Psychic Leaf 投稿者: 山岡
これはアーケードとPSの格闘ゲーム、サイ○ックフォースのパロディ物です。

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超能力者。
突如として出現した「新たなる人類」も軍にとっては一種の「新なる兵器に過ぎなかった。
繰り返されるサイキッカー狩り、そして非人道的な人体実験。
そんな地獄の中、一人のサイキッカーが立ち上がった。
サイキッカー「神岸あかり」はその強大な「氷使い」としてのチカラとカリスマ性によりサイキッカーによる集団を作り上げた。
秘密結社「クマ」。
だが、「サイキッカーの救済」だったはずの組織の目的は国家との対立が激しくなるにつれ、大きく形を変えていく。
・・・「世界征服」へと。

そして今まさにそんな「クマ」から三人の若者が離別しようとしていた。

「クマ」総帥、神岸あかりの幼なじみ、「炎使い」藤田浩之。

生き別れの姉を捜し続ける、「風使い」来栖川綾香。

己の強大過ぎるチカラに恐怖する「光使い」姫川琴音。




          そして壊れた運命の歯車は動き始めた




「クマ」本部から外へと繋がる扉の前には、あかりが待っていた。
「浩之ちゃん・・・この扉越えちゃったら、もう戻れないよ・・・」
「ああ・・・わかってる」
だが、あかりはふるふると首を横に振る。
「わかってない、わかってないよ浩之ちゃん・・・」
そこで初めて浩之は気付く。心を氷で閉ざしたはずのあかりの目に涙が浮かんでいることに。
「あかり・・・」
「行かないで・・・」
浩之は無言で扉へと歩む。
「行かないでよぉ・・・」
そして。
「行かないでぇぇぇぇぇっ・・・・・・!!」

二人はそれぞれの二度とは戻れぬ道を歩き始めた。




          愛する者との決別




「あんたたちの力は人を不幸にするんや!」
退魔師、智子の言葉が琴音の心に深く突き刺さる。
「・・・こんな・・・こんな力があるから・・・」
無意識のうちに他人を傷つける、己のチカラ。
愛する者すら傷つける力は邪悪以外の何者でもない。
「違うぜ琴音ちゃん!!」
浩之の声に琴音は俯いた顔をあげる。
「何が『違う』言うんや!!」




          問われる存在意義




大好きだった長瀬開発主任を殺したサイキッカー達への復讐の為、マルチは自分の体を戦闘用に改造することを願い、軍へと配属された。
代償としてその戦闘ロボットには不必要な「メイドロボの記憶」を失って。
だが、不完全に消去された記憶が時として激しい頭痛に形を変え、マルチを責める。
そして軍は決定を下した。
十分なデータの採集を終えたHM−12の廃棄。

マルチに与えられた最後の仕事、それは「クマから離別した三人の危険分子の抹殺」であった。
そう、「自爆」による。




          悲しみが悲しみを呼ぶ




高層ビルの一室から、外を見下ろす雅史。
「世界は僕の物・・・」
張り付いたような笑顔から低く漏れる笑い声は、次第に自虐的なそれへと変わっていく。
「でも本当に欲しいものはもう手に入らないんだ・・・」
藤田浩之の死亡が告げられたのはつい先日の事。
軍部の戦闘用ロボットの爆発により噴火した火山の噴火に巻き込まれ、溶岩の中へと消えていったそうだ。
「だから、せめて世界でも手に入れなきゃ・・・ね・・・」




          超能力は悲劇しか生み出さないのか



 
「コトネェェェェェェェェェェェッ!!!」
狂気の叫びに誘われるかのように出現する無数の重力波が琴音を襲う。
「やめてレミィさん!あなたはそんな人じゃない!!」
重力波に耐えながら、かつ吹き出しそうになるチカラを抑えながら、琴音は呼びかける。
いつでも優しく微笑んでくれた、あの頃のレミィを思いながら。
だがもうレミィにその言葉は届かない。
今ここにいるのは一匹の血に飢えた獣。
・・・だからといって。
「貴女を傷つけるなんて出来ない!!」




          かつての友で殺し合い




奇妙な感覚。
見覚えのない眼前の人型ロボットが何故か懐かしい・・・
そうまるで・・・
「・・・・・・・・・!」
消え入るような、ロボットの声で気を散らしていた自分に気付く。
「『負けるわけにはいかない』ですって・・・!?上等じゃないの!」
風が吹き荒ぶ。
「こっちだって・・・」
姉さんを見つけだすまで。
もういないあいつとの約束の為にも。
「『負けるわけにはいかない』のよっ!!!」

だが綾香は知らない。
目の前のロボット、セリオが姉が製作に協力した人造サイキッカーであること。
そして、開発中の事故によって精神が記憶を失った姉の物になってしまったことを。





          肉親すらも殺し合う




「帰って・・・きちまったぜ・・・」
「帰って・・・ほしくなかった・・・」
どこかであかりはわかっていた。
浩之は必ず生きていることを。
そして、自分の前に立つという事を。


見つめ合う二人。
永遠に等しき数秒。


「浩之ちゃんはいつもそう・・・私とは違う道を行っちゃう・・・」
だから惹かれ合ったのかもしれない。
「・・・お互い目指す場所は同じなのにな・・・」
「その道がよくぶつかったりもしたよね・・・」
「ああ、その度におまえがオレに道を譲った・・・いや、譲ってくれた・・・」


だけど、今回は。今回だけは。
道を行くため失ったものが、どちらも多すぎて。
だから・・・だから。


「譲れないよ・・・・!今回だけはっ!」


「譲れねえんだ!!今回もっ!!!」





          そして、  全てが、  終わる











でも、浩之ちゃんは、たしかに言ったんだ。

「壊れた運命の輪なんてオレが焼き尽くしてやるさ」って・・・。





          だから、  私は、  信じ続ける



          Psychic Leaf

Coming soon!

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どうも、『熱血専用』読みながらこれ書いた山岡です。
今回新しい方面に挑戦してみたんですけど、どうでしょう?
できたら、感想下さい。

・・・あと前作の感想くださった方ありがとうございました。
意味がわからなかった方、タイトルがヒントです。

それではまた・・・