神界枯伝《metastoa lost fable》 投稿者:里茄野のわく
「今までのっ! あらすじぃ!」
 どーも。女の子には優しい藤田です。
 マルチの唯一のご主人様です。 文句ある人は広告審査のジャ○まで。
 大体なんで俺がこんなとこで説明しなきゃなんねえんだよ……。
 あぁ!? ストーリぃ!?
 それなら安心しなって。3姉妹が出てきた以外は なにも変わってねえからよ。
 んじゃ、俺は帰るぜ?


第三話『瞬間、こころ重ねて』


 ゴスッ。
 ルミーはなんとなくヒロユキ・チャンをはめた右手を壁に叩きつけてみた。
「コレ……けっこう硬いのに すっごく軽い……。
 それに……とっても……あったかい……」
 ルミーの瞳がとろんとなる。
「ルミーちゃん……そういう形容は なんかちょっと危険っぽい」
「そうですかぁ?」
「それにルミー? オーパーツにはこころがあるのですから そういう扱いはちょっと……」
「ねえ、旅は? いかないにょ?」
「う〜ん。ルミー いきたくないぃぃ」
「そうね。どうせじっとしててもいつか話が展開するんだし」
「じゃあ、ミレイア もうちょっと寝るぅ〜」
「おいこらまてい!! 少しは新しい武器をつかってみようとかなんとかしないか?
それじゃぁ数字取れないよ?」
「すうじ……ってこの際関係ないにょ」
「ミレイアちゃん……まいなす3……と(ぼそり)」
「えっ? えっ!? ミカエル様っ 今のなにぃ!?」
「……視聴率」

 ちゃきっ
 ごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごご

「あうっ! 回収不可路線な会話に終止符を打つかのようにカミュお姉ちゃんのアオイ・チャンがぁ!!!」
「あっ 光の爪だにょ!」
 アオイ・チャンから おずおずと巨大な四本の鬼の爪が現れた。

 だしゅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ

「あは。ゆうこと聞いてくれてます。アオイ・チャンは素直な方ですのね(にっこり)」
「姉さん その物騒な右手をふりまわさないで(にっこり)」
「ねぇねぇ、ルミーのもそれみせてほし〜にょ」
「ほえ!? わたしもぉ!? ……それじゃぁ……」
「えいっ!!!」
 しーーーーーーーーーん

「やぁっ!!!」
 しーーーーーーーーーん

「とうぅ!!!」
 しーーーーーーーーーん

「――。ぼそぼそ……」
 ごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごぉっ!!!

「うわぁー きれぇ」
 ヒロユキ・チャンから巨大な光の弓が現れた。
「うっ……こいつ、女ったらしだよう……」
 ルミーは本気でヒロユキ・チャンを毛嫌いした。
「なんとまあ急展開。苦労ひとつせずオーパーツを呼び出し(クミタテ)たぞ。
よぅし! さっそく旅にでれるなぁ」

 くるぅり

「ミカエル様は 私達に……」 ごごごごごごごご……!!!
「たびにでろと……」 ごごごごごごごご……!!!!!!
「「いうのですかぁぁぁぁぁぁ?」」 ごぉぉぉおぉぉぉぉっ!!!!!!!!!

 にっこり。

  ・
  ・
  ・

「ただいまにゃぁ」
 ぽかぽか太陽。
 うららかな午後。
 仲良し3姉妹は、無事 自宅へと帰還した。
「ねえ、カミュおねえちゃん……」
「どうしたの? ルミー」
「さっきからこのクソオーパーツが約束守れってうるさいの……」
「約束? ああ あの時ね。 ……なんて言ったの?」

 ぽっ

「いや、ぽっ ってなられても」
 ルミーは赤裸々に走り去っていった。
「とかいってるそばから姉さん、不思議なゲテモノを部屋に連れ込まないでくださいな」
「うみゅ〜。おともだちなのに」

