LOF’97 #2 投稿者:
 俺は走っていた。異国の地を・・・何故俺はこんなところにいるのだろう?
 それは、二日前までさかのぼる・・・

 突然の梓からの電話。
 言葉少なに梓は
「千鶴姉がいなくなっちまったんだよぉ・・・」
 と言った。初め何のことだか解らなかった俺も梓が冗談を言っているのではないと気づき、あとは警察と足立さんに任せおとなしくしていろとだけ言い電話を切った。
 そして自分も隆山に向かおうと家を出ようとしたとき、一通の手紙が届いていることに気づいた。普段ならダイレクトメールなどしか届かないのだが、明らかにその手紙は手書きで俺宛となっていた。
 差し出し人は書いてない。
 封を切ると一枚の便せんとチケットが数枚ほど入っていた。
 便せんを手に取り読んでみる。
「(前略)耕一さん、あなたがこの手紙を読んでいるとき私はもうこちらの方にはいないでしょう。何故なら・・・だからです。私は耕一さんに相応しい女になるために頑張ってきます・・・」
 話の内容はまったくもって理解不能だった・・・。
 千鶴さん・・・意味が分からないよ・・・。
「同封してあるチケットは・・・」
 見て俺は更にわけが分からなくなった。アメリカ行きの航空チケット、それから何か英語で書いてある入場チケットらしき物。おまけにパスポートまで入ってある。
 何を考えているんだ?千鶴さんは・・・。
 そして航空チケットを見て更に驚いた、今日の便それもあと2時間ほどで発着だ。
 とりあえずアメリカに行けば千鶴さんに会えるのだろう、ジャケットと財布をとり急いで家を出た。
 空港までは急いでも1時間はかかる、ほんと千鶴さんは何を考えているんだ。しかし梓も大変だな・・・と苦笑せざるをえなかった。
 ギリギリでアメリカ行きの便に間に合い、日本をあとにすることとなった。

 そして今俺は空港(確かシアトルだったと思う)で教えて貰った通りチケットの会場へと向かって走っていた。
 相変わらず疑問は増えるばかりだった。
 そのチケットは世界的に開かれている格闘技の大会の入場券だったのだ。なぜ千鶴さんがそんな大会にいるのだろうか、考えれば考えるほど頭が痛くなっていった。

 大きな歓声が聞こえる。
 チケットを受付に渡し場内に入っていく・・・一歩ごとに歓声が大きくなっていく、本当にここに千鶴さんがいるのだろうか。
 舞台が見えたと同時に、俺は言葉を失った・・・見間違うはずがない。
 彼女はそこにいた・・・陽の光を浴び美しい黒髪をなびかせ、そして冷たい気を放ちながら。
 俺の目を引いたのは彼女の立っているところに倒れている緑の髪の少女。

「なんで・・・」
 ぽつりと俺はそう呟いていた・・・。

LOF’97 リーフオブファイターズ ナインティセブン#2
 柏木耕一による一人称。

 えーとりあえず続きです。何故千鶴さんがKOFに出ているか?どうして耕一をよんだのか?っうのはまだ秘密っす。ふふ、さぁどうなる事やら(爆)
 98をやる暇がなく悲しい秀でした。