りぃふ大戦略・・・第8話「浩之C−SIDE」 投稿者: ラーキア
AM11:45
此所は図書館である。この図書館はある大学の構内にあり、その大学と同様、来栖川が創設した物である。ちなみに、この大学では創設した連中の趣味に合わせて、魔道研究所や、超能力研究所などがある。又、格闘技等も軍の施設を兼ねるほどのレベルにある。そんな大学の図書館で、1人の女性が何か書き物をしている。
かきかきかきかきかきかきかきかき・・・・・・・・・・・・
「ふぅ―――――――――――――――。」
ことん、とクマのシャーペンを置いた。
「良し、一段落した」
女性は横に置いてあったペットボトルのカフェオレを取り出し、コップに注いで、
それを口に含んだ。
かちゃかちゃかちゃ・・・・・彼女は鞄から手帳を取り出し、中にある写真を取り出した。写真には彼女と彼女の婚約者の男が写っていた。
彼女、神岸あかりは現在20歳である。同じ大学の違う学部に入った彼女の婚約者、藤田浩之は飛び級に飛び級を重ね、20歳で卒業し、現在は来栖川重工の重職に就いている。2人は現在同棲し、彼女が大学を卒業し次第結婚することになっている。
彼女の婚約者は彼女に優しい。多少意地悪な所も有るが、それを彼女は「子供っぽい」と言って長所と見ている。
でも・・
でも3年前、あの事件があってから、彼は変わっていった。
表面上は一切変わらない。相変わらず飄々としていたが、黙々と勉強を始め、あっという間に保科智子を抜き、大学を2年で卒業した。
同時に、格闘技にも力を入れ始め、現在では来栖川綾香と五分か、それ以上に渡り合えるまでになった。
彼女はそんな彼を少しでも支えようと彼と同棲することにしたのだった。
「さてと・・・」
今日の晩御飯は何にしようか、と考えていると、視界に1人の女性が映った。
綺麗な女性だ、と彼女は思った。
だが同時に奇妙な違和感を覚えた。図書館で何もせず、ベンチでずっと座っているのだ。本を読むでもなく、寝ているでもなく。
と、その女性が忽然と消えていた。
「あれ?あのひとは?」
女性は消えていた。荷物を1つ残して。
「あれ?この荷物・・・・」
あかりはその荷物をとった。「KURUSUGAWA」と描かれた紙袋だ。結構重たい。あたりを見回しても女性はいない。
仕方ないのでカウンターまで持っていき、
「そこにいた女性の忘れ物です」
と言って預けた。
そして、自分の荷物の所に戻り、帰る用意をして、此所から出ようとしたとき、

彼女の視界が光に包まれた・・・・・




その場所から1キロ程離れた場所、女性は遠く離れた場所の惨劇をうっとりと
観ていた。
1キロ離れていても見える爆炎、爆弾は無事(?)爆発したようだ。
「くすくすくすくす・・・・・」
彼女、月島瑠璃子はフリフリの服を着て、愛車V−MAX(北米使用)にまたがり、その場から離れていった。
この後、彼女は帰る途中改造車に乗ったヤンキー初音と壮絶なバトルを繰り広げる事になる・・・・・。







AM12:05
「長瀬さん」
俺は目の前にいる男を呼びとめた。
長瀬源五郎、来栖川重工1課の主任である。今朝、以前より進めていた計画の報告が1課の彼の所に来た、と俺の秘書から報告が有ったので、1課の有るここまではるばるやって来た、と言う訳だ。
「やあ、藤田君」
「おはようございます」
「もうそんな時間ではないと思うのだが・・・・・」
「要は気ですよ、気」
「そんなもんかねぇ・・・」
そう言って、彼は目の前に有った書類に目を通し始めた。
「ところで、長瀬さん、例の件は・・・・」
「ああ、あれか、全て滞りなく終わった。1体の漏れも無い」
「そうですか・・・・」
その計画とは、既に片落ちになっているHM−12「マルチ」
とHM−13「セリオ」をそれぞれ後継機であるHM−20[リエッタ」、
HM−21[ルシーア」と交換する、という計画である。
この計画は反対も多かったが、反対する連中は俺が叩き潰してやった。


・・・・・マルチを他の誰にも渡すものか・・・・・・・・・・・


・・・・・・君
・・・・・・・・田君
「藤田君!」
「はっ!」
どうやらボーッとしていた様だ。
「大丈夫かね、少し疲れているのではないのかね」
「大丈夫です」
「そうか。その・・・・夜の方を頑張るのもいいが、体を、もっと大事にしたほうが良いのでは」
何やら勘違いしている様だ。
その時、俺の秘書、来栖川芹香さんがやって来た。何故か息が荒い。心なしか
顔が青褪めている。ここ(地上150メートル)まで急いで来たのだろうか?
彼女は俺の所にとととととととっっ、と走ってきて、
「・・・・・・・・!」
なに、何て言ったんだい?
「・・・・・・・・・・!!」
・・・・なになに、大学の図書館が爆破されたって?(コクコク)ふ――んそうなんだ。(コクコク)・・・・・・え?・・・図書館?(コクコク)・・・・・・・時間は?・・・・5分前?(コクコク)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「あっ、あかりは!あかりはどうしたんだ!?」
「・・・・・・・・・」
えっ、行方不明?でも入館の記録はあるって!?
そ、そんな・・・・
「・・・・・・・・」
えっ!今すぐいきましょうって?
「ああ、行こう。で、どうやって?」
「・・・・・・・・・」
その時、彼女の合図によって隣の窓に戦闘ヘリが現れ、機銃で強引に穴を空け、
3人を載せ出発した。



D−SIDEへ続く

こんにちは、ラーキアです。う―――ん、伸び伸びになっています。今回で序章完
としたかったのですが、もう1話描きます。
果たして、あかりの生死は?初音と瑠璃子のバイクバトルの決着は?
次回「死、永遠の病」にファイヤー!