鶴来屋ファイト98 その5<後編> 投稿者:結城 光
<全壊までのあらすじ(入力ミス、けどこれで合ってる(笑))>
 既に私も憶えてません。いつのまにかGWも終わってるし……(笑)
 と言うより、もうすぐ6月だなぁ…季節の変わりゆくのは早い…(しみじみ)
 けど、2人でも続きを知りたい人がいるから……私は書く。
 えっと……前あった事は……(図書館に見に行く。本当に憶えてなかった。(爆))

(お知らせ:このSSは図書館SSへとマイナーチェンジされました。(爆))
第7話『戦いの果てに……(5月5日)<後編>』

 かおりの手にはブラックジャックが握られていた。綾香が梓との戦いに集中している間
にかおりは背後から綾香を強打する。ゆっくりと倒れていく綾香。
「綾香だったらちゃんと危険に気付く!!」って意見がある人。あえて却下。
「……先輩……これでよかったんですか……?」
 かおりは複雑そうな顔をしながら梓に話し掛ける。
「……勝ちたかったんだ……どうしても……」
 梓もまた悲痛な顔をしていた。極限まで追いつめられ罪を犯してしまった犯罪者の様な
顔である。梓はうわ言のように語り始める。
「どうしても勝ちたかったんだ……あと半年もすればPS版東鳩が出て、きっとこの娘の
シナリオも登場するはず……そうなったらアタシには到底勝ち目が無くなる……それに、
今や本家の即興小説はWAの時代……もうアタシ達が日の目を見る事はないんだよ……」
「久々野さんも美咲さんに傾いているらしいですからね……」
「ああ……だからこれを逃したらアタシはもう主役をはる事はないかもしれない……」
「先輩の気持ち……痛いほどわかります……」
 そこには時の流れゆく事を悲しむ二人の姿があった……



「けど……ほんとにあれでいいのか……?」
 会長室からモニターを使って様子を見ていた俺は呆れたように呟く。
「梓姉さん……姉さんの意地、痛いほど感じました……」
 楓ちゃんは梓の生き様に感動していた。そ、そんなものなのだろうか……?
「だって……梓姉さんはオフィシャルの人気ランキングでも……」
「だぁっ!!それ以上言っちゃだめぇっ!!」
 俺は慌てて楓ちゃんの口を押さえる。世の中、口に出していい事と悪い事がある。けど
どうして楓ちゃんはこんなに攻撃的になってしまったんだ……?(汗)
「耕一さん……SS中に(汗)なんか使っちゃいけませんよ……」
 楓ちゃんがツッコむ。おいおい、俺はボケ役か?
「……そこは人を笑わせる所じゃありませんよ……」
 さらに続く楓ちゃんのツッコミ。かなり痛い。俺は周りの人がしらけないうちに、話を
元に戻す事にした。そうだ…梓が勝って……あれ?まだ誰かいなかったか……?
 俺が再びモニターに目をやると、梓たちとは別にやられた女の子(綾香)のもとに駆け寄
っているもう一人の女性がいた。その娘はやられた娘と外見がとっても似ていた。
 と、言う事は………?
「きっとコピー人形だな……」
「きっとクローンですね……」
 俺と楓ちゃんの声が重なる。………二人ともろくな思考の持ち主じゃないな………



「うう……ごめんなさい……姉さん……」
 綾香は途切れ途切れに芹香に話し掛ける。その顔にはかすかに恐怖が浮かんでいる。
「・・・・・・・・・・」
「嫌……姉さん……『おしおき』だけは勘弁して……」
「・・・・・・・・・・」
「いやぁっ!!それだけは……」
 芹香が綾香の服を脱がせていく……そして……
<数分経過>
「す……すごい……レベルが違う……」
 梓は目の前で起こっている事にただ呆然としていた。
「……完敗です……あれに比べたら私の行いはなんて幼稚だったんだろう……」
 何故かその場に力なくへたり込むかおり。
 ………一体ここで何があったのかは、鶴来屋にいた者しか知らない………



「いい物見させてもらいました……」
 俺はモニターの前で手を合わせて涙していた。まさか一生のうちで、あんなすごい物に
御目に掛れるなんて……
 楓ちゃんがジト目で俺を見ていたがそんな事も気にならなかった……
「……さぞかし楽しかったでしょうね……」
 楓ちゃんが静かに話し掛けてくる。俺は周りの温度が2.5度下がった様な気がした。
 この0.5度の差が偽善と嫉妬の差である事は俺内部の秘密である。
「そ……そんな事ないさ……俺は楓ちゃんが一番さ……」
 俺も最近、板に付いてきた偽善をフルに使って対応する。……汚れていくな……俺。
「耕一さん……」
 楓ちゃんが俺に抱き着いてくる。俺は助かったと思った反面、何か大切な物を無くして
しまった気がした。無論、それは千鶴さんにはもう無い。
(何か言いましたかぁ………)
 ゾクゾクッ!!………なんか凄まじい悪寒が………何だったんだ、今のは………?
「……どうしたんですか……耕一さん……?」
 楓ちゃんがとても心配そうに俺を見つめている。こんな事言えやしない……千鶴さんの
亡霊を見たなんて……
(勝手に殺さないでくださぁい……(ニコ))
 ……そ、そうだ……本編本編……



