魔術士ヒロユキ・失敗編(1?) 投稿者: 八塚崇乃

  はじめに断わっておきますが、これは某富士見ファンタジア文庫の
 『魔●士オー●ェ●・●謀編』のぱくりであり、著作権の問題などは
 全くクリアしておりません。読む時は細心の注意(特に背後)を払って
 お読みください(笑)。


  第1回(であり最終回かも)「無茶は色々ヤルもんだ」

「おはよう」
 といいつつも、なにがはやいのだかよくわからなかったが――窓から
入り込んでくる陽の光からすればもう昼近いようにも思える。彼はぼん
やりと、やぶにらみの眼差しをしょぼしょぼと寝ぼけさせていた。寝起
きはいつもそうだが、頭痛すら感じるほどつらい。
 そう、今日から始まる茶番を考えると、本当に頭痛すら感じるのだ。
「……おはよう」
 台本通りにあいさつが返ってくる。彼が寝ているベッドのかたわらに
椅子を引き、足を組んで腰掛けている女からである。自分と同年代の、
茶髪の女。スーツを着ていて、何かを観察するようにこちらをじっと見
ている。彼女は続けて口を開いた。
「いつも昼まで寝てるわけ?  ミスター・ヒロ」
 はぁ、とため息を吐いて、彼――ヒロと呼ばれた17歳ほどの男は、
さほど上等ではないが清潔なシーツをはねのけた。ベッドの頭にかけて
あった黒いシャツをもさもさと着込みながら、ふと気づいたように――
いや、最初から気づいていたのだが――
「なんでお前なんだよ」
 女は、顔を引きつらせた。懐に細い手を入れなにかを取り出し答える。
「王立治安警察隊所属、派遣警察官のシホ・ナガオカよっ!!  私じゃ悪
いって訳?  ヒロのくせに生意気よっ!!」
「うるせぇっ!  なんでわざわざ起き抜けに志保っ、お前の顔見なきゃ
なんねーんだ!  いや、それ以前に配役にも問題があるだろうがっ!!」
「ちょっとちょっと、なんであたしがコ●ス●ンスやっちゃいけないわ
けよ。セツメーしなさいよ」
「ああしてやるよ。無能なお前が●ン●タ●スやるのは問題ねーけどな、
お前が警察をやるのが問題なんだよ!!」
「いーじゃないの。モグリの金貸しで、しかも公共物破損、殺人未遂を
何回もやってるオ●●ェンの役を演じてるヒロを合法的に逮捕できるん
だから」
 その言葉を聞いた瞬間、にんまりと笑いながらヒロ――藤田浩之は言
う。
「台本、よく読んでんじゃねえか」
「当たり前でしょ。志保ちゃんの情報量を甘く見ないでよね」
「けどな」
「な、なによ?」
 突然低く大きい声を出した浩之に、ちょっとだけビビりながら志保と
名乗った彼女――長岡志保は聞く。
「そのモグリの金貸しは合法的に無能警官を叩きのめすことができる役
だって事、知らないわけじゃないだろう?」
 再び顔を引きつらせる志保。それもおもいっきり。彼女は青い顔で、
「ヒ、ヒロ……、あんた、犯罪者の役のくせにお上に手ぇ出すって訳?」
「日頃の恨みもかねて、な」
 今にも飛びかかってきそうな彼を志保はきぃっと睨み、そして叫んだ。
「あんたがその気ならねぇ、あかりにあんたが○○○○や××××や、
さらには△△○○○×××してた事、ばらすわよっ!!」
 ビィクゥッ!!  という音が本当に出たと思うほどの震えを出し、そし
て硬直する浩之。
 そのまま数十秒……
 優越感の笑みをもらす志保に対し、硬直したままの浩之は一言、言葉
を絞り出した。
「てめぇ、喧嘩売ってんのか?」


  一時間後……

「……で、なんでオレ達こんな事やってるんだっけっか」
 なぜかベッドの側においてあった冷蔵庫、その中に入っていた氷で頭
に盛り上がっているタンコブを冷やしながら浩之が誰とも無しにつぶや
く。
「あんた、忘れたわけ?」
 他人を小馬鹿にしているような口振りでいう志保。ただし両鼻に丸め
たちり紙を突っ込んでいるので彼女自身が馬鹿みたいに見えるのだが。
「わすれちゃいねえよ。『作者』の気まぐれで、『ToHeart』お
よび『雫』、『痕』のキャラで某文庫の『●術●●ーフ●ン』の名場面
(?)をやることになったんだからな」
 不機嫌な目で志保を睨む浩之。
「なによ」
 睨み返す志保。
 お互いガンをたれあいながら十数秒。そして――
「「はぁーーーーーー」」
 二人同時にため息を吐いた。
「ま、作者の気が済むまでやらせてあげればいいじゃない。おもしろそ
うだし」
「いやだ」
 即答する浩之。
「えーーー!?  なんでよぉーーーーーー!!」
 叫ぶ志保を尻目に、彼は部屋の出入り口のドアノブに手を掛ける。
「面倒なんだよっ!  『作者』の気まぐれにつきあうのはよっ!  じゃ
あなっ!!」
 と言いながらドアを開け、そしてそのまま彼は全速力で逃げ出した。
「あーーーーーーっ!!  ちょっと待ちなさいよーーーーーーっ!!」
 急いで追いかける志保。
 部屋には誰もいなくなり、開いていたドアがガチャンと音を立てて閉
まる。

     ToBeContinued.(つづくのかぁ?)    98/07/23
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≪アトガキ≫
 最初に書いておきます。
 SS作家のRuneさんという方とネタがダブったことは全くの偶然です。
 上の文章を書き終わってから1日後、某リーフ図書館を覗いた時に初めて知りました。
 一瞬、自作のSSを消そうかと考えもしましたが、
  何の解決にもならないだろうし、このSSを消すのももったいないと考え、投稿してみました。
 Runeさん。ネタがダブったことは本当に偶然なのですが、礼儀として一言だけ言わしてもらいます。
 すみませんでした(ペコリ)。

 はじめまして。『●ーフェン』狂いで、SS初投稿の八塚崇乃(やつか たかの)です。
 今回の『魔術士ヒロユキ・失敗編 「無茶は色々ヤルもんだ」』、いかがだったでしょうか? 
 なんか中途半端に終わったと言う声が怨嗟のように聞こえますが、ごめんなさい。
 書きようがないんです。
 それに文中でも書いているように、名場面(?)のみに限定して書いています。
 けど、これって『オ●フ●ン』知らないとネタがわかんないんだよなぁ……。

 と、言うことで次回予告です。(いや、書くかどうかはわかりませんが……)
 第1回ではオーフ●●とコン●●ン●の出会いを書きましたが、
  第2回はマ●ク、●ルカン、ドー●ン、バ●●ップを何らかの形で書こうと思います。
   配役は……
    マジ●:佐藤雅史
    ボル●ン:セバスチャン長瀬
    ●ーチン:長瀬開発主任
    ●グアッ●:フランク長瀬
          ・
          ・
          ・
 あぁっ、石を投げないでっ!!
 本気でギャグにするつもりだったからこの配役なんです。
 彼らのファンの人たち、ゴメン!!
 えっと、本当に第2回書くかはわかりませんが、
  誰かにヤメロと言われるまでは書き続けようと思います。
 長くなりましたが、今回はこの辺で……
 インターネット初めてなので、乱文ゴメンの八塚崇乃でした。