ここは静かですね。 もし、貴方がひまゆえにキャット空中3回転をしているんでなかったら、読み飛ばしてもらっていいですよん。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 「しょせんこの世は焼肉定食・・・旨ければ食い、不味ければ残す」 千鶴の目の前の少女がつぶやく、その顔に天使の微笑みを浮かべた少女・・・ "楽"の感情しかもたない少女・・・そして、それゆえに天賦の才を持つ料理人、 天食の初音ちゃん(てんしょくのはつねちゃん) 対するは、かつて幕末の動乱の中その大食ぶり、悪食ぶり、そして旨いもの以 外は決して口にしないことで最強のグルマンと謳われた、 キャシー柏木(きゃしーかしわぎ) 「間違ってますよ、『残さず』なんて!不味いものまで食べるなんて!」 初音ちゃんが、微笑みながら言った。 「違う!わたしも幕末の時代数多(あまた)の料理を残した。その罪はつぐないきれるものではないが しかし、今この明治という時代の中でひっそりと、懸命に生きている人達がいる・・・ わたしの料理を食べてくれる人達がいる。 だから再び動乱にそんな人達を巻き込むわけには、絶対にいかない!」 (千鶴姉さんの料理を食べてくれる人なんて、ほんとに貴重だものね。) 千鶴のちょっと偽善的な科白を聞きながら、梓はそんなことを思っていた。 「おしゃべりはこれくらいにして、そろそろ作らせてもらいますよ。」 そう言うかいなや、初音ちゃんの姿が消える。 「縮胃・辛さ爆発1000倍カレー、3杯手前!」 「くっ、かっ辛い・・・」 その料理のあまりの辛さに気絶しそうになりながらも、千鶴はなんとか食べきった。 初音ちゃんはまだ実力の半分も出していないだろう、千鶴は思う・・・ 『キャシー柏木』に立ち返ることなく目の前の少女を打ち破るにはやはり、 天翔龍食意地(あまかけるりゅうのくいっぷり) しかないと・・・・