鶴来屋ファイト98(改造) 投稿者:結城 光(紫音)
これは作者がリーフファンとしてしてはいけない大ボケをしたため
ここに修繕したものをのせています。
一度即興小説で過ちを見てしまった人。
暖かい目で見てやってください。
「ほんとスミマセ−−−ン!!」
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第一話『新・偽善会長誕生』

ある四月の晴れた日、千鶴さんが俺に電話をかけてきた。
「こんにちは・・・耕一さん・・・。」
どこか元気の無い様な感じだった。
「どうしたの千鶴さん?何か元気がないようだけど。」
「えっ・・・そっ!そんなことありません!」
「そう・・・で、俺に何の様?」
「あの・・・私達に会いに来てくれませんか?」
「それはもちろんだよ。お盆?それともゴールデンウィーク?」
「・・・今すぐにです・・・。」
「へっ・・・?何?何だって?」
「・・・今すぐに来てください・・・。お願いします・・・。」
「えっ・・・ちょっと・・・。」
ガチャ
ツーツーツー
千鶴さんは一方的に用件を伝えて電話を切ってしまった・・・。
いったいどうしたんだろう?今すぐ来いって?
大学もあるのに・・・。
そう思いつつも千鶴さんの真剣な態度が気になり、
俺は千鶴さん達に会いに行くことにした。

「みんなに会うのは久しぶりだな・・・。」
電車に揺られながら俺は少しずつ眠りに落ちていった・・・。

俺はまだ気づいてはいなかった。
これから俺にとって恐ろしい現実が待ちうけていることを・・・。

「ええーっ!千鶴さんが鶴来屋の会長を辞めるってぇ−−!!」
いきなりの重大発表で驚く俺。
「そうなんだ。なんでも千鶴姉重大な仕事で大ボケかまして自信喪失しちゃったんだ。」
ためいきをつきながら梓が話している。
「だから、どうしても耕一お兄ちゃんに後を継いで欲しいんだって・・・。」
困惑しながらも話し掛けてくる初音ちゃん。
・・・んな目茶苦茶な。少し話が強引すぎるぞ・・・。
現実はそんなに甘くはないぞ。
「けど・・・俺まだ学生だし・・・経営もわからないし・・・。」
俺がそう言いかけた時。ふいに楓ちゃんが話し掛けてきた。
「耕一さん・・・私達と大学、どっちが大切ですか・・・?」
・・・そんな悲しそうな目で俺を見ないでくれぇ−−!!
「お兄ちゃん・・・。」
初音ちゃんも目をキラキラさせてお願いのポーズをしている。
うううっ・・・。
「もちろん・・・みんなに決まってるじゃないか・・・。」
俺は心で涙を流しながらそう言った・・・。

コンコン
「千鶴さん、入るよ。」
とりあえず(半ば強引に)会長になる決心をした俺。
その気持ちを伝えるために千鶴さんに会いに行った。
「耕一さん・・・。」
「話は梓たちから聞いたよ。・・・俺で良いのなら・・喜んで会長になるよ・・・。」
本心で言ったつもりだったが、少し顔がひきつっていたかも(オイオイ)。
「・・・ありがとう・・・ございます・・・。」
千鶴さんもそれに気づいてか複雑な顔でお礼を言った・・・。
き、気まずい・・・。

少しの沈黙の後、千鶴さんが俺に話し掛けてきた。
「ごめんなさい・・・耕一さん。本当は私、失敗のせいで辞めようと思ったんじゃないんです。」
「・・・それってどういう事・・・?」
「・・・鶴来屋の会長として、偽善を貫く事に疲れてしまったんです。」
「・・・・・。」
な、なんなんだ?一体、会長と偽善に何の関係があるんだ?
「・・代々、鶴来屋の会長は会社を守るために偽善者として行動をしているんです。
  しかし私はこれ以上偽善を続ける自信が無くなってしまったんです・・・。」
知らなかった・・・。それが柏木家当主の宿命なのか!?
・・ということは親父も叔父も祖父もみんな偽善者だったのか!?
みんな罰があたって死んだのか!?(勘違い)
・・・とにかくいつまでも千鶴さんを偽善者にさせておくわけにはいかない。
「それでも・・・俺はいいよ・・・。」
こんどは心を込めてそう言った。
とたんに千鶴さんの顔がパッと明るくなった。
「ほんとですねっ!!耕一さん!!」
「あっ・・ああ・・・。」
「よかったーー。これで耕一さんも私の仲間ですねっ!!これからは耕一さんの事を
  影からサポートしていきますからっ!!」
「・・・・・。」
この変わり身は一体・・・?もしかしてはめられたのか!?
「とりあえず・・・何をすれば・・・?」
恐る恐る聞いてみる。
「とりあえず耕一さんには『鶴来屋会長血の掟』を憶えてもらいますっ。」
「血の掟・・・?」
千鶴さんは俺に巻き物を手渡した。とりあえず読んでみる。
なになに・・・。
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『鶴来屋会長血の掟』
一、鶴来屋会長はいつでも自分を偽れる偽善者でなくてはいけない。
二、鶴来屋会長は常に会社第一である。
三、鶴来屋会長は目的のためなら手段を選ばない。
四、鶴来屋会長は事件が起きた時は大沙汰になる前に証拠隠滅しないといけない。
五、鶴来屋会長なら殺られる前に殺れ。
おまけ、鶴来屋がつぶれる時は会長も死ぬ時である。
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「・・・って千鶴さん!!『おまけ』ってなんですか!!」
「それは耕一さんが頑張るように私がつけ加えましたぁ(ニコッ)。」
「・・・・・・・・・・。」
「大丈夫ですよ、上の五つを守れば死なずにすみますからっ。」
「・・・・・・・・・・。」
「これから2人で頑張っていきましょうねっ!!」
・・・もう逃げられない・・・。
俺は自分の不幸さに、ただ泣くしかなかった・・・。

<次回予告>
千鶴の独断で鶴来屋会長になった柏木耕一。
社員達との絆はまだ無い。
当然の如く、千鶴の期待と社員達の不満との間に板挟みになる。
そんなとき急に事件が発生する。
社員達の動揺、耕一の苦悩、千鶴の焦り、
「マスコミ沙汰になる前に証拠隠滅しないと!!」
次回、鶴来屋ファイト98
    『広がる不安』
『君は本当の偽善を知る・・・。』