何故か、うちのマルチがアイドルにはまった。
森川由綺とかいうアイドルが気に入ったのがきっかけだそうだ。
それで今日も一緒に歌番組を見ていたんだが・・・

「今日は凄い新人アイドルさんがこれに出るんですよ」
マルチが熱っぽく語る。
「あの森川由綺さんをもこえる、とまで言われてるんですよ」
「そりゃホントか！？」
マルチの影響で最近知った程度のアイドル知識しか持たないオレだが、森川というアイドルがどのくらいの人気を持っているのかくらいはわかる。
ピ○チュウ級の超絶アイドルをこえる人材がまだ地球上にいたとはなぁ・・・
いったいどんな美少女が出てくることやら・・・
「あっ、このひとですぅ」
どれどれ・・・
『今日のゲストの佐藤雅史ちゃんです！』














「ぎゃふん」
・・・まさか人生で本当にこの台詞を言う時が来るとは・・・
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
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しかし慣れとは恐ろしいものである。
見るたびにトリハダの立った「アイドル雅史」も今では平気で笑いのタネに出来るようになった。
それで今日は雅史の出るトーク番組「レッツゴーの部屋」を見ていたんだが・・・

『雅史ちゃんって男みたいな名前ですよね』
黒柳レッツゴーが雅史に問い掛ける。

っうか男だし・・・
・・・でも知らない奴は騙されるんだろうなぁ・・・
どう見ても今の雅史は美少女以外の何者でもない。
そりゃメイクの力もあるだろうが・・・
やっぱ高校の卒業旅行に単身モロッコ行ったってのもまんざら嘘じゃねえのかもな･･･

『はい・・・よくいじめられたけどそのたびに助けてくれた浩之って言う男の子がいたんです』

・・・・・・・・・おい。
はつみみだそんなこと。（棒読み）

『へえ、じゃあその人が初恋の相手だったりするの？』

『と言うか今でも好きなんです・・・』

・・・おいこらもりかわゆきをもこえるとっぷあいどるがぜんこくねっとでそんなばくだんはつげんをじつめいまでだしてするんじゃねえしかもおまえはおとこだろおとこおとこおとこおとこ・・・（絶・棒読み）

『初体験もその人です』

どさっ。
「ひ・・・浩之ちゃん・・・う・・・嘘よね･･･」

どうしたあかりかいものかごおとしちゃだめだろやさいがいたんじゃうよなにいまのてれびみてたのいやあれはまさしがでたらめいってるだけでなかったってそんなじじつしんじてくれよたのむから・・・
『修学旅行の夜、恋人がいなかった浩之が甘えるように僕の胸に飛び込んで・・・』
「浩之ちゃん･･･私じゃ立たなくても雅史ちゃんなら立つっていうのね・・・」
いやだからちがうってほんとだほんとだよほんとだよ・・・
『初めは痛かったけど浩之が抱きしめててくれたから・・・』
「・・・ひ・・・ひ・・・浩之ちゃんの衆道一直線っっっ！！！」
ちがうちがうちがうちがうちがうちがうちがうちがうちがうちがうちがうちがうちがうちがうちがうちがうちがうちがうちがうちがうちがうちがう・・・














月の夜に　煌煌と燃ゆる　「天」の文字
　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　藤田浩之辞世の句

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ども。お久しぶりっていうか、誰も知らねえよレベルの人間、山岡でございます。
今回もお目汚し誠に申し訳ございません。頑張って精進したいと思いますので今後ともよろしく・・・