どうも。前回(魔術萌え〜、適当なタイトルだなぁ)は悪い評判が立たなかったようで、 良かった良かった。 今回も即興でやります。そう、題はSSタイトルではなく、マジで何にするか考えてないんです。 ============================= 死んだらそこで終わりなのは判ってる。止まったら、殺される。 だから、僕は走り続ける。後ろからは迫り来る謎の影。 この街では有名な占い師に、昨日、予言されてしまったのだ。 「あなたは殺されるよ。明日の夜、ストーカーに………」 前々から付けられてるかなぁ、とか思って相談に行ったんだけれど、それを言う前に、 そんな事言われたら、マジでビビる。 で、今日は早く帰りたかったんだけれど、そうも行かないのがすさんだ現代社会。って、単に成績悪くて 補習に引っかかっただけなんだけど。 で、帰りは午後6時、電車を降りた頃には辺りは真っ暗。 住宅街に入ってからしばらくして、後を付けてくる足音が。で、怖くなって逃げると、足音も付いてきた、という訳だ。 はぁ、はぁ、はぁ、ちょっと疲れてきたな……… 「止まって!」 と後ろから可愛い女の子の声。振り向こうかとも思ったけれど、ストーカーかも知れないと思い直して、そのまま逃走。 (!!!) 何かが、僕の足首を掴んだ。ような気がした。僕は転んでしまう。 ……………… 意識を取り戻すと、とっても可愛い女の子が、僕の額にハンカチをあててくれていた。 女の子の名前は琴音ちゃんと言って、かなり臆病らしく、ここの道を一人で通るのがイヤで付いてきてしまったようだった。 可愛い。 初めて会うから、ストーカーって事じゃ無さそうだし、可愛いし、家も近いみたいだったから、 送ってあげる事にした。 僕も、一人じゃ心細かったんだ。ストーカーも、近くに人がいれば手ぇ出せまい。 琴音ちゃんはやたら怖いらしく、うつむいて何も話さない。困ったなぁ。 「今までこんなに可愛い娘が近くに住んでたなんて知らなかったよ」 「………」 「いやぁ、今度遊びに行っていい?」 「………」 反応くらいしてくれたって。黙ってると余計怖くなるよ、と言いたいけどそれは脅すみたいな感じだし。 「ああっ!!」 琴音ちゃんが、僕の顔を見て、イヤそうな表情を浮かべた。 「……」 な、何だっていうんだ? 「見えた………貴方の未来が見えたの!!」 はぁ? 「あなたはもうすぐ、頭の上に卵焼きとラーメンとネコを乗せて、ぐるぐる回転してしまう!」 えええ? 「見えたの!見えたの!私のせいじゃないの!運命なのぉ!」 琴音ちゃん、両耳を押さえてダッシュ。 ………呆れて追えないオレ。何なんだあの娘。 「ぽとん」 ん?頭の上に何か乗った。あったかい………いや、熱い!うぎゃあ! 「あちあちあちーーーっ!」 近くの家の窓から飛んできたらしい。その家も大騒ぎしている。すぐに窓からこっちを見て、また大騒ぎ。 「どばしゃー」 ………上から何か液体と、まとわりつくような何かが降ってきた。ラーメンの汁の味がする。さめてる。 「ふーみぃ、ふみゃああ!!」 ぼとん。 ああ、ネコだ。ネコがオレの頭の上に降ってきたんだ。 「殺してやる、殺してやるぅ!私のモノにならない貴方なんて、死んじゃえ!」 突然、女性の声。 あっ、クラスメートの目立たない、名前知らない女子だ。ストーカーやってる噂があったが、マジだったのか! んでもって、オレだったのかぁ! しかし。 「うそっ、うそよ!私の憧れの人は、頭に卵焼きとラーメンとネコなんかかぶってる変な人じゃないわ! ストーカーやめてやる! ヘン、ざまーみなさい!うわーん私の恋は終わったわぁー!!」 ストーカー、逃げ出してしまった。 「………………………」 ………アイツ、手に、包丁持ってたな………オレ、助かったんだろうか……… 琴音ちゃんの能力で、一人の人間が救われたのであった。 しっかし琴音ちゃん、何でそんな状況を頭に思い描いてしまったのだろうか。 ================================= ………うーむ、琴音ちゃんの話は書けないかな、と思ってたけれど。 書けてしまったなぁ。 やはり、即興は面白いね。