矢島悲劇・周りは喜劇 投稿者:吉兼 言 投稿日:4月2日(日)11時35分
 さて、皆様は知っているだろうか。To Heart世界でもっとも「悲惨」
 な目にあっている男の事を、神岸あかり嬢にラブコールするも、無惨にもラブ
 コールの手伝いを依頼した「高校生ジゴロ」に取られ、いろいろなSS作家た
 ちに虐められ続けた男の事を。この話はその「彼」をさらなる「奈落の底」に
 堕ちることになる話である。

 「えっ、皆様知ってる。まぁお約束って事で改めて続きを」

 そう、その男の名は・・・・・・・・・・・・。

 「矢島」

 名前は、まだ無い。

             「矢島悲劇・周りには喜劇」

 ここは、○宿某所にある某書店二号店。本編の主人公「矢島」は4月23日に行わ
 れる「こみっくパーティー」のカタログを買いに来ていた。
 「あかりさんが、俺に頼み事をしてくれた。これをきっかけにあかりさんをあの
  クソバカなろくでなしから取り戻してやる」
 この男元来自分の都合のいいように物事を考える癖があった。まぁ「妄想癖」とも
 言うが、真実はあまりにも可哀想すぎるので今の時点では言わないでおく。
 「そうだ、あかりさんに頼まれていた本だしきっといい本だろう、俺も買っとこ」
 矢島はその時、現状の悲惨な境遇をさらに悲惨な方向に向くであろう運命の本を
 手にしレジに向かった。
 「これお願いします」
 「はい、2冊で1960円です」
 店員はいい顔も悪い顔もせずに、こみパのカタログを紙袋に納めている所に矢島が
 こう言った。
 「すいません、それに手提げ袋をお願いします」
 「わかりました、しばらくお待ち下さい」
 そう言って店員は、カタログの入った紙袋をビニールの手提げ袋に納めた後、矢島は
 カタログ代を支払い店から出た。
 「さぁって、用も済んだし。どうするかな」
 と矢島は腕時計を見た。時間はまだ3時15分を過ぎたところだった。
 「あかりさんとの待ち合わせの時間まであと1時間半もあるし、待ち合わせの時間は
  5時だから・・・・」
 ギュリュリュリュリュリュリュリュリュリュリュリュ
 と突然変な音が矢島の腹部から聞こえた。
 「あ、そういやまだ飯喰って無かったっけ。じゃあどっかの喫茶店で喰ってから帰り
  ますか」
 と言って矢島は、近くの喫茶店シャ○アールに飯を食いに向かった。

 運命の時まであとわずか・・・・・・・・・・・・・。

 場所は変わりまして、某映画館の横にある○ャノアール系列の喫茶店。ちょうどウェ
 イターのお姉さんが注文を受けに来た。
 「お客様、ご注文はお決まりでしょうか」
 「じゃぁお姉さん、ツナサンドとアイスコーヒーね」
 「はい、かしこまりました」
 と店のウェイトレスさんが厨房に向かった後、矢島は禁煙席で頼んだ物を待っていると
 ふと思い出したかのように、カタログの入った紙袋に手をやった。
 「なんか忙しそうだし、俺の料理が来るまでまだ時間がかかりそうだな」
 そうちょうどそのとき、隣の某映画館で映画の上映が終わった後だった為、お茶をする
 為の客が多かったのだ。
 「暇つぶしに、あの本でも読んでるか」
 と、矢島は自分用に買っておいたカタログのビニール袋を破き、おもむろに本を読み
 始めた。
 「なんだよこれ、単なるオ○クの集まりの本じゃねーかよ、なんであかりさんがこんな
  本を欲しがったんだ」
 この男、自称「さわやか」スポーツマンと言っとる男だから、オ○クと言う人種を毛嫌
 いする傾向も持っていた、しかしそれが彼の心理状態にさらなる打激を被ることになろ
 うとは・・・・・・。
 そう言っても矢島はページをペラペラとめくりながら、スタッフルームのページに差し
 掛かった。
 「なんだよ、この辞典。内輪ネタしか書いて無いじゃねーかよ、次々」
 「なんだ、このデ・○・ことか言う変なキャラクター商品のパクリのような着せ替え
  セットは」と半分あきれて、次のページをめくった。
 「なんだ、こいつら」
 そこには、あのオ○ク縦とオ○ク横のプロフィールが載っていた。矢島はそのページを
 よく見ると、ある所に目が行きそこで目が止まった。

       「ジュウオウジツルヒコ」「オウゾウインヘタマロ」

 それを見た矢島はガタガタと振るえ、言葉も棒読みになり、彼の時間はザ・ワールド状態
 になっていた。

 数秒後。

 「なんなんだよ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」

 どんがらっしゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん
 そう矢島は、喫茶店の客を大いに驚かす怒声と、テーブルをちゃぶ台返しをしていた。
 「なんで、俺には名前が無くてあのオ○ク縦や横にフルネームが付いているんだよ〜
  〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
 と半狂乱になって暴れている矢島をよそに、喫茶店にむさい男二人が入ってきた。
 「つかれたでござるよ」
 「はやくお茶でも飲んで、獅子の穴やベッセザンオーで買った同人誌を読むん
  だなぁ」
 はい。ご存じオ○ク縦&横こと「縦王子鶴彦」と「横蔵院蔕麿」両名である。
 「なんでござるかな、あそこで騒いでるヤングメンは」
 「しらないんだなぁ」
 「全く、迷惑でござるよ」
 「そうなんだなぁ」
 喫茶店を半壊させる勢いで暴れている矢島。そして彼は・・・・・。

 「うらぁぁぁぁぁ、なんでなんだよ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」

 その後、矢島は喫茶店に甚大な被害を与え警察のご厄介になったことは言うまで
 もない。


 同日、浩之宅近くの公園にて

 「おい、あかりなんで矢島にこみパのカタログをわざわざ買いに行かせたんだ。
  和樹さん経由で、もう貰らったのに」
 「浩之ちゃん、それはね・・・・・・・・」
 あかりの機嫌が良さような笑みが浮かんだ。

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 初めまして、私、吉兼 言と申します。一発目から「矢島イジメ」ネタですが
 これに呆れないで以後よろしくお願いします。

 このネタは、こみパのカタログのオタク縦と横のフルネームが載っていた事から
 このネタが浮かびまして。自分がLeaf男キャラに勝手にある法則があると考えそ
 の法則に乗っ取って書いてみました。それは

 「Leaf主人公S+長瀬&九品仏以外の男性キャラでフルネームじゃ無いキャラが
  冷遇される」

 と言う法則に乗っ取って。まだ「名前」の無い矢島があのオ○ク縦&横に「フルネ
 ーム」が付いた事による悲劇(周りには喜劇)を書いてみようと思いまして初めてエ
 ディターを使ってSSを書いてみました。

 初めて+国語の成績が悪かった方なので、文法が滅茶苦茶だと思うんですが。呆れ
 ずに見て貰えると嬉しいです。


             2000/04/02 中野坂上の職場にて 吉兼 言