☆これは最近ヒットして連作されている「箱入り○○」シリーズのパチモノです(笑) * * * * * * 藤田家に宅配便が届いた。 異様に、でかい箱だった。 ここしばらく、やっかいな宅配しか来ていないので、浩之は、またか、と嘆息した。 しかし、開けなければならない。今度は誰が犠牲になっているのか。 パカ。 箱の中は新聞紙で詰まっており、その一番上にセリオの首が、乗せられるように入っていた。 「こんな格好で失礼します」 「はあ」 首だけのセリオが慇懃に言う。シュール極まりない。とりあえず浩之もお辞儀した。 「ここで問題です」 「?」 「箱の中身は、いったい何でしょうか?」 「……セリオ以外の何ものでもないだろうが」 「ブッブー」 流石にロボットらしく、このBEEP音は人間には真似できない。 「わたしのパーツは首だけです」 セリオがそう応えたとき、箱の下から、赤い液体のような物が、じわっ、と滲み出てきた。 「いやぁ、ね、お父様の会社の方から美味しいトマトジュースをもらって、すこしあまっちゃったからお裾分けで送ったんだけどね……。どうせならメッセンジャーをと思って、セリオの首だけ入れといたんだけど…………あーあ、どうしよう」 どうしたものかと頭を掻きながら呆れ顔でいる綾香の目は、足許で髪の毛を真っ白にしている浩之と、むこうで鉄パイプを突き立てられ、トマトジュースまみれで鉄クズと化しているセリオの頭部のなれの果てをいったりきたりしていた。 ええ、意味などアリマセン(^_^;