ある日シリーズ3「楓」編 投稿者:スピード
始めに (M・K=え ゆき=ゆき)

ゆき:スピードとは、僕と、僕の妹のM・Kによって作られた(作らされた)グループです。
え:つまり、私と兄ちゃんの合作です。正確に言うと、兄ちゃんは書いているだけです。
ゆき:うそをつくなっ。お前の考えたた文に生命を──(以下略)。そして、痕のキャラに合わせているのは僕だ。
え:じゃあ、私にも痕やらせてよ。
ゆき:だーめ。十八禁だもーんっ。このHPも。
え:けち。
ゆき:わっはっは。○年早い。
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「原案 M・K 原作(?) M・K or ゆき 文 ゆき」

 私──柏木楓です──が部屋で本を読んでいるときでした。
 外から、焼き芋屋さんの声──スピーカーから流れるやつです──が流れてきました。
 私は、本を閉じて溜息をつきました。
──また…使われるのね。
 普通ならば、ちょっとしたことなのですけど…。それでも動機が不純なので、やっぱり嫌なものです。
 私は、相手が来る前にドアを開け、廊下に出ました。すると案の定──。
「かえでぇー」
 廊下の端の方から、千鶴姉さんが駆け寄ってきました。

 要するに、千鶴姉さんは買い物をしてきて欲しい訳なんです。
 でも、自分でお芋を買いに行くのは恥ずかしいから、私か初音に行かせるんです。
 私たちだって恥ずかしいのに。
 でも、鶴来屋の会長がお芋を買いに行くというのは、確かに滑稽ですけど。

「解ってます」
 私は、顔中に不機嫌を描きながら、そう言いました。
 でも、それに気がついたのか気がつかなかったのか、千鶴姉さんは、
「ありがとうっ!かえで」
 そう言いながら、私に小銭を渡しました。そして続けて、
「今ダイエット中だから、トウモロコシ一本で良いわっ!」
 と、嬉々として叫び、自室に戻って行きました。
 私は、溜息をつきながら呟きました。
「ダイエット中なら、食べなければいいのに…」
 私もいつか、ああなるのでしょうか…?

 外に出ると、少し離れたところにお芋屋さんの軽トラックが止まっていました。
 早く帰りたいので、ちょこちょこと駆け寄ります。
 すると、私に気がついたお芋屋さんのおじさんが、
「お嬢ちゃん、いらっしゃい」
 と、笑顔で言いました。
──私…いったい何歳に見えるんだろう…。
 そんなことを、ふと思いました。そして、何だか少し恥ずかしくなりました。お嬢ちゃんなんて呼ばれたのは、多分初
めてだと思うから。
「あっ、あの…」
 トウモロコシを下さい…そう言うのに何故かどもってしまい、私は口ごもってしまいました。
 何だか、恥ずかしくなっていきます。
「ん?なんだい?」
 笑顔のまま、おじさんは聴いてきます。
 私は、手を胸に当てて、自分を少し落ち着けてから、
「と…トウモロコシ一本下さい…」
 と、やっとの思いで呟きました。
 するとおじさんは笑って、
「はいはいっと」
 と言いました。そして、荷台に手を伸ばしてアルミホイルに包まれたトウモロコシを取ると、いつの間にかに持ってい
た紙袋にそれを入れました。
「あの…はい、お金です…」
 一連の動作が済んでから、私はお金を手渡しました。でも、まだ恥ずかしくって、顔は俯いたままでした。
 おじさんは笑顔のままそれを受け取ると、私に袋を渡そうとしました、でも、
「ちょっと待ってな」
 考え直した感じでそう言うと、また荷台に手を伸ばしました。
 そして、そこから中位の大きさのお芋を一個取り出して、さっきの紙袋とは別の袋に入れて、私に差し出しました。
「お嬢ちゃんは可愛いから、こいつはサービスな」
 と、言いながら。
 私は、更に赤くなって俯きました。
 誉められるのは嬉しいのですが、それ以上に恥ずかしかったのです。──姉さん達や初音は、こう言う時どうするの
だろう…。何て考えてしまいます。
「まいどー」
 おじさんがそう言うのを聞くと、私は大急ぎで家に戻りました。後ろで、車の発進する音が聞こえます…。
 私は、何だかいつもよりずっと恥ずかしかったです。

 家の玄関まで行くと、千鶴姉さんが外まで出てきていました。
「ありがとうねーっ!」
 ものすごく嬉しそうです。私は、トウモロコシの入った袋を千鶴姉さんに渡すと、すぐまた駆け出しました。
 一人になりたかったんです。

 私は、近くの小さな公園に来ました。
 季節柄の所為か、誰もいません。此処でなら一人になれるようです──私は、角にある小さなブランコに腰掛けるこ
とにしました。
 ブランコに座ってすぐに、自分がお芋の入った袋を握っていることを思い出しました。
──せっかくだし…。冷めないうちに食べようかな…。
 私はそう思うと、袋からまだ熱いお芋を取り出しました。熱いとは言っても、持てないほど熱くはないので、ちょっと
我慢して直接手に持つことにしました。
 湯気が宙に昇ります。
 何だか、食べるのに少しワクワクしている自分に気がつきました。
ぱく
 私は、人が居ないのを良いことに、直接お芋に噛みつきました(でも、口が小さくて、あまり沢山は囓れなかったん
です)。
 噛んですぐ、口の中がお芋の甘さと暖かい湯気でいっぱいになりました。
もぐもぐもぐ
 私は、お芋とそれを握る手で口を隠しながら口を動かしました。
 自然と顔が綻び、頬が熱くなっていきます。
 いつもと違う出来事が、私はすごく嬉しくて、
──こんな事があるのなら、嫌がらずに頼まれても良いかな。
 そんなことを思いました。そして、
──今度は誰かと──耕一さんと一緒だったら、良いな。
 顔が赤くなっていくのをお芋の所為にして、私はそんなことも考えました。
                    … 了 …
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え:何とか終わったねえ、兄ちゃん。
ゆき:さ…三回も書き直したんだ…。
え:所詮馬鹿か
ゆき:煩い…。でも、お前の所為で楓ちゃんが楓ちゃんでなくなっている…。
え:だって、痕やっていないもの。
ゆき:あれは十八禁だ。○年はやいっ!
え:…いつかやるぞ…。

と、言うわけで、時間がないので、レスは抜きです…。

でわでわ・・・