歌劇「赤ずきん」『痕編』第一幕 投稿者:まさた
歌劇:赤ずきん『痕偏』    脚本/監督:まさた

『第1幕:赤ずきん』

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            :
語部/楓    :「… むかしむかしのことです。ある小さな村にひとりの女の子がいました。
            : それはそれは、とても可愛らしい女の子で、村のみんなからもとても
            : 可愛がられていました。その女の子はいつも、おばあちゃんから貰った
            : 赤ずきんをしていました。その赤ずきんはとてもその女の子に似合って
            : いましたので、みんなはその女の子を「赤ずきん」と呼んでいました 」
            :
            :
            :< 母親登場。舞台中央に立つ>
            :
            :
母親/かおり:「… 赤ずきん、赤ずきんちゃ〜ん。どこにいるのぉ? 出てきてよぉ〜」
赤頭巾/初音:「… はぁ〜い、お母さま。赤ずきんはここにいるよぉ 」
            :
            :
            :< 赤頭巾登場。舞台中央に行く>
            :
            :
赤頭巾/初音:「なぁに、お母さま。赤ずきんに何かようかなぁ?」
母親/かおり:「そうなのぉ、用があるんだけどぉ〜。うふふ、やっばり初音ちゃんって
            : 可愛いわよねぇ〜」
赤頭巾/初音:「… は、はあ。あ、ありがとうございます。あのぅ、それでお母さま、
            : 赤ずきんに用って何なのかなぁ?」
母親/かおり:「うーん、そのお母さまってのもいいけども、お姉さまって呼んでくれた
            : 方が、かおりお姉さん、嬉しいんだけどなぁ〜〜〜」
赤頭巾/初音:「…… え? … ええっと … そのお、用事って何かなぁ、お母さま ……」
母親/かおり:「… だいじょうぶ。別にお母さまでも構わないから。いっぱい甘えていい
            : のよ? 優しくして、あ・げ・る・か・ら 」
赤頭巾/初音:「あ、あの、そう! 用事だったよね? 確か、おばあちゃんのところに
            : お菓子とバターを持って行くんだったよね? ね? 」
母親/かおり:「んん。その用事はもういいの。それより、もっと大事な用事をお母さん
            : と一緒にしましょうね、赤ずきんちゃん …?」
赤頭巾/初音:「… あは、あははは。…… お、おばあちゃんのところに行って来るぅ!!」
            :
            :
            :< 赤頭巾。逃げるように退場 >
            :
            :
母親/かおり:「ああ、待ってぇぇ。かおりはおばあちゃんでもいいのよぉぉぉ!!」
            :
            :
            :< 母親。赤頭巾を見送りに行きながら退場 >
            :
            :
語部/楓    :「……………」
語部/楓    :「… こうして、お母さんから用事を言い付かった赤ずきんは、隣の村に
            : 住むおばあさんの家へと向かいました。体の悪いおばあさんのところへ
            : お菓子とバターを持って行ってあげるのです。そして、村の外れの森の
            : 道に差し掛かった時のことです …… 」
            :
            :
            :< オオカミ登場。舞台中央を来る >
            :
            :
狼/千鶴    :「(…… なんでよ。何で私がオオカミなんて役柄なのよ ? )」
語部/楓    :「……………」
狼/千鶴    :「(… おかしいわ。か弱い私にこんな役柄が出来るはずないじゃない …)」
語部/楓    :「…… 姉さん ……」
狼/千鶴    :「(… しかも、このダサダサの服はなんなの? もう、恥ずかしいわ )」
語部/楓    :「…… 千鶴姉さん …」
狼/千鶴    :「(… これは陰謀よ。きっと、私の美しさを妬んだ陰謀に違いないわ …)」
語部/楓    :「… 千鶴姉さんってば!」
狼/千鶴    :「 キャッ!! ―――って、ビックリしたわぁ〜。どうしたの、楓?」
語部/楓    :「(… 千鶴姉さん、もう、お芝居が始まっています …)」
狼/千鶴    :「( えっ? もう? … あ、気付かなかったわぁ〜 )」
語部/楓    :「(… ですから、お芝居を始めて下さい …)」
狼/千鶴    :「( そ、そう …… わかったわ。……… ねぇ、楓ちゃん ?)」
語部/楓    :「(… なんですか、千鶴姉さん? )」
狼/千鶴    :「(………… 私にオオカミ役なんて似合わないと思わない ? )」
語部/楓    :「( いいえ、ピッタリだと思います )」
狼/千鶴    :「……………」
語部/楓    :「……………」
狼/千鶴    :「(…………… そうかしら ? )」
            :
狼/千鶴    :「… 私はオオカミさんよ。オオカミランドの王子なの、ふふ!!」
狼/千鶴    :「… ですけど、お腹が減ったわねぇ。やっぱり、三日三晩、水しか飲んで
            : いないからかしら? ダイエットにはちょうどいいんだけれども ……」
狼/千鶴    :「……あら? 向こうから誰か来るわね? あらまあ、可愛い女の子だわぁ。
            : そうね、あの子を今日のランチに頂いちゃおうかしら? でも、ここには
            : 狩人の危ない人たちがいるから、もっと安全な場所を探さないとダメね。
            : とりあえず、あの子に会って行き先を聞いてみるのがよさそうだわ 」
            :
            :
            :< 赤頭巾登場。歌いながら舞台中央に来る>
            :
            :
赤頭巾/初音:「… ギャグ〜。オチのない〜 つまらない笑い〜〜」
狼/千鶴    :「… ちょいと、そこの道行くかわいいお嬢さん 」
赤頭巾/初音:「 赤ずきんのことね ? なにかご用かなぁ、オオカミさん ? 」
狼/千鶴    :「 赤ずきんと言うんだね? では、赤ずきんちゃんとやらは、どこへ行く
            : 途中なのかしら? 」
赤頭巾/初音:「 赤ずきんはね。となり村のおばあちゃんの所まで、このお菓子とバター
            : を届に行くところなんだよぉ 」
狼/千鶴    :「 あらまあ、そうなの? でも、それだったら、遠いんじゃないかしら ? 」
赤頭巾/初音:「 うん。そうなの 」
狼/千鶴    :「 あらまあ、そうでしょうねぇ。でも、それなら、こっちの道を行く方が
            : 早いわよ。こちらの道の方が近道ですからねぇ 」
赤頭巾/初音:「 そうなんだぁ。ありがとう、親切なオオカミさん !! 」
狼/千鶴    :「 フフフ、気を付けて行ってらっしゃい 」
            :
            :
            :< 赤頭巾。狼にお礼を言いながら退場 >
            :
            :
狼/千鶴    :「 ウッフフフ。あの子ったら、まんまと騙されて行ってしまったわねぇ。
            : その間に私は、おばあさんをササッと頂いちゃって、おばあさんに成り
            : すますのがいいわね。そして、あの赤ずきんちゃんとやらを ……… 」
狼/千鶴    :「 フフフフ …… 」
            :
            :
            :< 狼、妖しく微笑みながら退場 >
            :
            :
語部/楓    :「… さあ、大変なことになりました。オオカミの嘘とは知らず、赤ずきん
            : はおばあちゃんの家に行く道を、遠回りしてしまいました。その間に
            : オオカミは、近道を通っておばあちゃんの家へと向かいます。いったい、
            : この後、どうなるのでしょうか ? 」
語部/楓    :「… これで、『歌劇:赤ずきん』第一幕「赤ずきん」は閉幕になります。
            : 次回は第二幕「オオカミ」を上演、致します。本日は皆さま、お疲れの
            : ところどうもありがとうございました 」
            :
            :
            :
            :< フェードアウト >
            :
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<キャスト>
赤ずきん−―――柏木初音
オオカミ――――柏木千鶴
母親−―――――日吉かおり
語部――――――柏木楓


