魔男っ漢 ラブリー・タカユキ 地獄編 投稿者: 山岡
俺、阿部貴之!どこにでもいるごく普通のプータローさ!でもある日突然、薬座の世界から舞い降りてきた妖精、吉川(故人)に魔法の薬を貰ってから俺は新しく生まれ変わったのです!その名も…

魔男っ漢 ラブリー・タカユキ 地獄編

第一話 「性犯罪者をこらしめろ!」の巻

日も暮れて辺りが薄暗くなってきたころ。
コンビニのバイトの前に何か食べようと思って立ち寄った商店街。
そこで俺はかつてない悪と遭遇した!
SE:でで〜ん
本屋の前でえっちな本をとっかえひっかえしながら何やら不気味につぶやく青年!怪しい!怪しすぎる!俺の魔男っ漢としての血(半分くらい薬で薄まった…いや、濃くなった)が「あいつは性犯罪者だッ!!」と全力で叫んでいる!
「げへげへげへ…初音ちゃん、こんなHで18禁でSMで幼女でケモノで縛りで、あまつさえスカ○ロな本見せられたら「きゃっ、お兄ちゃんのえっち!…でもお兄ちゃんがそう
いうコト好きなら…わたし…やってみてもいいよ…」てなことになって、こんなこともあろうかと通販で買っておいたでんじゃらすなうぇぽんたちがその真価を遺憾なく発揮する時がきたわけで…」
うわっ。やばっ。本物だ。
「うおぉぉぉぉぉぉっ!○学生!ナイチチっ!無毛っ!ス○トロ!燃えるぜぇぇぇぇぇぇぇっ!!」
スカト○はやめいっちゅーの。
まったく、最近の男たちってのは何故ロリに走るか。
もっとほら!男、いや漢ならば「熱い、暑苦しいほどの漢の友情」やら「あっ…兄貴の胸板…けっこう厚いんでゲスね…」みたいなのにほとばしる熱いパトスを燃やすもんじゃないのかコンチキショー。
…閑話休題。今は目の前の悪を懲らさねば!
今こそ魔法の薬の力を借りる時だ!

説明しよう!
阿部貴之はビン一本分の魔法の薬を服用することで魔男っ漢ラブリータカユキに気分的に変身できるのだ!あなたは薬止めますか?それとも、人間止めますか?

「いくぞぉ性犯罪者ぁぁぁ…」
ろれつの回らない口で俺は叫んだ…。



つ…強い…!この性犯罪者、性犯罪者の癖にめちゃくちゃ強い!!普通そういう変態野朗は正義の味方に秒殺されるのが世の常なのにっ!!
俺は自分の鼻血を拭った。薬のおかげで毒々しい紫色なのはご愛敬である。
「…人が初音ちゃんの為に一番ディープでマニアックなエロ本探している大事な時につまんねえいちゃもんつけやがって…あまつさえ人を犯罪者呼ばわり…」
性犯罪者が一回り大きくなったように見えた。やばい。もう薬が脳まで来たか。
「人の恋路を邪魔するやつは…鬼に斬られて死んじまえってか…?」
うわっ寒気まで。次の薬次の薬っと。
薬を探しだした俺の正面で性犯罪者の爪が振り上げられた…。
気づいた時にはもう遅かった。奴の爪は俺の頭上めがけ…
…柳川さんっ…!
死を覚悟して目を閉じた時、俺の心に浮かんだのは父でも、母でもなく、愛しき兄貴(精神的な)の笑顔だった…
ひゅっ…ぴしぃっ!
何かが飛んできて何かにぶつかる音…
音が聞こえた…?…まだ生きている!?
驚いて目を開く。
見ると性犯罪者の手には真っ赤な薔薇が突き刺さっている。
「…手前何者だ…!?」
性犯罪者の視線が向かう先。
そこにいたのは!
真紅に輝く蝶仮面(ラメ入り)!おそらく仮面とセットであろう真紅のマント!それらに不釣り合いな普通の背広(蝶仮面にはタキシードだ、断じて!)!本屋の看板に立つあのシルエットは一体!?
「私の名前はマスク・ド・狩猟者!!」
SE:ばば〜ん
…いかにも春になると異常増殖する「あちら側の人」である。
「ラグリー・タカユキっ!これを使えっ!!」
マスク・ド・狩猟者の投げたモノを慌てて受け取る。
「な…これは…銃!?」
ぶっ。
吹き出す性犯罪者。
「おっ…お前ら…銃刀法違反って知ってるか…!?」
ぬおっ!性犯罪者のくせに常識を振りかざしてくるとはっ!!
もはや許せんっ!!
スーパーモードだぁ!!
俺はありったけの薬を取り出した!!

またまた説明しよう!!
ラブリー・タカユキは致死量スレスレの魔法の薬を服用することによっていろんな意味でスーパーモードにイってしまえるのだ!(危険ですので死んでも真似しないでください)

高まるテンション!ずれゆく焦点!
今ならイける!
「必殺!タカユキ・ハートフル・バックスタブぅぅぅぅぅぅっ!!!」

しつこいけども説明しよう!
「タカユキ・ハートフル・バックスタブ」とはただ単に薬飲んで人に向けて銃をぶっ放す度胸をつけて引き金を引くだけの技である。ただしラブリー・タカユキは薬の力を借りても背後からしか打つ度胸のないチキン野朗だ。某柳川いわく「そこが可愛い」らしいのだが…。ちなみにどこをとっても犯罪だ!叙情酌量の余地もない!真似すんな!

ぱぁぁん。響く銃声。
技の反動でかすれゆく意識の中…
視界に入ったのは血の海に沈む性犯罪者と…俺を抱きかかえる愛しき兄貴…
柳川さん…。助けに来てくれたんだ…
「よく、頑張ったな貴之…」
「や…柳川さん…俺…俺…打てたよ…」
そして意識は闇の中へ…

気がつくとそこは病院。横にはりんごをむいてくれている柳川さん。
あのあと倒れた俺をここまで連れてきてくれたらしい。
「あの性犯罪者は無期懲役で監獄へ叩き込んでやったから安心しろ。」
優しくあの後のことを説明してくれた。
でも、マスク・ド・狩猟者については何の痕跡も残されていなかったらしく、僕の質問にも柳川さんは首をひねるばかり。
真紅の紳士、マスク・ド・狩猟者…。またいつか逢える日が来るのであろうか…。

駐車場。
柳川の車の中。
後部座席の真紅のマントと蝶仮面が光を浴びて静かに輝いていた…

                              つづかぬ
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またやっちまいました、山岡です。続き物書こう書こうと思ってたのにこんな一発ネタ思い付いちゃって…ほんと、お目汚しすいません!あ、ちなみにこの話、本気で続けませんから・・・
観想くださった方々、好感触なご意見ばかりほんとにありがとうございました!
僕の駄文にあんなもったいないお言葉…ううっぼかぁしあわせもんだぁ!
ではこのへんで…