鶴来屋ファイト98 その4<後編> 投稿者:結城 光(紫音)
<前回までのあらすじ(ダイジェスト)>
鶴来屋新・偽善会長柏木耕一は突如侵入した何者かに轟沈され、
千鶴は渾身のギャグをすべらせ、楓は野望のため千鶴のもとの向かい、
初音は狩猟者(?)に追いかけられる・・・。
柏木家最大の危機!!
その時梓は・・・・・。
やっぱり部の遠征に行っていて出番はなかった。
「いいかげんにアタシをだせっ!!」
・・・しかしその叫びは空しく響くだけだった・・・。

第5話『真実の初音(5月4日)<後編>』

「だから嫌だっていったのにぃ!!」
初音の叫び声があたりにひびきわたる。
先ほどから弓を持った謎の金髪少女に追いかけられている。
ビュウゥゥゥッッ!!
ふたたび矢が襲ってくる!!
それを初音は周りの従業員を盾にして巧みに避ける!!
ブスッ!!
「ギヤァァァァァァァッ!!」
従業員が倒れる。
周りにはすでにかなりの数の従業員が倒れている・・・。
「私を守ってくれたみんな・・・あなたたちの死は無駄にはしないから・・・。」
・・・・・・・・・・。
しかし従業員の盾もついに打ち止めになり、
初音は追いつめられた。
「・・・ここまでなの・・・。」
初音は自分が生き残るために必死に考える・・・。
・・・なんかこの時点でもう鬼畜な初音ちゃんになっている・・・。
「・・・そういえば、千鶴お姉ちゃんが私に・・・。」
初音は一錠の薬を取り出した。
「『いざという時にこれを使いなさい』って・・・。」
初音はまた考える・・・。
「・・けどこれってあの『千鶴お姉ちゃん』がくれたものだからなぁ・・・。」
しかし考え込む初音をよそに相手は詰め寄ってくる。
「・・・フフ・・・モウ逃ガサナイヨ・・・。」
「・・・しょうがない、私はもうこれに頼るしか・・・。」
初音は薬を飲み込む。
「・・・・・・・・・・。」
何も起きない。
「これって・・・うっ!!・・・えっ!!・・・何!!これ!!」
初音の口から白い糸が吹き出される。
「・・・・・・・・・・。」
相手も唖然としている。
「えっ!!ちょっと!!ほんとに!!」
初音が慌てふためいている間にその白い糸は初音を包み込んだ。
「・・・・・・・・・・。」
沈黙が走る。
そのうち、そのさなぎのようなものの一部に亀裂が走る。
「・・・・・!!」
中から初音が出てくる。
「・・・ふふふ。そこのお嬢さん・・・楽しませてもらうわよ・・・。」
初音ちゃんはなぜか黒いセーラー服を来ていた。

・・・ヤバイってこのネタ・・・。

(このあとアト○ク=ナクアよろしくなバトルが展開されるがそれは省略。)

「ンンーーッ!!ンンーーッ!!」
謎の金髪少女(レミィ)は蜘蛛の糸にくるまれている。
「ふふ・・・そんなに暴れなくても・・・贄になれば楽になれるわ・・・。」
初音は完全にトリップしていた・・・。
「・・・今はそんな事より、耕一さんを助けないと・・・。」
初音は耕一の元に向かう。
「そして耕一さんを私の贄に・・・。」
果たして耕一は生き延びることが出来るか・・・!?

