りぃふ大戦略・・・第3話「柳川B−SIDE」 投稿者: ラーキア
男はずっと息を凝らしていた。男の右手には大型拳銃が、左手にはロープがしっかりと掴まれている。ロープは天井にある何かの装置に繋がっている。
男は考えていた。

あいつら・・・・俺の家族を殺した奴等・・・3ヶ月前、俺達の一族はこの地を支配していた。我が一族支配が必ずしも正しいとは限らない、が奴等はたった3人、3人で俺達の未来を壊していった。あれから3ヶ月、ようやく奴等に対抗できる程の力を蓄え、これから、という時にまた奴等が攻めてきた。完全な奇襲だった。こちらの武器では奴等に傷一つつけることは出来なかった。瞬く間に蹴散らされ、残ったものは殆どが投降した。混乱の中、何とか集めた情報によると、指揮官は例の3人の叔父だそうだった。俺はやつを待ち伏せし、せめて、奴だけでも殺す為にいるのだ。
男は右手の大型拳銃を見た。マガジンに弾丸は10発、銃にも弾丸にもカスタマイズしてあり、至近距離ならば、戦車の前面装甲をも貫通する代物だ。例え相手がどのような化け物であったとしても・・・・・とその時、
カツーーーン、カツーーーン、カツーーン、カツーーン・・・・・
来た!奴だ!
カツーーン、カツーン、カツーン・・・・
後50メートル、40、30、20、10・・・・・
カツ、カツ、カツ、カツ、カツ・・・・・・・・・・・今だ!
男は右手のロープをぐい、と引っ張った。刹那、男の後方から奴の方向に向かって強い風が吹いた。そして、天井から水素と酸素の混合気が奴に降りかかる。その直後、すざましい音と共に、大爆発が起きた。一瞬の爆発の後、男は炎の前に駆けていき、炎の中にある影に向かい拳銃を乱射した。
バスっ、バスっ、バスっ、バスっ、バスっ、バスバスバスバスバスっ・・・
(はあはあはあはあ・・・・・くくくっ、くくくくくっ、あははははははははっ、やったぞ、ついに、あの化け物の仲間を。ははははははははっ・・・・)
その直後、男の頭は炎の中から伸びてきた1本の巨大な手によって一瞬にして西瓜の様に押し潰れた。そして、男の頭だった物を掴んだ手は徐々に普通の大きさに戻り、そして、炎の中から、その手の持ち主が現れた。柳川であった。
「まったく、この服、折角貴之に選んでもらったのに・・」
そういう彼は殆ど全裸であった。
「こんな物で俺を殺せるとでも思ったのか?おめでたい奴だ」
そういった彼の手には、右、左、合わせて10発の弾丸があった。そして、男の着ていた服を剥ぎ、そして、自らそれを羽織った。
「ふん・・・趣味は悪くなかったようだな」
そう言って彼は歩いていった。外での戦闘もそろそろ終わっている頃だろう。




「たっだっいっまぁー!たかゆきぃー!」
俺は叫びながら離れの戸を開けた。しかしいつもの様に「おかえりなさい、柳川さん」という返事が無かった。不思議に思い、台所に行くと、そこには、1人の男が倒れていた。
「おい!しっかりしろ!」
俺は急いで薬箱を探し、中からラベルに「えるくぅの発作用の、お・く・す・り」と描かれて調合者名の所に、「柏木千鶴」と血文字で書かれている薬を見つけた。その薬は血のような色をしている液体で、瓶の中には「べヘ〇ット」が沈んでいた。俺はそれをコップで水に割り、飲ませようとしたが、咽ていて飲まない、そこで俺は、自分の口に薬を含み、その口を貴之の口にやんわりと押し付けた。貴之の方に流れていく薬、それに比例して、彼の発作の収まっていった・・・・・・・・(ちなみに薬は甘かった)。
薬物による中毒症状の為、殆ど廃人だった貴之、彼を治すにあたって「ヨーク」が出した答え・・・それは貴之にエルクゥの血を分け与え、彼をエルクゥの回復能力でもって治す、というものであった。当然俺は反対したが、もう1度貴之の笑顔が戻るかもしれない、という千鶴の言葉に動かされ(騙され)、結局は俺の血を彼に分け与え、その結果、彼は直ったかに見えたのだが・・・次郎衛門程精神力の強くなかったであろうか、貴之は「鬼の力」を押え込むのに薬を必要とするようになった。皮肉なものだ。
俺の目の前で貴之が眠っている。・・・とそこに耕一がやって来た。
「柳川、ちょっといいか?」
「なんだ、ここで言え」
「分かった・・・奴等が攻めてきた。」
「なに!ついに来たか・・・」
「ああ・・・」
その時、この事態の深刻さを知らなかったのは貴之と「セイカクハンタイダケ」を使用中の初音ちゃんだけであった・・・・
「うるぁぁぁぁ!!どこに行ったぁ耕一ぃぃぃぃ!!」





いかがでしょうか、今回は少し「しりあす」に書いたつもりなのですが・・・・
うーん何かが無い、と思っていたら、「女の子がでてこないじゃないか!」・・・気がつきませんでした(笑)どうしよう?
次回は誰にしようか迷っています。だから、次回予告はできないのですぅ。
それではおやすみなさい