きんきゅーかいぎっ☆ 投稿者: 八塚崇乃
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               紫炎さんに捧げます。

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 それは晴れた日、そこは東鳩町……。
 そしてその悲劇は東鳩高校第7実習室(ネット教室)で起こった……。
「あ……ああああ…………」
 その日、即興小説コーナーで某SS作家のSSを読んでいた雅史は、某ホームページで
回収した瑠璃子さんのイラストをも間違えてデリートしまうほど狼狽しながら……ただ一
点を見ていた。
「うう……ああ……あぁあああぁぁあ、うそだぁああぁあ!!!!!!」
 悲劇の再来である……。


              『きんきゅーかいぎっ☆』


「うああぁぁぁぁああぁぁあああぁぁぁあぁああ!!!!!!」
「だっ、誰か雅史を押さえるんだっ!!」
「落ち着くんや佐藤君! あんたはこんなとこで終わるような男と違うやろっ!!」
 一時間後、実習室で倒れているのを浩之に発見された雅史は、正気を失い狂人と化して
いた。
「うあぁあああぁぁぁああぁ…………」
――ガシャンッ!!
「ふう……佐藤くんは奥の部屋に閉じ込めておいたわ」
「ありがとう委員長……」
「ねえヒロ、どういうことなの?」
 すでに会議のメンバーは何人かを除いて――あかり、葵、琴音、マルチの4人は今回欠
席している――揃っていたが、みんな一様にして困惑していた。
 あの浩之のブレーンとして会議をサポートしていた雅史があの有り様では無理もない。
「志保、俺は……もうどうしたらいいか判らない、世の中が見えないんだよ!!」
「世の中が見えない……なに言ってんのや藤田くんっ!」
「あのスタ●オ・ジ●リの脱税(嘘)やバ●プ●ストの社長逮捕(嘘)よりも重要だって
いうのヒロ?」
「そんなの『小さな』ことなんだよ。これはもっと重要なことだ……たとえジブ●が潰れ
たら『おじゃまん●山田く●』はどうなるってことより大変なことなんだよぉぉぉっ!」
「そんなに……!?」
 浩之はつっこむ人間がいないのをいいことに、核弾頭発言(大嘘)を連発している。
「それで今度はなんナノ、ヒロユキ?」
 そうそれが問題だった……。
「「「「「………………」」」」」
 全員の視線が浩之に注目する。
 しかし浩之は、
「………………」
 沈黙している。その言葉を口にしたくないためか、その言葉を口にすることでソレを事
実として認めたくないためか……おそらく両方だろう。
「………………」
「藤田くん……」
「ヒロユキッ!」
「藤田くんっ!!」
「ヒロッ!!!!」
「…………判った、話そう……」
 ようやく浩之の重い口が開いた…………。
「みんな、聞く前に遺書書いとけ……死んでもしらねーぞ」

  ……10分後。

 全員の目の前に置かれた6人分――浩之、志保、委員長、レミィ、先輩、理緒――の遺
書。浩之は右から順に自分のも含め、確認する。そして咳払い。
――コホンッ
「これを言う前に一言。もしかしたらこれを言った俺本人も狂うかもしんねー」
――ごきゅっ
 誰かが生唾を飲み込む。
「よーしいいな、じゃあ言うぞ……」
「「「ゴクッ」」」
 ………………………………。
 静けさが広がる……そして………………。

「八塚崇乃がメールアドレス持ってんだよぉぉぉおおおおぉぉおお!!!」

「「「「なにぃぃぃいいいいいいいいいい!!!!!!!!!!!!」」」」
――ドサッ
 先輩は倒れてしまった。小刻みに震えながら口からアワを吐いて白目をむいている……。
「い……いやぁああぁぁあぁあ!」
 理緒ちゃんの触覚がショックで抜け、
「IAAAAAAAAAH!!!!!!」
 レミィは暴走し、
「わったしっは志保ちゃ〜ん、ガキだっいしょ〜〜〜!!」
 志保は錯乱し、
「か,関東は魔都ばっかや……もう神戸帰りたい……」
 委員長は現実逃避し、そして問題発言を発した浩之本人は、
「お、俺は通行人じゃねえ……男子生徒Aじゃねえ……」
 過去へと退行している。
 …………………………。
 ………………。
 ……。
 …。


  ≪終われ≫


                                98/12/06
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≪アトガキ≫
 八塚「な、なんとなくで書いてしまったSSです。紫炎さん気にしないでくださいねっ♪」
 刹那「なんとなくって……八塚、紫炎さんのトコにくだらねえメール送っといてそれはないだろ。
    『EメールをネタにしてSSを1本書くからばらさないでください』とも書いてたし……」
 八塚「………………えへっ☆」
 刹那「『えへっ☆』じゃねえっ!!」(ゴスゥッ!!)
 八塚「ギャッ!」(バタン、キュウ)
 刹那「ったく……」
 姫崎「(深々・謝)」