ごめんなさい。今日も、壊れてます。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 7月吉日。 藤田先輩、お元気ですか? 新しい防具を揃えるために本屋のバイトを始めてから、もう一週間が経とうとしています。 今日はとても忙しい日でした。 朝、顔見知りの人が現れました。姫川琴音さんです。 姫川さんはキョロキョロと辺りを見回した後、書棚から本を抜き取るとダッシュでレジまで やってきました。 私は、姫川さん驚くかな?っと思って、ちょっと大きめの声で、 「いらっしゃいませ!」 と声をかけました。姫川さんは、えっ!っと声には出さずに驚いているようでした。そして、 「いっ、いやぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!」 と叫び声を上げたんです。私がその声に驚く暇もなく、本棚がいっせいに倒れ始めました。 私は必死で本棚を支えたのですが、かなりの数の本が床に落ちてしまいました。呆然と、本の 山を見つめている頃には、姫川さんの姿は無く、そのかわりに彼女の買おうとしていた一冊の 本が残されたのです。 本の題名は、『ゾウアザラシの買い方−入門編−』でした。私は、ワシントン条約で厳重に 取引が規制されているゾウアザラシを、ちゃんと管理当局の証明書をとって姫川さんが輸入す るのかどうかが、すごく気になりました。 昼、眼鏡をかけた女の人がやってきました。 女の人は、少しもためらうことなく一冊の本を手にして、真っ直ぐにレジの前にきました。 「八百七拾円になります」 と私が言うと、彼女は、 「はっ、はっぴゃく…うぅ…足りない………あの…まけてもらえませんか?」 と訊いてきました。……まける…いえ、不正を行う訳にはいきません!私は仁王立ちになり、 「私は…負けません!!」 と宣言しました。すると彼女は、何を思ったか、 「い〜〜〜〜〜〜や〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!」 ドガッ、ドガッ、ドガッ…と壁に頭を打ち付け始めました。私は驚いて、必死に止めようと したのですが、彼女は、 「カナコ…ゴメンネ…カナコ…ゴメンネ…カナコ…ゴメンネ…」 と繰り返し呟くだけでした。間もなく、彼女は救急車に乗せられて行きましたが、なぜか病 院を自分で指定したそうです。 ちなみに、彼女の買おうとしていた本は、『正しい包帯の巻き方』でした。 夕方、誰が来たと思いますか? なんと現れたのは、神岸あかり先輩でした。そう、私の恋敵…なんて、嘘です!、嘘!。も ちろん、私の一人相撲ってことは分かってるんです。でも…日記の中だけ、恋人でいてもらっ ていいですか?藤田先輩☆。 なんか、しんみりしちゃいましたね。ごめんなさい。あっ、そうそう神岸先輩の話でしたよ ね。先輩は、一○分位迷った後、一冊の本を持ってレジにいらっしゃいました。私…正直びっ くりしました。 …だってその本の題名は、『彼氏を操る50の方法』だったんですから!でも、神岸先輩は、 いつもと変わらない笑顔で、 「あら、松原さん、こんにちは。バイト頑張ってるね、浩之ちゃんも誉めてたよ」 といつもと変わらない挨拶をしてくれました。私、正直言ってこのとき、 『神岸先輩には、かなわないナ…』 と悟りました。…世の中には、知らない方が良い事もあるのかな…それとも、これが社会勉 強というものなのでしょうか?でも、私…諦めませんからね。 それでは、先輩…おやすみなさい。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− >ジン・ジャザムさん う…うらやましいです。真っ当なダークものが、書けるのは…。私のような壊れ者には、真 似できないです。ダーク祐介もかっこいいです。 >神我人さん 幸せの予感を感じさせるマルチの登場…いいなあ。 >dyeさん お久しぶりです。3つとも凄い!のは言うまでもありませんが、私は特に『リネット』の話 が好きです。やはり、詩の才能がありますよね、dyeさんって。 >祢本 暢明さん ええなあ、ほのぼのとした話って。私には、百万年かかっても書けないので、どんどん書い てくださいね。あかりのやさしさもいいですが、私としては志保の意地っ張りに感情移入して しまいます(^^; >西山英志さん むう、楓ちゃんを書いても天下一品ですね。最近、涙腺がゆるくなったのだろうか?私がい つか楓ちゃんをネタにしても、どうか怒らないでくださいね(^^;;; >ゆきさん おお、私にもわかるぞ…ララア。じゃなくて…確実にレベルアップなさってますね。そのま ま頂点を目指してくださいね。私はふもとの茶屋から見上げておりますので(^^;; あと、皆さん。私にはレスをつけなくて結構ですので、どうか『また、アホやってんなぁ』 くらいの目で見といてくださいね。