「かおり……気をつけろ……すげえでけえ気だ……」
 梓はもう一人の女性(芹香)を前にして、緊張を高めていった。
「気……ですか……」
 かおりはあえて「なんで孫○空みたいな喋りかたなんですか?」とは聞かなかった。
「来るぞ……クリ○ン……」
「は…はぁ………」
 かおりには、イッちゃった梓を止める力はなかった。梓はかなり主役気分みたいだ。
 よっぽど日頃のうっぷんが溜まっているのだろう。
「・・・・・・・・・・」
 芹香は魔法陣を組んでいく。辺りが光りに包まれる。次の瞬間!!

ドカァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァン!!

 鶴来屋の四階が丸ごと吹っ飛んだ。



 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……………

 会長室が激しい揺れに襲われる!!俺と楓ちゃんは大きくバランスを崩す。
「きゃあっ!!」
「危ないっ!!楓ちゃんっ!!」
 俺は楓ちゃんを必死に抱き寄せた。楓ちゃんが俺の腕の中におさまる。
「あっ………耕一さん………」
「楓ちゃん………もう大丈夫だよ………もう離したりはしない……」
「はい……私も…離れたくないです……」
 楓ちゃん……ずっと俺の事を待っていてくれた……俺の事を好きでいてくれた……
 ずっと……こうしていたい……ずっと……このまま……

 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……………

 ………って鶴来屋が崩壊してきているじゃないか!!
 会長室がだんだん傾いていく。このままじゃ倒れちまうぞ!!
「楓ちゃん!!早くここから逃げないと!!」
「は………い………」
 だぁぁっ!!完全にトリップしてる!!
 俺は楓ちゃんを抱えて必死に階段を降りていく。
「はぁ…はぁ……はぁ………」
 鶴来屋はちょうど真ん中くらいでポッキリ折れて4階から上が横に倒れていっている。
 従業員がみんな病院送りになっていて、今日を休館にしておいたのが不幸中の幸いか…
 って俺達はどうなるんだぁぁぁっ!!
「見えた!!………4階………」
 もう鶴来屋は90度以上折れ曲がっている。後は落下していくだけだ。
「くっ………間に合えっ!!」
 俺は渾身の力を込めて4階(があった所)へとジャンプした!!
 あとすこし………くっ…届かない………これまでか………

 ドガシャァァァァァァァァン!!

 俺はそのまま鶴来屋の3階の窓を突き破って中に入った。
 助かったけど………痛ひ………半端じゃないほど痛ひぞ………
 はっ………楓ちゃんは………無事だ………良かった………
 これで傷だらけだったらとある人に殺されるからな……
 とりあえず………4階(があった所)に行かないと………
 俺はよろめきながらも一階上へと登っていった。



 無限に広がる真っ赤な空………奇麗だ………俺は心からそう思った。
 鶴来屋4階………そこには何も無かった………
 俺は下を見る。俺の足元には鶴来屋の残骸が散乱していた。数十年の歴史が木っ端微塵
である。なんかかえって清々しかった。
 ふふふ………鶴来屋大破しちゃったよ………
 俺は静かに周りを見まわす。梓とかおりちゃんが目を回して気絶している。梓……短い
主役人生だったな……また誰かのSSで主役になれたらいいな……
 煙の向こうに人影が見える。どうやらさっきの女の子の様だ。何かボーっとしている様
だが無傷なようである……
 さっきあの子がそこに倒れている女の子と………ぶっ!!また鼻血が!!
「・・・・・・・・・・耕一さん。」
 ゲシィッ!!
「あ痛ぁっ!!」
 かっ!!楓ちゃん!!いつのまに目を覚ました……ってなんでマナちゃんみたいにすね
蹴ってくるんだ!?
 ゲシィッ!!ゲシィッ!!ゲシィッ!!
 痛いっ!! 半端じゃ無く痛い!!
「か…楓ちゃん……邪な事を考えた俺が悪かったよ……」
「わかってくれればそれでいいです……」
 楓ちゃん………将来が恐い………ってまた脱線してるぞ、オイ。



「……耕一さん……ここは私に任せてください……」
 楓ちゃんがあっちにいる女の子を見ながら言った。
「そんな……楓ちゃんだけじゃあ……」
「いえ……作者があの人より私の方に萌え萌えなのを証明したいんです……」
 なんじゃそりゃ。そもそも作者って誰だ?
「……耕一さんはここで見ていてください……」
「ああ……わかったよ……」
 それより鶴来屋はどうするんだ?



