「──ろゆきちゃん」 軽い眠り──いや、微睡みと言うべきか──のなか、俺の耳に優しい声が聞こえていた。 これは──誰の声だろう、よく知った声のような気がするが── 「──ひろゆきちゃん」 ええと、誰だったっけ──この声は── そこまで思考していて、ようやく気がついた。──決まっているじゃないか、この声、この呼び方 は── 「浩之ちゃんっ」 「──あかり」 ──そう、あかりだ。俺をちゃん付けで呼ぶのはあかりしかいないじゃないか。 目を開けると、顔いっぱい微笑んでいるあかりがいた。 「あ、目が覚めた?」 「あ──そうか、俺、ねむっちまってたのか」 目を擦りながらそう言った後、俺は上半身をあげた。 「浩之ちゃんも疲れてたんだね」 「ああ、そうらしい。おまえは──風呂に入ってたんだっけな。どうだ?」 「うん、いいお湯加減だったよ」 「そうじゃねえよ。──疲れは取れたかって訊いたんだよ」 俺がそう言うとあかりは少しびっくりしてから、コクン、と頷いた。 「そうか、…じゃあ、俺もはいっちまうよ」 風呂は思ったより広かった。もちろん、共同で入れるほどの広さではないが、二三人ぐらいなら簡 単に入れる広さである。それに比例するように湯船も広く、体中の関節を伸ばしながら暖まることが できそうだ。 「ふ…うぅ」 湯船につかりつつ、俺は溜まっていたものを吐き出すように息を吐いた(ひょっとしたら本当にた まっていたのかも)、 あかりの言っていたとおり、丁度いい湯加減だ。体の芯から暖まる気分とは、こういうのを言うのか もしれない。 ──今日滑る気でいたのになあ…いろいろなゴタゴタで…滑ってる時間がなかったぜ。明日は思い っきり滑りたい なあ。今日は…早く寝て明日に備えるか… 俺は、ざばんッ!という大袈裟な音を立てながら湯船から出た。 体を拭き、持ってきておいた寝間着に着替える(なんて適当な描写だ)。 実は、ものすごく腹が減っていたりして…俺は少し急ぎ気味に部屋に戻った。 「あ、もう上がったの?早いね」 ドアを開けると同時にあかりが微笑みながら言った。なんか、すんげえ嬉しそう。 「何なんだその嬉しそうな顔は…って、それよりも早く飯食いに行こうぜ」 「うん、そうだね。早く行こうか」 食事は、量こそ多くなかったものの妙に腹が膨れた。 ──あかりは食事している間、笑みを絶やさなかった。その笑顔を見ていたら、自然に気分が良く なった。 夕食を食べた後部屋に戻ると、俺もあかりもすぐに布団にもぐり込んでしまった。 ──が、俺は眠れなかった… 当然だろっ!?手を伸ばせば触れられるほど近くにあかりがいるんだから… 横を見ると、あかりが静かな寝息を立てて眠っていた。俺のせいとはいえ…疲れてたんだな──俺 は無意識に、あかりの頬に触れた。あたたかく、すべすべしている… 「…あかり──」 俺は、あかりを起こさないように小声で囁いた。 「──愛してるぜ…」 何故か急に俺は安心し、その途端強い睡魔に襲われた。俺は最後の(?)力を振り絞るようにあか りに顔を近づけ、重ねるだけの軽いキスをした。 「あいしてるぜ…」 俺は最後にそう言った後、その体勢のまま眠りについた。 To be continued... ------------------------------------------------------------------------------------------ どうもどうも、ゆきちゃん参上でしゅ。 とりあえずこのお話、最初は二回で終わらせるつもりだったんですが…このままじゃ三回を越えち ゃいますね。 ひょっとしたら予定していたとおりには書けないかも…(この状態で既に、いくつかのシーンはカ ットされてる) くっそぉ。「前編」なんて書くんじゃなかった… アルルさん メール、ありがとうございます。 とりあえず「鉄は熱いうちに打て(普通知らないって。でも、最近新刊出たので嬉しいです。エロ ○カ)」ならぬ「ネタは早いうちに書け」の信念でやっております(つまり、質より量)。 ちなみに、ゆきは学生です。 それと、宿命は背負ってませんが僕もロリです。 つうか、仲間に入れろおおおおおおおおおっっっっっ!!!! (身の程知らずのバカ。戯言ですのでお気になさらずに) UMAさん メール、ありがとうございました。 っていうかすいません。言われたそばから終わっちゃって。 ホントに悪気はないんですよう。お願い信じて。 それと、お二人とも雫のじょーほー有り難うございました。 がむばってみます。 ていうか、アウターストーリー出れば全部見終わったことになるんですか? でも、トゥルーエンドのBGMって聴いたこと無いからな…あの先になんかあるんだろうなあ。 設定資料集って、まだどっかで売ってますかね。 でわでわ・・・