 さっくり

 アオイ・チャンの初仕事。
 ミレイアとアオイ・チャンは心の底から 泣いた。

  ・
  ・
  ・

 一方、ルミーの部屋。
「えっ!? 走り去って終わりじゃないのぉ!?」
 ルミーは下手な振り方をしてしまったことを 心底、後悔した。
 ピンクの可愛らしいシーツのかぶさったベットに寝ころんでヒロユキ・チャンを眺める。
 静かな部屋。
 静かなのは、嫌いだった。
 いろんなこと かんがえちゃうから。
 自分が わかんなくなっちゃうから。
 もしも っておもうの。
 いままで いっしょうけんめい生きてきた、
 3人だけで いっしょうけんめい生きてきた私の明日が、
 もうなかったら って。
 お姉ちゃん達と暮らしてきた わたしの今までの記憶が
 ぜんぶ偽物だったら? って。
 ほんとうは お姉ちゃん達なんか はじめっからいなくて、
 私はひとり、ちいさな箱の中で
 ずっと独り言を呟き続けてるだけだったら? って。
 きょねんの夏、ミレイアお姉ちゃんが かわで大きなお魚を釣ってきたことも、
 このまえ、カミュお姉ちゃんと ピクニックの準備をしたことも、
 むかし、みかえる様が やさしい声で絵本をよんでくれたことも、
 いま、わたしが ココに生きていることも、
 ぜんぶ
 ぜんぶうそだったら?
 もしわたしが

 ――ただのおはなしの中の登場人物だったとしたら?

「…………」
 ころんと寝返る。
 その視線はヒロユキ・チャンの冷たく光るボディーを通り越し、もっと、ずっと遠くを見ていた。
 瞳が、およいでいる。
 ルミーは、
 独り言のように呟いた。
 だれに聞いて欲しいわけでもない。
 むしろ 聞いて欲しくない。
 でも、声に出しておきたい、
 声に出さないと、ずっとずっと こころの中に溜まっていき、
 押し潰されそうな 気がしたから。
「……うちね、パパもママも……いないの」
〈…………〉
「ルミーがね、生まれてすぐ ふたりとも死んじゃったの」
〈…………〉
「さびしい ね」
〈…………〉
「わたし……ね、」
〈…………〉
「さびしいのかな…………わかんないよ……」
 ルミーは見えない何かに耐えきれなくなったように 身をすぼめて肩を震わせた。
 両足を抱え込む。
 これで、めいいっぱいなのに。 ほんとは、もっとちいさくなってしまいたかった。
〈…………〉
 きぃ
「えっ……なに?」
 ルミーは突然のことに驚き、小さな声を上げた。
 きゅきゅっ
 右手の指が……勝手に動いてる……ひ、ヒロユキ・チャン!?
 くいっ
「……お」
 かくん
「……れ」
 きゅっ きぃっ
「……が」
 くくく かくっ ききっ
「……ま…も…る……オレが護る……?」
〈    〉
「…………」
〈    〉
「…………」
〈    〉
「……あ、ありがとねっ ありがと…………」
 ルミーは胸がいっぱいになり、自分の右手でもある そのオーパーツを抱きしめた。
 感情を抑えきれなかったその瞳からは 涙が一筋、こぼれ落ちた。
「ありが……と……」

 びくっ!!
 …………!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

「きゃぁぁぁぁぁっ!!!……もうっ ばかっ 変態っ 女ったらしぃ!!! はなれてぇ!!!!」
 ばきっぱきぱきぱきぱきみしっみしっめきょっ!!
 

 ルミーは、どさくさ紛れに胸を触る クソオーパーツに死をもって制裁を与えることを誓った。
 ちなみに、
 浩之が『約束』に人一倍こだわることは
 彼のもう一つの可能性『最新型メイドロボとの接触・交流・展開・離別・蘇生ストーリー』で別記されている。
(文部省非検定テキスト参照)

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 ありがちっ!(爆)
 この時まではギャグモノ書いてるつもりだったんですが、
 何故か心情を描写してしまい、気づいたらこっから先、フルシリアス(汗)
 なので話は続きますが、ギャグは三話目にしておしまいです(笑)
 次からは番号も『第4話』と漢字表記をやめてます(深き意味無し)

 一番最初に気づいた汚点、
 るみぃ……おめぇは9才だったよ……。設定忘れてたよ……。
 なに手ぇ出してんだよ……ヒロユキ・チャン…………。

 ―苦しい過去日記―
 はっきり言って、適当な出だしの読み切りSSを何を思ったか連載にしてしまい、
 フリで終わるはずだったキャラクターをメインにし、
 だから設定も数行しかない癖に、また気まぐれランダムでオーパーツを割り振ってしまい、
 リーフキャラが闇へと消えそうな状況下、「まずい」と思い
 丸一日因果関係を練り回し、関連づけを行いましたです。
 ですんでこれから先、あまり例のなかったリーフ二次創作SSとなってます。
 「認めん」と思われる方もいらっしゃいますでしょうが、少し おつきあい下さい。
 よろしくお願いしますね(ぺこり)

http://www.grn.mmtr.or.jp/~nowaku/attop.htm