人間は、自分の存在を確かめるように生きている。 東京近郊。 何の変哲もない、町並み。平和と共存した危機があちこちに溢れる街。 夢 『一件目』 電子音の後、聞き慣れた声が聞こえた。 『ああ、耕一?えーと…11月21日からの休み、行くから』 唐突な梓からの電話。 「…ごめん」 耕一が口を開こうとすると、梓が小声で言った。 「あたし…ここにくるべきじゃなかった」 現 だが存在とは、自分で認識するだけでは存在とは言えない。 「…そう…なんですか…」 千鶴は急に力が抜けたように両肩を落とした。 「ええ、恐らく」 幻 存在が存在として確かめられるには、他者の確認が必要になる。 ――…繰り返さない自信が俺にはないんだ 幾つもの過ちと、繰り返される苦しみの連鎖。 それから逃れるには、ただひたすら足を進めるしかないのか。 偽 自我が他者との境界を失った時、恐らくそれは恐ろしい永遠の孤独。 満たされた永遠の孤独を。 「…ユウ…今どこにいるんだ…」 虚構と現実。 幻と夢。 偽と嘘。 ――お前達の墓標には、もったいないほどの名前だ 虚 嘘でもいいから、刹那的に自らの存在を証明するものを欲しくなる。 『コード1092と現在交戦中 頭部損傷 現在72%の損害を受けました 自爆の許可を』 『…許可する』 そして彼は全身の筋肉に音を立てさせる。 鬼の力を解放に近づけるのだ。 「取りあえずこいつらをやっちまおう」 今の彼女の格好は、タイトなジーンズに簡単な上着だけ。 「風邪ひいたらお前らのせいだぞ」 Cryptic Writings chapter 4:Sweet Child o'mine 「姉さん、だから姉さんにお願いしたいの。…耕一さんの事、好きなんでしょう?」 ――――――――――――――――――――――― http://www.interq.or.jp/mercury/wizard/