○この創作小説は『ToHeart』(Leaf製品)の世界及びキャラクターを使用しており、決して世界的に有名な某ひげオヤジを世に送った京都の某カルタ屋の携帯ゲーム機の某ゲームの有名キャラ(バレバレ(笑))や関西系メーカーの格闘ゲームのパロディばかりではありませんので要注意。(笑)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
「 What’s マルチュウ?17」
===げきとう!レミィとともこをたおせ!===
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【承前】
久しぶりに、マルチュウ。
浩之たちが智子&レミィと闘っていた街の中は静まり返っていた。
だって、誰もいないんだモン(笑)
……あ、誰か来た。
「――うらぁぁぁぁっっっっ!!遅刻遅刻遅刻ぅぅぅぅぅぅぅ…………ってあれ?千鶴お姉ちゃん、梓お姉ちゃん、楓お姉ちゃんに耕一お兄ちゃん、みんな先に行っているハズなのに、誰もいない…………どうして?」
初音がきょろきょろと辺りを見回す。
「…………そんな…………みんな、どこ?隠れていないで、出ておいでよぉ!」
隠れてまへん。みんな遅刻してまス(笑)。多分、とうぶん来そうもないので、このままポケットエルクゥもとい初音っちの放置プレイを堪能…………あ、ちぃ、誰か来た。
「すみませぇぇぇぇぇぇぇぇぇんんんっ!遅れましたぁぁぁ!!」
やってきたのはマルチだが、何故かマスターマルマイマー(宇宙戦仕様)の格好をしている。
「…………あれ(^_^;マルチちゃん、今日はマルチュウの撮りだよ(汗)」
「ええっ?!マルマイマーの第13話を撮り始めたって聞いていたから…………本当に久しぶりにマルチュウなんですか?昨年末に前回アップした直後、ジャパ○ミ○クスが潰れたついでに連載切ったって聞いていたのに」
「こらこらこら(笑)」
「でも――それは、非常にマズいですぅ」
「?ナニがマズイの?」
「だって、初音さん、東鳩グループのみなさん、インフルエンザで寝込んでいて入院しているんですぅぅ(^_^;」
「え゛っ?!――それは、マズイね(^_^;どーしよう」
「心配無用、天地無用っ!」
「「この声は?!」」
驚く二人が、声が聞こえてきた方を向くと、そこには見知らぬ男が立っていた。
「……誰?………………あ!もしかして、あなた…………こみっくパーティの久品仏大志さん?」
「Yes。発売前からすっかりARMのオモチャにされている薄幸の美少年です」
「「どこが美少年やねん」」
「それはそれとして。初音ちゃん、お姉さんたちからの連絡事項です。『今回は用があるので、全部初音に任せます、あたしたちは耕一さんといっしょにレストランで食事してます』…………ってぎょっ!」
千鶴のメッセージを読んでいた久品仏は、いつの間にか凄まじい殺意の波動を周囲に放っている初音にようやく気づいた。
「おーのーれーあの偽善者めぇぇぇぇぇぇぇぇぇっっつ!」
「は、初音さん、まさかセイカクハンテンダケ、食べていませんよね?(^_^;」
「今の聞けば、喰わんでもキレるわぁぁぁぁぁぁぁっっっ!!――ギヌロッ」
初音は狼狽するマルチをひと睨みする。そして、ふっ、と笑みを浮かべ、
「ちょうど良いわぁ、マルチちゃん」
「?゛」
「…………ちょうど、マルマイマーの格好していることだし」
「びくっ!い、いけません、この装備を悪用するなんてっ!」
「違うわよ」
そう言って初音は頭を振り、隣できょとんとしていた久品仏を指した。
「それで『こみっくパーティ』に乱入するのよっ!」
「それだけは勘弁してくださいよぉ初音ねえさん(^_^;」
「……お姉さん?」
「はい。一応、先輩ですし」
「…………お姉さん、かぁ」
妙に初音、嬉しそう。お兄さん、お姉さん、と言う言葉は、末っ子のツボをつく確実なキーワードでもある。
「判った。それは止めます」
久品仏は、ほっ、と胸をなで下ろした。
「仕方ない。マルチちゃん、マルマイマーの力でお姉ちゃんたちを懲らしめにいこう」
「「だからそれがマズいんだって」」
〜(^_^)〜〜(^_^)〜〜(^_^)〜〜(^_^)〜〜(^_^)〜〜(^_^)〜〜(^_^)〜〜(^_^)〜
「じゃあ、どうするの、これ?」
「とりあえず、無事な私たちで進めるしかないでしょう」
そう言ったのはセリオである。マルチュウにはもうほとんど出番は無いのだが、インフルエンザで撃沈しなかった数少ない東鳩グループの一人である。マルチが連れてきたのだ。
「言っておくけど、あたしが風邪引かなかったのは、けっしてバカだったワケじゃないわよ」
といってきたのは、綾香であった。
「あたしは他の人と鍛え方が違うから」
「でも37度6分あります。大人しくお休みになられていた方が」
「微熱よ微熱っ!いちいち測定しなくていいのよセリオ!」
「結局、東鳩グループはわたしとセリオさん、綾香さんだけしか来られませんでした。痕グループは初音さんを除いてサボタージュ。WAグループはみんな連絡が取れず、頼みの綱の雫グループは全員修学旅行で不在…………今回はやめましようか?」
「でも、いいかげんマルチュウのほうもやらないと。えーと、あのあとの続きは確か…………智子さんとレミィさんを、マルチュウが倒す話になっていたわね」
「どうします?」
「やるしかないでしよう、残っているあたしたちで」
「どーやって(^_^;」
「ふっふっふっ、これよっ!」
そういって綾香が差し出したのは、智子とレミィが被っていた、智子とレミィにそっくりなマスクだった。