 舞台は代わって柏木家でも少しの動きがあった………
 初音は目を覚ます。何かひどい胸騒ぎがした。
「………お兄ちゃんが呼んでる………」
 声を聞いたわけではない。ただなんとなくそう思っただけであった。布団から起き上がり
居間へと向かう。そこにはやはりなにかに気が付いたようである千鶴がいた。
「千鶴お姉ちゃん………」
「初音………貴方も気が付いたようね………」
「うん………おにい」
「そうなのよ!!梓がまだ帰ってこないから私達が夕食作らないといけないの!!」
「え、え、え………違…」
「さあ!!一緒に買い物に行きましょう☆」
「お姉ちゃん!!違うの!!………って待って!!私まだパジャマだよ!!」
 千鶴は初音を引きずって商店街に向かった。今日の夕御飯は殺人料理………
 かくして耕一は引く事も出来ぬ身になってしまった。

 
 
「う〜ん……オチ……オチ……」
 そんな事とはつゆ知らず、俺はお話をどうオトすか考えていた。まさか夢オチじゃだめ
だよなぁ……いっそのこと何も無かった事になったらどんなにいい事か。
 あっちでは楓ちゃんとさっきの女の子(芹香)がまだ戦っている。
 おお、女の子がなんかすごい物を召喚したぞ………って楓ちゃん、何なんだそれ………
そんな武器使って法に触れないのか………(汗)
 戦いはまだまだ続きそうだ。本当なら決着を書きたかったがスペースが無いから書けそ
うに無い………
 いいかげんだと思ってる人、いいの、図書館用SSだから。
「それにしても……ほんとに鶴来屋壊れちゃったな………どうしよう?」
 こればっかりはどうしょうも無い。おそらくこれが鶴来屋が大破した初めてのSSだろ
うな……ってこれはSSか……?途中で作者の主観が入っちゃってる気がする……
 いやいや。俺は柏木耕一20歳。鬼の力以上に就職活動に苦しんでいる男だ。
 もっとも今は鶴来屋新・会長だったが鶴来屋が大破した以上、転職しないとな。
 だんだんと支離滅裂になっていく俺の思考。不意にある事が浮かんできた。
 そうだ……海に行こう……『ORANGE』の表紙でたしか、千鶴さん達が海でアイス
売ってたな。きっと鶴来屋海の家があるに違いない。そこできっと瑠璃子さんに逢える。
彼女に電波を使ってもらって……

 よけいに錯乱している俺。もはやここから抜け出したかった……
 海に行って……海の家で働いて……同じく海の家で働いていた柳川と出会って……
 そして生まれる友情……おやっさんの死……新たなる旅立ち……
 
 ………ってビーチ○ーイズかい。けど俺見てなかったんだぞ………

 こうして、オチも無いまま、作者の暴走によって次回に行く事になった………

 ダメ人間だな、自分。

<次回予告>
 鶴来屋修復まで鶴来屋海の家で働く事になった柏木耕一。
 そこに来た雫のメンバー達との出会いと別れ………
 謎のサーファー柳川裕也との漢の友情………
 そして20年に一度来る伝説の大波『隆山ジェーン』………
 次回、鶴来屋海の家ファイト98
『海の漢達………』
 ………を書く予定でしたが雫がまだ手元に無いのでこの回は欠番です。(笑)

<次々回予告>
 ようやく修復された真・鶴来屋………
 千鶴は客寄せのために人気歌手を呼ぶ事にした………
 当然やってくるWA御一行………
 これで騒動が起きないわけはない
 次々回、真・鶴来屋ファイト98
『歌姫達の憂い』
 ……と、思ったけど自分的にWAでギャグ書く気が無いのでこの回も欠番です。(爆)

<次々々回予告>
 千鶴の死高の料理についにキレた楓
 二人の料理対決がついに始まる………
 二人の料理を食べられる果報者な犠牲者……じゃなくて審査委員は柏木耕一
 さあ!!蘇るがいい!!アイロンシェフ!!(ここが笑う所(爆))
 次々々回、真・鶴来屋ファイト98
『窮極VS死高』
『(梓)死ぬなよ……耕一……』
『(耕一)お前らも食えよ……』