このＳＳは
　　旅情−始まり−　−初日−　−結婚〜初夜−　−２日目−
より続いています。先にそちらを読まれることをお勧めします。
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　ザザーン・ザザーン

「ううん」

　打ち寄せる波の音と心地よい人の温もりと重さ……

　人の温もりと重さ？！

「うわ」

  朝、とんでもない状況で目ざめると横には志保がいた。


『旅情−３日目−』


「なんで、志保が横で寝ているんだ？」

　志保は俺の左腕を抱き枕として寝ていた。

「ま、まさか夕べ……　落ち着け、浩之。夕べの事を思い出せ」

　夕べは、エアホッケーで志保に勝ったから俺はベッドで寝たんだよな。
当然、志保はソファで寝て……なんで横で寝ているんだ？

「ううん」
「おい、志保、起きろ」
「ん？　あ、おはよ、ヒロ」
「志保、起きたんなら、腕を離せ」
「え…あ、ごめ〜ん」

　志保はさすがに罰が悪そうな顔をしている。

「で、なんで、ここで寝ているんだ？」
「やっぱさ〜、ソファってスプリング、悪いのよね〜。何度も起きちゃってさ〜
で、ヒロを見ると端で寝ているじゃない。これじゃあ、ベッドに申し訳ないと」
「で、潜り込んだと」
「うん」
「じゃあ、なんで腕を抱いていたんだ？」
「え、あははは。解んない（はーと）」
「…似合わないからぶりっ子（死語）はやめろ」
「…どういう意味よ？」
「そういう意味だよ」

　キィーー
　フガーー

　俺と志保はしばらく睨みあっていたが、

　クゥーーーー

「…やめましょう。お腹が空いたわ」
「同感」

　空腹には勝てなかった……動物だな。俺達。



「さ〜て、泳ぐぞ〜」
「はいはい、好きなだけ泳いでこい。俺は甲羅干しするから」
「え〜、また〜。何しに来たのよ〜」
「何と言われても泳がんぞ」
「ふん、べーだ」

　志保の水着は昨日とはまた違うワンピース。ふ〜ん。

「ヒロ、何処を見ているのかな？」
「…何のことだ？」

　ゴイン

「いってぇ」
「べーだ。後で泳ぎに来なさいよ？」
「ああ」

　志保の奴、元気一杯だな〜…　あ、転んだ。



「こら、ヒロ、起きろ！」
「うん？　どうした？」
「…寝ぼすけ。もうお昼だよ」
「…また寝てしまったか…」
「ほら、行こ」

　志保に腕を抱きかかえられて無理やり起こされ…って、胸に当たってるぞ、おい。

「ちょっとシャワー浴びてくるね」

　ザアーーー


　部屋のベランダから望む景色はやっぱりきれいだよな〜
自分がちっぽけな存在に思えてしまう。
そういえば志保がシャワー浴びているんだな…

　あれ？　あれれ？　随分経つぞ？

「……志保？」

　志保はバスローブ姿のままベッドの上で寝ていた。

「志保〜！　飯食いに行くんだろがお前は〜」
「ちょっとだけ、ちょっとだけ、５分だけ…　クー」
「志…」

　ドクン・ドクン

　…ちょっとだけならいいよな…
そっと志保のバスローブの紐を解く俺。
そしてあらわになる志保のからだ……



「んくっ…んくっ…んくっ…っくぅぅぅう」

　プハー。ビールがおいしいぜ。

「あら、藤田さん」
「あ、川名さん」
「お一人ですか？　奥さんは？」

　奥さん…ね。

「今寝てます。昼寝のはずがそのまん…」

　カン！

「いで」

　振り替えると志保がものすごい形相でいた。

「どうして起こしてくれないのよ！！」
「お昼ご飯は？！」
「…一人で食った」
「夕ご飯は？！」
「…一人で食った」

　カン！　カン！

「あで、いて」
「いいですねえ。お二人とも仲良くて…」

　しみじみと川名さんが言った。

「初めてなんです。毎日毎日朝から晩までずーーと一緒なんて…
何を話せばいいのかも分からなくて…息がつまって…
これから先、夫婦としてやっていけるのか自信がなくて…」
「そっ」
「そんなの簡単だよ。新婚の特権使っていればいいんじゃない。
ずーとＨしてればいいんだよ」
「ちょ、ちょっとヒロー」
「あ、あの…」
「あ、やだ、私とヒロはそんな関係じゃなくて…　あ、そうだ、川名さん、
頼まれてくれません？　私たちの離婚届の保証人！！」
「ば、ばか志保…」
「私たちね、偽装なの」
「はあ？」

　ものすご〜く不思議そうな顔をした川名さん。
ま、普通、そうだよな。

「藤田さ〜ん、結婚って、すご〜く大変なんですよ。親の事とか、親戚の事とか…」
「反省してます。もうしません」

　俺には…多分志保にも結婚…いや、恋愛ってものがどんなものか良く解らない。
気遣いして気疲れして気まずくなって……
本物って…？

　こうして３日目が終わった。
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感想・レスです

鬼神祭　ざりがにさま
　　暴走した史上最凶の鬼　柏木耕一
　それを止める４姉妹。そして鬼とかした坂下。
　そして、毒電波…　楽しみです。え、近日公開？
　早く読みたい〜。

ＬＦ９８（２１）　貸借天さま
　　芹香さん登場。セリオが操られているから追いかけて現れるんだろうなっと
　思っていたら、いきなり雷光召喚ですか。てっきり炎の壁ぐらいと
　思っていましたが。
　　綾香、やっぱり浩之を好きみたいですね。浩之も罪よのう。
　こうなるとあかりに死んでもらって綾香×浩之のラブラブ突入？
　…すいません、石投げないで。

はじめてのふれあい　久々野　彰さま
　　いつも思うのですが、お上手です。
　オリキャラを上手に使っておられます。

カオリン愛に生きる！　たろすけさま
　　はい、ご指摘の通り、ファンです。
　そちらのファンページにも出没してます。
　…うう、元ネタがばれてしまった…