「あ(笑)本人たちが被っていたあの無意味な皮マスク(笑)」
「これさえあれば、誰もが智子とレミィに早変わり(爆)」
「本当だ」
そういって久品仏が智子のマスクを被った。顔だけ智子で下は男。なんとも不気味な姿である。
「これを被って、智子さんとレミィさんに誰かがコスプレし、代わりをつとめる、というわけですね。で、だれがこれ被る?」
「えーと、わたしはマルチュウ役だから…………セリオさんと綾香さんと初音さんのうちの誰かですね」
「久品仏は?」
「タダの伝言役だったのですが、事情が事情ですから協力します。自分は浩之先輩役でしょう。男は一人だけですから」
「「となると…………」」
何故かセリオと綾香は初音を観た。
「え?えっ?」
初音は最初、智子のマスクを被り、次にレミィのマスクを被った。
その度に、綾香とセリオ、久品仏の口から溜息がこぼれた。
「…………ねぇ。どうしたの?(^_^;」
「…………うん、ダメダメ。やっぱり、初音ちゃんのスタイルじゃ、あの貧乳保護地域に強く生きるナイスバディコンビ役は務まらない」
がーんっ!ショックを受け、見る見るうちに初音が白くなっていく。やがてすすり泣きはじめて、
「――――嫌いだぁっ!みんな、アタシのこといじめるから嫌いだぁぁぁぁっ!」
そう叫んで、初音はその場から走り去ってしまった。
「あーあ。やっちゃった。これで余っている人、いなくなっちゃいましたね」
「とゆーわけで、あたしがレミィ役。セリオは智子役、とゆうわけで話を進めるコトになったわ。やれやれ」
そう言ってレミィのマスクを被った綾香は肩をすくめて見せた。
「仕方がありませんね。綾香先輩さんも倒れているという設定で行きましょう。ところでどーやって倒すの?」
「えーと…………?!」
そういって綾香はどうやって入手したのか、ARMのネタ帳を読む。ところが突然赤面し、バタン、とネタ帳を閉じてしまった。
「どーしたんですか、綾香さん?」
「いや、その、あの…………」
「――――暴走するレミィに落ち込む浩之がキレて、隙をついて押し倒し、そして手込めにする」
綾香が持っていたハズのネタ帳をいつの間にか持っていた久品仏は、開かれたネタ帳を声を出して読みながら鼻血をダラダラ流している。
「きゃああああああっっっ!!なんであんたそれをもっているのぉっ!」
「仕方がありませんね、綾香先輩。そーゆー設定なら」
「あんたっ!鼻血ダクダク流しながらゆぅなっ!セ、セリオっ!あんた、代わりなさい!」
「あのぅ、非常に言いづらいことなのですが…………」
「なによセリオ!!」
「あと3秒」
「?!」
「2、1――ぴぃぃぃぃっ。活動限界です。内蔵バッテリー終了」
「――バッテリー切れっ?!」
悲鳴を上げる綾香に、セリオは頷いた。いや、単にバッテリーが切れて力が尽き、頭が垂れただけなのかもしれない。
「せりおおおおっっっっっっっっっっっ!!!!!!」
「もう、駄目ですね。あきらめましょう」
「お前がゆうなぁぁぁぁぁぁっっっっっつ!こらぁっ、抱きつくなぁっ、久品仏っつ!」
「さぁ、話はとっくに始まっていますっ!レミィィィィっ!」
「きゃああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!!熱で身体が思うように動いてくれないいいいいいいいっっっっっっ!!いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっつつつ!!――――」
20分後、マルマイマーに出演している20代の柏木初音が、綾香たちがいるであろう街中へやってきた。
「…………これなら文句ないわよねぇ。ふっふっふっ、まさかこれが、とある不定形生命体の宇宙海賊から譲り受けたメイルスーツだなんて思うまいっ!」
そうである。この成長した初音の中に、S学生の姿をした本体の初音が入っていたのだ。一種のパワードスーツであるこれを無断で持ち出し、綾香たちを見返そうとしたのだ。
ところが、現場に戻ってみると、なにか先ほどと雰囲気が違っていた。
「……マルチ。なにがあったの?」
「あ、初音――あれ?成長している?いや、確か成長した初音さんは千鶴さんが二役で演じられていたハズですよね」
「ま、まぁ…………そーゆーコトにしておきましょう。…………なにアレ?」
初音が指したモノは、熱っぽい顔をした綾香が久品仏に抱きついて甘えている光景だった。
「まぁ、オトナの事情とゆうやつで(^_^;」
「そ、そうなの?」
「ダーリン。これ終わったら、おいしい店知っているんだ。いっしょにいきましようねぇ」
「あはははは…………」
綾香はすっかり猫なで声で久品仏に頬ずりしている。綾香は押しに弱いらしいコトは判っていたが、これはそうとう強烈な押しがあったのだろう。初音はメイルスーツの中でコトを想像し、思いっきり赤面した。
「ま、まぁ…………これでなんとかレミィさんの問題が片づいたとして、後は智子さんのほう。えーと」
「いいんじゃない、ちょうど倒れているみたいだし、智子さんも倒されたことにすれば」
「いーんですか、そんないい加減な展開で(^_^;」
「いいんじゃないの、もともとこーゆう話なんだし(笑)」
こうして強敵、BB四天王の「過激なる委員長」と「ピクシィ・レミィ」は倒された。だがそれは、リーフ団を乗っ取った「ダークリーフ団」との前哨戦に過ぎなかったのである…………。
「って、ナレーションまで主役の私がやらなきゃならないなんて(^_^;」
つづくhttp://www.kt.rim.or.jp/~arm/Hatohato.htm