空に丸いこの星の衛星が出ていた。 その光に誘われるように私は船を出て川の近くまで歩いてきていた。 船が壊れ遭難しこのような最果ての星まできてしまった。 それでもこの景色が美しいと感じてしまう。 この景色を見ることができて良かったと思った。 そうして星を眺めて立っていると、ひとつの人影が近寄ってきていた。 獲物のはずのその人をどうにかしようという気には何故かならなかった。 何故かこの人から感じる暖かい波動、それが心地よく私の心を包み込んでくれるよう感じたから。 何を言ってるのかわからない、それでも心は伝わってきている。 ほんの一時、一秒ごとにその人に惹かれていった。 この感情は私たちに無いもの、目の前の人がくれたもの。 確信していた、私はもう一度この人に会うことを。 確信していた、狂えるほどの恋に落ちることを。 たとえ種族が違っても、そのことで自らが滅んでしまおうとも止まる事は出来ない。 そんな激しい恋に陥ってしまう事を、私は確信していた。 ふと見上げた衛星は、さっき見たものよりさらに美しく感じられた。 この星に来て良かった、私は再びそう思った。 THE END こんにちは、ミヤコ屋です。 ゴールデンウィーク暇なのでこれを書いています。 特に言いたいことと言ったものは無いのですが、前回『この世で〜』で暗めの話を書いてしまったので、今度は暗くならないようにと思って書いています。 できるだけ甘い話を書きたいと思ったのですが書けていますでしょうか? これを読んでいただきそう思っていただければ幸いです。 ではまた。 PS 最近また痕がしたくなりました、こんなの書いてると。 シリアス / 痕 / エディフェル