにあかりが反応した。

「……ううん。なんでもない。――あとは」

『「――そう、あとはっ!!』」

 マルマイマーは、きっ、と上空を睨み付けた。

 そこに滞空するは、巨大な魔神――エクストラヨーク。
 マルマイマーは、右手にするゴルディオンフライバーンをエクストラヨークに差し向けた。

『「――次は、お前だっ!!』」

               To be continued

【次回予告】

 君たちに最新情報を公開しよう!

 最強勇者へと進化したマスターマルマイマーは、ついに鬼界創神エクストラヨークとの対峙の瞬間を迎える!奇跡の破壊神と悪夢の創造神との長き闘いに決着が着く中、自らの犯した罪への罰を甘んじて受ける恋人たちの哀しき運命に、マルマイマーは慟哭する。人知を越える力は、本当に人のこころを救えるのだろうか?苦悩するマルチの中で、リズエルの記憶を持つ千鶴が、人類と人類原種の闘いのすべてを語り始める!

 東鳩王マルマイマー!ネクスト!

  第14話「リズエルの遺産」!

 次回も、ファイナル・フュージョン承認!

 勝利の鍵は、これだ!

 「THライドから浮かび上がる光形態の柏木千鶴」

http://www.kt.rim.or.jp/~arm/