その頃千鶴は・・・。
「ふとんがざぶとんっ!!」
まだ寒いギャグを連発していた。
一回言うごとに辺りが3度ずつ寒くなっていく。
「・・・これでもだめだと言うの・・・?」
「・・・ならば私の切り札ギャグを・・・。」
・・・このままでは鶴来屋が氷河期へと突入してしまう!
そのとき
「・・・まだてまどってるの?姉さん・・・。」
楓が到着した。
「・・・楓・・・敵は?」
「・・・瞬殺しました・・・。」
あっさりと言う。
「そう・・・貴方の敵は雑魚だったかもしれないけど私のは強敵なの・・・。」
千鶴は苦々しい顔で言う・・・。
「・・・手伝いましょうか・・・。」
「・・・楓、あなたにあの子が笑わせるって言うの?」
刹那!!
委員長ファンの非難の声も無視するかのように
楓が敵(智子)に強襲を仕掛ける!!
「っ!!!!!」
「楓っ!!」
ドドドドドドッッガガガガッッ!!
楓は大衆劇場のステージごと智子を吹き飛ばした!!
「きゃぁぁぁぁぁっっ!!」
「かえで!!あなたは今までの私の苦労をっ!!」
「・・・それより耕一さんを・・・。」
もはや楓はここには興味がないようだ。
「・・・そうね・・・。」
もはやこれ以上言っても無駄だとしり千鶴は倒れている
敵(智子)を放っておいてホールに向かい歩き出した・・・。。
刹那!!(また)
ヒュゥゥゥゥゥゥッッ!!
グルグル!!
千鶴の体にロープが巻き付く!!
「なっ!!だれっ!!」
千鶴は振りかえる!!
「ふふふ・・・この時を待っていたわ・・・姉さん。」
そこにはロープを持った楓がいた・・・。
「かえでっ!!何をっ!!」
「簡単なこと・・・。この前と今日の決着を付けるだけよ・・・。」
「ひぃっ!!」
楓は服を着たままの千鶴を巧みに縛っていった。
P○Lの女○蜘蛛もまっ青な腕前である・・・。

ってまた蜘蛛ネタかいっ!!

千鶴を完全に縛った楓。
「・・・これで耕一さんは私のもの・・・。」
耕一の元へ向かっていった・・・。
「まちなさいっ!!かえで!!これって気持ちいいじゃないっ!!」
あたりに千鶴の悲痛(?)な叫びが響き渡った・・・。

俺は・・・まだ・・・生きている・・・。
ただ・・・ものすごく痛い・・・。
ギュシャ!!
「ってぐわぁぁぁぁぁぁっっ!!」
また大理石につぶされる・・・。
・・・俺はもうだめなのか?
・・・このまま真の偽善を極めることもなく死んでしまうのか?
・・・その方が幸せかもしんない・・・。
俺があきらめかけていた時・・・。
「・・・ふふふ。あきらめるのはまだ早いですよ・・・。」
初音ちゃんの声がした・・・。
・・・って『・・・ふふふ』?
俺は何とか初音ちゃんに目をやる。
・・・・・・・・・・。

なっ!!なぜ黒いセーラー服を・・・!?
しかも雰囲気もいつもと違う!
どうなっちまったんだ初音ちゃん!!
もしかしてこれが千鶴さんが言っていた『ダーク初音』!?

そのダーク初音ちゃん(?)は俺の上に乗っている大理石を
白い糸のようなもので持ち上げた!!
ブワァァァァッッッ!!
そして謎の2人組みに投げつける!!
「!!!」
避ける二人組み。
大理石はそのまま鶴来屋の正面玄関を大破させた。
ああっ!!俺の(?)鶴来屋がぁ!!
がっくりとうなだれる俺にダーク初音ちゃんは話し掛けてきた。
「・・・あの二人が憎い・・・?」
「・・・は・・・?」
「・・・殺してあげましょうか・・・?あなたの前で・・・。」
「・・・・・・・・・・だめ。」
それは全国の初音、葵ファンを皆、敵にまわすことのなるぞ!!
「・・・なら、代わりにあなたが私の『贄』になりなさい・・・。」
・・・・・・・・・・。
初音ちゃんのならなってもいいかも・・・。
俺は少しそう思ってしまった・・・。
「・・・とにかく初音ちゃん・・・あの二人を取り押さえて・・・。」
「・・・ええ。」
ビュゥゥッ!!
「!!!」
「!!!」
蜘蛛の糸でさも簡単そうに二人を動けなくするダーク初音ちゃん。
つ、強すぎる・・・。しかもかなり冷徹だ・・・。
千鶴さん・・・あなたは悪魔を作り出してしまった!!
「・・・さて、敵もいなくなったことだし・・・はじめましょうか・・・。」
「はじめるって・・・何を・・・?」
「・・・私の『贄』になるための『儀式』よ・・・。」
「ひえぇぇぇぇっっ!!」
心のどこかで喜んでいる俺。(笑)
このまま俺は初音色に染まってしまうのかぁ!!
ダーク初音ちゃんが俺に向かってくる!!
俺、貞操の危機!!
刹那!!(またまた)
ここに到着した楓ちゃんがダーク初音ちゃんに攻撃を仕掛ける!!
キィン!!
閃光が煌く!!
「・・・初音・・・何のまね?」
楓ちゃんは完全に切れている。
「・・・見てのとうりだわ、姉さん・・・。」
ダーク初音ちゃんも一歩も引かない。
「せっかく千鶴姉さんも始末したというのに・・・あなたも私に楯突くの・・・?」
「・・・ええ。」
って千鶴さんを始末したぁ!!
楓ちゃん・・・君は・・・変わってしまった・・・。(涙)
「行くわよ・・・初音・・・。」
「・・・ご自由に、姉さん・・・。」
再び激しいバトルが始まった・・・。
鶴来屋がまた壊れていく・・・。
俺はショックのあまり意識を失った・・・。

