耕一さんが目の前にいる。 手を...伸ばせば...すぐ届く所に... だけど。 私は無表情な顔を作り、そのまま部屋に戻る。 部屋の鍵を閉め、ベッドに身を投げ出す。 枕に顔を埋める。 私は、耕一さんに近づいてはいけない。 耕一さんの血が目覚めたら、千鶴姉さんが・・・ 氷点下の空気が肌に触れる。 だめ。 絶対にそんな事をさせちゃいけない。 そう、私が近づかなければいいだけの事。 それだけ。 ・・・それだけ...なのに... じわりと濡れる。 私の中のエディフェル。 彼を想うのはそのため? ・・・ううん、違う。 ずっと、ずっと、好きだった。 耕一さんの顔を見るたびに、心がギュッとなって、鼓動が速くなって、苦しくて、・・・切なくて。 こんなに、こんなに好きなのに! ・・・伝えられない、この気持ち。 コンコン。 部屋のドアがノックされる。 ドキっとして、呼吸が止まる。 耕一さんかもしれない。 耕一さんかも、しれない。 「ぁ・・・どなたですか?」 胸が高鳴る。 「俺、耕一だけど、ちょっといいかな?」 伝わった!? どきどきどきどきどきどきどきどき。 胸が高鳴る、恐いくらいに。 今、会っちゃいけない。 今、近づいちゃいけない。 解ってる。 解ってる。 けど、だけど。 あの声を聞いてしまったから。 耕一さんの声を聞いてしまったから。 「どうぞ、今開けます」 少し震える声で、そう言った。 カチャ。 扉の鍵が開く。 耕一さんが目の前にいる。 もう、止まらない。 想いは、伝わるから。 私が手を伸ばそうとすると、彼が先に抱きしめてくれた。 二人の想いは、互いの身体をやっと伝わり会って。 そして、二人は結ばれました。 ------------------------------------------------------------------------------------------------- どうも、緑です。 アルルさんがいなくなる。 正直、ショックです。 メールのやり取りをしてもらって、互いの方向は違ったけど、それでもそれはとても楽しく、参考になり。 この作品が、私の方向で、今贈れる最高のものです。 まだまだ拙いですが、読んでいただけたら幸いです。 それでは。