風「競作シリーズその弐 NTTT VS その他大勢 お題:会話文のみ」 投稿者:日々野 英次 投稿日:5月19日(金)01時22分
「んー、いい天気」
「風も強くないし。ピクニックには最高なんだがな」
「そよ風が吹いているんだったら、それだけでいいじゃない」
「…まぁな」
「お花は用意したでしょ?それにお菓子も」
「酒は?」
「何言ってるの、未成年だったじゃないの」
「じゃ、未成年なのにあんな事したんだ」
「うーっ!人の忘れたい思い出をつつかないでよっ!」
「はっははは。ま、大したことじゃねーじゃねーか」
「もう」
「…もう一年になるんだな」
「そうね。あの時、もう少しあたしがしっかりしていれば」
「ばーか。言っても仕方がないだろう。そんなこと言ってたらいつまでも成仏できねぇだろうが」
「…うん」
「例の彼氏はどうなった?仲良くしてるか?」
「う、ま…ね」
「何だ。その様子じゃけんかでもしてるのかよ。全く、人騒がせなカップルの癖に」
「な、何よ。別にあたしはね」
「なに?…ふーん、あ、そう。いーの?そんな態度で」
「なっ」
「言っちゃおうかなぁ。あんなことやこんなこと」
「…」
「ばっ…馬鹿、冗談だよ冗談」
「あんたの冗談は冗談に聞こえないの」
「だからってやめろって危ない」
「だーいじょーぶ。悪い物しか切れないから、安心して刺さって」
「馬鹿やめろって、もうすぐアノルの村に着く」
「あ」
「ほら、見えてきた」


「律儀に毎年通ってるのか?」
「うん、まぁ、せめてもの罪滅ぼしにね」
「ティリア、お前ほんとに馬鹿だよな」
「むっ、何がよ」
「罪滅ぼしじゃ、ねーだろ?助けてもらった感謝にきてるんだろうが。
あの娘だってお前だったから助けようとしたんだ」
「…」
「だから、彼氏は大切にしろよ。何しろ人の命一つで助けたんだからな」
「そうだよね」
「世界も救った」
「うん」
「それさえ忘れてなければいいさ。ほら、元気だしなよ」
「ちょ、ちょっと」
「何、どーせ溜まってるんだろ?すぐすっきりさせてやっから」
「何考えてるのよっっっっ」
「…い、いひゃい…」
「全く、あのまま海の底に沈んでしまえばよかったのよ!」


「今日はさんきゅな。また誘ってくれよ」
「うん」
「ただし、次は彼氏も連れてこいよ。次も仲が悪いようならようしゃしねえからな」
「…そん時は呼ばないわよ」
「ふん、じゃあな」
「うん、元気でね、サラ」



http://www.interq.or.jp/mercury/wizard/