神界枯伝《metastoa lost fable》 投稿者:里茄野のわく
第11話『彼方が、欲しい』

 「前回までの・復習予習」
 亡くなる自分を見たとき、人は何をするのか。
 亡くす思い出を見たとき、人は何を願うのか。
 道を見失った彼女達に、明日を生きる力はあるのか。
 残された人々に、生きる意味はあるのか。
 渦めく見えない気持ちと共に、今、エヴァあシリーズが舞い降りる。
 新世紀エヴァンゲリオン劇場版、デスあんどリバァース、使徒新生。
 残酷は、やさしさのなかに。
 

「お、おねえちゃん……今 なんて……?」
 動揺するルミーをまっすぐに見つめ、それでもミレイアはしっかりとした口調で告げる。
「ミレイアね、ルミーのこと……すき」
「そそ、そりゃぁルミーもおねえちゃんのことスキだよ?」
 引きつった笑顔で言ったその台詞。
 ミレイアの言った「すき」がどういう意味だか、ルミーにも分かっていた。
 でも、
 でも信じたくないという気持ちが、ルミーにそんな台詞を言わせたのだ。
 しかし姉は、恐れを現実のものとする。
「違うの。家族としてじゃなくって――」「イヤ」「ちゃんと聞い――」「嫌ぁっ!」
「わたしはルミーの――」
「やめてぇぇぇぇ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 それを皮切りに 二人の姉は 積極的に妹を求めるようになった。

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 閉め切った部屋の中、ルミーは膝をかかえて床にすわり込む。
 もう何日間そのままだろうか
 喉の奥に張り付く乾燥した空気は、まるで 今の彼女のうわずった心のようだった。
 部屋から出ることは、ほとんどなくなった。
 一日一食も食べていないかもしれない。
 食欲なんていう欲求は……もうどこかに無くしてしまった。
 ミレイアに会うのが怖い。
 カミュに会うのが怖い。
 同じ家に住む……同じ姉妹なのに……
 カミュはいつも通りの優しい口調で、ドアの向こうから声をかけてくれる。

「体壊すわ……ご飯だけは 食べてね……」

 そう言って三食持ってきてくれる。
 全部いつものおねえちゃんなのに、ひとつだけ 違う。
 瞳だけが……違う。
 妹のルミーを見る目じゃ……ない。
 姉なのに 姉じゃない。
 それがルミーを一層不安にさせた。
 いつまでも自分に向けられる 姉達の自分を求める虚ろな瞳を見て、
 怖くなり、部屋に鍵をかけて寝た。
 その瞳はルミーにさえ  姉に抱かれ、肌に触れられるイメージを与えた。
 自分が、
 あんなに信頼してきた家族と そんな関係を結ぶなんて、
 考えたくもなかった。
 そうなってしまった時点で、
 姉妹でなくなってしまう。
 姉達に、優しい目で見つめられながら 愛撫を受ける自分。
 取り留めも無しに襲ってくる虚像、ルミーはその悪夢を振り払うかのように、
 また 強く頭を振った。
 しかし、
 それは まったくの虚像でもなかった。
 現にミレイアは 塞いだ自分を解く勇気を与えてくれるその人を、
 カミュは 離れて気がついた、熱い想いの向けられたその人を、
 求めていた。

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 そんな生活が……何日続いただろうか?
 日に日に 3人のバラバラになった感情は、それぞれに限界まで飽和していた。
 せり上がり続けていた波頭が、
 今、一気に崩れようとしている。
 月のひかり、浮かび上がるベットは生きる意欲を亡くしたかのような
 そんな色に塗り潰されていた。
 ルミーはそのベットの上、まばたきもせずに壁の一点を眺めていた。
 涙は……数日前からすでに出なくなっていた。
 乾ききった心に映るものは……なにもなかった。
 ただ、あたまの中で永遠ループする思考。
 何十万回巡るうちに、その意味さえも理解できなくなっていた。
 ただ、ただ 回る
 本に書かれた一節を
 指でなぞりながら朗読するかのように…………

 ――それは……ルミーの望む現実じゃない。
 ――ルミーの知る、おねえちゃん達じゃない。
 ――現実逃避?
 ――また、あの時を繰り返してしまう。
 ――そう、あのときも そうだった。
 ――「待って」って言えなかったからかな。
 ――「大好きなの」って言えなかったからかな。
 ――だから気づいたときには もうあの人、私のそばに居てくれなかったのかな。
 ――あの人のとなりに居るために、私、なんでもやってきたのに。
 ――あの人の優しさ知ってるの……私だけだと思ってたのに。
 ――でも、さいごにいっぽ、踏み出せなかった。
 ――だから気持ち伝えられないまま……ずっと遠くに行っちゃったのかな。
 ――もう、となりじゃない。
 ――もう、そばじゃない。
 ――私……またくり返すのかな。
 ――またいっぽ踏み出せなくって、
 ――また素直になりきれなくって、
 ――また、
 ――みんな、ルミーの知らない人になっちゃうのかな
 ――みんなみんな、ルミーのそばからいなくなっちゃうのかな

 ――またルミーを、置いて行っちゃうのかな……

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  ・

 おなじ月明かりの夜――
 ミレイアは おともだちと呼ぶ無機質生命に
 いつしかルミーの影を求め、
 甘い息を吐いたカミュは 静かにその瞳を閉じた――
 そして、ルミー、
 
 「行かなきゃ」

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 はい、どうも。のわくです。
 あー。未だにダメダメな文しか書けなくってまぁ、すいませんです(汗)
 最近、前回までのリプレイが全然参考にならなくなってきてますな(笑)

 話は変わって某企画の某ゲームシ○○ープ○○セ○。あ、伏せ字が多いか(笑)
 シス○ープリンセス。人気集め集めしてる今日この頃で元気いっぱい。
 時に このネタの某ゲーム雑誌の某キャラクタにおける某コメント
 >強くあたった方が……気を引くみたいだぞ(はぁと)
 某 一読者のコメント
 「…………いいいいいいもぉぉぉぉとぉぉぉぉぉぉ……ちゃうんかぁあああ!!!!!!」
 俺が内容よく知らないからそう思っただけでしょうか?(笑)
 全くの思い過ごしなら安心なのですが(なにが?)
 ひなこちゃんとか……なんか可哀想だし(だからなにが)
 うん。そうだね。多分違うよね(だからっ!!!)

http://www.grn.mmtr.or.jp/~nowaku/attop.htm