脚本/監督―――まさた
提供――――――leaf

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 こんにちは、まさたです。
 歌劇シリーズ第二弾『赤ずきん』をお送りします。
 二部作なので、次回で終わりです。
 読んで下さった方、ありがとうございます。
 よろしかったら、次回もお付き合い下さいませ。
 Foolさん、こんなものでいかがでしょうか?(笑)


では、簡単な感想です。

【Hi−waitさん】『熱血ロボット ……』
 熱血ロボットものはいいですねぇ。彼らこそ今も私の心の正義です(笑)
 みずぴー・るりるり・さおりんのコンビネーション・プレイはカッコイイんですが、
 祐介のデレンガイヤーの必殺技のヘッポコぶりは何故ゆえに(笑)?
 ちなみに、ゲキ・ガンガーって何だったでしょうか? 昔のロボットものは、ある程度は
 覚えていたと思っていたんですが……(汗)

【久々野彰さん】『ド素人そのまま……』『Lメモ超外伝SP8……』
 え? 3月一杯で久々野さん止めてしまうんですか? てっきり常駐人で骨を埋められる
 のだとばかり思っていたんですけども(笑) でも、残念です。久々野さんがいなくなっ
 てしまうと、ここに来る楽しみが一つ減ってしまいますね。ですが、時間が許す限りは
 みんなで一緒に楽しんでいきましょうね。そして、その後も、たまには遊びに来てやっ
 て下さいな。私はもちろんのこと、きっと、みんなも心待ちにしていますから。
 フィギィアスケートですが、一人ひとりのプログラムを見てみたかったですね(笑)
 でも、こういうイベントがあると、「ああ、やっぱり学園リーフだなぁ」と思います。
 素直に笑いました(笑)

【ジン・ジャザムさん】『Lメモ俺的外伝2……』
 コテコテのとんこつラーメンのような作品でした(笑) 純粋に楽しませて頂きました。
 次回も楽しみにしています。

【ハイドラントさん】『消火栓男の執筆日記 第二回』
 カッコイイ作品名が多いですね。でも、ネタが無いときは無いので、気ままに待つしか
 ないですよ(笑) ちなみに、私は、書きかけ中の小話が8〜9話くらいあります。でも、
 全部10〜20行たらずだったりします(汗) でも、何か書いていると、ふと新たな
 ネタが思い付いたり、途中だった作品の筆が先に進めたりします。そんなもんですよ(笑)
 ……と言っているのは、今だけだろう、絶対に(苦笑)

【風見ひなたさん】『Lメモおもいっきり外伝』
 燃える炎は血潮のせい。たぎる気持ちは彼女のせい。あの星も月も太陽も、みーんな
 楓地動説で動いていたのですね(笑) さすがは、楓ちゃんです。
 ちなみに、「千鶴のわくわくクッキング☆」というのは、一度でいいから読んでみたい
 ですね。そんじゅそこいらの、A兵器やB兵器の作り方が書いてあるより、よっぽど
 効果的だと思うんですけど(笑)

【鈴木R静さん】『優しい童話』
 暖かさを感じる作品でした。本当にマルチって不思議な存在だと思います。私は、
 マルチは日本人の心であって欲しいと思うのですが、それは、マルチがそばにいる
 だけで、その周りにいる人が優しくなれるからだと思うのです。これは、マルチの
 純粋無垢な心がそうさせるのでしょうかね? 「理屈じゃないです」解る気がします。


ではでは。