月見草の詠(弥生さんに捧ぐ) 投稿者: みぃねこ
 内面の激しさを表情のない仮面を被って隠しているうちに、仮面がはがれな
くなって、そのうち仮面をかぶっていることさえ忘れてしまったんだね。
 あなたはもっと愛することができる。
 あなたはもっと笑うことができる。
 あなたはもっと泣くことができる。
 あなたはもっと怒ることができる。
 あなたはもっと楽に生きていける。
 あなたは自分が思っているより遥かに美しい。
 あなたは自分が思っているより遥かに多感なのだ。
 だから、今は黙ってあなたを抱きしめよう。
 あなたの嘘に免じて。
 人生をプログラムすることは、冷徹にできる作業じゃない。
 やっと気がついたあなたに免じて。
 大きな大輪の花なのに、こんなに香いたつ花なのに、夢のために、みずから
夜へと身を投じた。
 そんなあなたに免じて。
 忘れてあげよう、あなたが泣いたことを。
 忘れてあげよう、あなたが愛したことを。
 いつか、自分を愛することができる。
 いつか、明るい日差しをその身に浴びる日が来る。
 夢が醒めれば、夢が終われば、できるはずだ。
 だから、あなたの娘を、僕は変わらず愛していける。
 まだあなたは仮面が外れたことに気がついていないけれど。
 僕は知っているから。
 あなたのことを知っているから。


みぃねこ