俺が気が着いた時・・・すべては丸く収まっていた。
きっと小人さんたちが処理してくれたのだろう・・・。
初音ちゃんは薬が切れてもとに戻っていた。
楓ちゃんは千鶴さんを始末したのでこころおきなく俺の看病をしていた。
例の侵入者5人は何者かに操られていたようだ・・・。
一体、黒幕は何者なんだろう・・・?

その頃、来栖川の別荘では・・・。
「・・・あの5人の襲撃は失敗したようね・・・。」
「・・・・・・・・・・。」
二人の少女が話をしていた・・・。
「姉さん、明日は私達が直接、鶴来屋に出向きましょう・・・。」
こく。
「鶴来屋会長と来栖川の因縁・・・今こそ決着を付ける時・・・。」
「・・・・・・・・・・。」
鶴来屋最大の危機が訪れようとしていた・・・。

「今日は色々あったね・・・。」
「うん・・・。」
初音ちゃんが答える・・・。
「・・・ごねんね・・・お兄ちゃん。」
「ん・・・なに・・・?」
「・・・お兄ちゃんを襲ったりして・・・。」
「いや。だいじょうぶ。」
少し嬉しかったし・・・。
「・・・お兄ちゃん・・・。」
初音ちゃんは潤んだ目で俺を見ている・・・。
「・・・耕一さん・・・。」
楓ちゃんは嫉妬の目で俺をみていた・・・。
「さぁてと、今日はもう帰るか・・・。」
「・・・うん。」
「・・・はい。」
壊れた鶴来屋のことは今は忘れたいし・・・。
・・・そういえば今日は『王道オチ』はなかったな・・・。
シリアスに路線変更したのか・・・?
「あっ!!お兄ちゃん!!チャック開いてる!!」
いきなり初音ちゃんが言う。
なにっ!!そんなオチかぁ!?
俺は自分のズボンを見る!!
・・・開いていない・・・。
「何だぁ初音ちゃん。開いてないじゃないか・・・。」
「ちがうのっ!!背中のチャックがっ!!」
なにぃぃぃぃーーーーっっ!!背中のチャックゥ!!
俺にはそんなものがぁぁぁぁぁっ!!
「・・・あ。ガチャピン・・・。」
俺の中にガチャピンがいるのかぁぁぁっ!!

こうしていつもどうり『不条理オチ』で
柏木家の一日は過ぎていった・・・。

「わたしたちをわすれないでぇっ!!」
千鶴と梓の声がユニゾンしていた・・・。

<次回予告>
ついに黒幕が正体をあらわした!!
そのなは『来栖川姉妹』!!
柏木家と来栖川家の『因縁』とは!!
梓には出番があるのか!?
来栖川姉妹を敵役にした作者に明日はあるのか!?
「だいじょうぶ・・・決闘の後には友情が・・・。」
また『王道』を使おうとしている!!
THシリーズ完結編!!
次回、鶴来屋ファイト98
『カシワギとクルスガワ(5月5日)』
『ほんとに初音、壊してしまった・・・』